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混血の帝国 Under the darkest hours  作者: 深夜のピロシキ屋さん
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二つの門、二つの階級

モチベが上がったので投稿させていただきました。

かなり気分屋です。

そうこう痴話話をしている間に二つの鉄格子の門が目に入ってきた。

いつもと変わらない光景だが、こればかりはいつまで経っても良い気分はしない。

この鉄格子の門は正に僕らが生まれたその瞬間から人生が何者かによって都合のいいように分別されている気がしてならないからだ。

それを表しているかのごとく、一方のエルフやヴァイスマン達、所謂優等種族は無駄に装飾された門をくぐる。

逆に僕らは今にも壊れかけそうな門を。

その門から中央に伸びた一方の白線を僕ら劣等種族が越えようものなら瞬く間に守衛に殴られてしまう。

悪口を言うのも同様な対処を施される。

僕らに自由が認められるのはあの門の先だ。

「ったく、本当にいけ好かないやつらだぜ。アイツらよ。俺らの種族は明日生きるために必死こいて働いて生活してるのによ。あの薄汚いエルフやヴァイスマン達は生まれたその瞬間から将来が約束され、一切の苦労なく俺たちから搾取して生活してやがる。」

「そうは言ってもこの国で生活するしか道は無いんだしさ、ここ以上に発展している国を見たことあるのかい?」

「俺は物心ついた時からここにいるし、自分のルーツの国、ましてや外の他国なんてものは一切知らない。だがな、エーベル。俺はいつかこの腐った場所を出て、未だ見ぬ新しい世界を見つけるために旅に出るんだ!

誰もが自らの自由が認められる。そんな世界を。勿論その時はエーベル、お前にも付いてきてほしいぜ。」

「気が向いたらそうさせていただきますね。マッテオ君。」

「なんだよ〜、連れないなぁ。せっかくの一度きりの人生なんだし、夢はでっかくだろ!!」

「ははは、それもそうだね。前向きに検討しておくよ。」

そう僕はマッテオに返そうとした、その時白線の向こうから。

「全く、冗談がキツイですね!君たち

劣等種が夢を語るなんてことはあってはならないんですよ。何故なら既に

未来が決まっているからです。

君たちは一生私達優等種の手となり、足となり馬車馬の如く働いていればいいのです。」

「ちっ、何か耳障りな声が聞こえると思ったら、お前かルドルフ。お前のその長い耳は人の話を盗み聞きするために長くなってるんじゃねーのか?本当にお前らエルフは陰湿で嫌味なヤツらしかいないな!」

ルドルフ・フォン・インゼルフェルト

名前から読み取れるようにここ商業都市インゼルフェルトの首長の長男であり、この国屈指の名門インゼルフェルト家の次期当主、おまけに頭脳明晰と非の打ち所がない完璧な男だ。

「なんですか?その下品な言葉使いは?これだから抜け毛のひどいフュンドラーは知識や礼儀作法すら脳から抜け出してしまうんですから。だから貴方の両親はいつまで経っても貧乏なままなんですよ。

おっと、貴方のお父上は先の大戦で・・・」

マッテオの顔がみるみる怒りの表情に支配されていく。

「おい、このクソエルフ!もう一度父さんや俺の家族のことを馬鹿にしてみろ。お前のその耳を半分のサイズにしてやる。」

「おー、恐い、恐い。フュンドラーは血がのぼるのも早いのですね。いいでしょう。では、やれるものならやってみなさい!」

「後で泣きわめくなよ!! クソ野郎!!」

騒ぎの声が大きくなったせいか僕らの周りには登校ラッシュも相まって野次馬達が取り囲んでいた。

「そうだ!そうだ!やってみろ!クソ犬!」

「どうせ貴方達は遠吠えするしか脳がない負け犬なのよ!」

ルドルフに触発されたのか周りのエルフやヴァイスマン達もまたマッテオに心無い言葉を投げかける。

マッテオは更に怒りを露わにする。

「上等だぜ!このクソ長耳と白豚共!!お前らもルドルフ同様、全員俺に命乞いするまでその薄汚い顔面を殴り続けてやるよ!!」

その言葉と同時にマッテオの右拳がルドルフの顔面めがけて飛んでいこうとしている。

僕は慌ててマッテオを羽交い締めにして止めた。

「おい! マッテオ!落ち着いてくれ!確かにヤツの言ったことは僕も許せないし、怒りを隠せない。だが暴力に訴えて不利になるのは君だ!仮にもヤツは次期首長。最悪の場合強制退去もあり得る!僕はマッテオがこんな事で人生を棒に振って欲しくないんだ!!」

「ってでも!こいつだけは許せねぇ!」

と僕の制止を振り切り拳を振りかざした瞬間、横から手が出てきて、マッテオの拳はルドルフの顔面スレスレで止まった。



次回もまた未定です

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