少女の頭の中
しばらくしてから、ゆっくりと身体を起こして深呼吸を3回程すると、木の根元に座り歌い始めました。
〜〜〜♪ 〜〜〜♪ 〜〜〜♪
〜〜〜♪ 〜〜〜♪
〜〜〜♪
〜♪
少女はいつもこの森へ来た時にやることというのは、森の木陰で休むことと、
歌を歌うことだったのです。
森に来れば、誰にも見られずに、間違えたとしても恥ずかしくはないので、堂々と歌っていられるのです。
私にとって、此処は休憩所…。
森の動物さん達と、一体になれる大好きな場所…。
薔薇園も、行くだけで無心になれる、静かな場所…。
怖いことも、乱暴にされることももう何もない…。
そうだわ…。あの執事は、どうやって私の大事なものを奪っていくのかしら…。
目を閉じてから?それとも眠った後から?
いいえ、天使の目の前で見せつけるように?
いつものヒメゴトの安らかな時間の時?
大好きな薔薇園で?
何にしろ、私はあの執事に最期を見届けてもらう…。これは、そういう契約だったわね。
いつの間にか、少女の目の前には、森の動物達が沢山集まり、囲われていました。鹿やうさぎ、クマや、リス、レッサーパンダまでいます。
手を伸ばして順番に頭を撫でていきます。
今日も私の歌を聴いてくれてありがとう。
と感謝をしました。
もう行かないといけないの。
また今度此処に来るわね。
そう思いながら、森の動物達を後にしました。
そして、ゆっくり歩いて、森から出た後に自分のお屋敷の帰路に着きました。
お屋敷に着いてから、自分の部屋のベットに座り、執事が来るまでの間、ずうっと、考えました。
大事なものを奪われる際に、残しておきたい言葉を手紙に残しておこうかな。それと…今の気持ちとありがとうも