魔法使いと弟子
三日後
『……で、なんでまだお前はここにいる』
『酷い師匠、女の子にお前だなんてせめて名前で呼んでよー』
困惑し額を押さえる男
『いや、違くてな…』
『あ、でもお前って呼ばれるのも夫婦みたいで素敵かも♪』
『聞けよ……』
へたり込みorz←の図になる男
『師匠は何て呼ばれたいですかー?やっぱりハート飛ばしながらあ・な・た♪かな?』
ぷっちん♪(男の大事な何かが切れる音{決して理性ではありません})
『いい加減に……しろよ糞ガキがぁぁああ!!?』
『おおー吼えた』(パチパチと手を叩く女の子)
『はぁもういい、良いから飯作ってくれ……』
『はぁい♪』
簡単な食事を済ませた男が気を取り直して訊く
『見える傷は治療もした、ボロボロの服も私のシャツを改造して着せた、首都で使える(一枚で家が建つ)死蔵の金貨もくれてやった。
だというのに……』
『あ、師匠洗い物あったら出しといてね川で洗濯するからー』
『ああ、頼む……じゃなくて!』
『一応危険だからナイフと護符借りますねー』
てきぱきと洗濯の準備をして食器を洗い始める少女
『……また逃げられた…………』
『だって…まだ死にたくないもん』
去り際の一言はガチャガチャと音をたてる食器に遮られ男には届かなかった。
更に四日後
『今日は仕方無いから護身術について教えてやる…』
『はーいあなた♪』
そこには全てを諦め背後に死神すら見える魔法使いと生き生きと返事をする少女の姿があったと言う
『今日教えるのは魔法とは少し違う、気孔と呼ばれる類いのものだ…』
『ふむふむ、どう違うの~?』
『魔法とは自分のごくごく少量の気をきっかけに周囲の魔素を取り込み奇跡を起こす業
逆に気孔とは自分を自然の一部と置くことにより自分の気を限りなく100%に近く運用しつつ、自然からマナを取り込み自身を強化する術だ。
魔素は空気中に幾らでも存在するがマナは自然から二次的に発生する為、一定以上場のマナを使いきれば暫く使用できない』
『師匠!』
『なんだ?』
『わかりません!!』
『だろうな…まぁ最初は森で始終遊び自分の庭の様になる迄なれることだ』
こうして少女はなし崩し的に魔法使いのお嫁さんに……『おい……!』もとい弟子になったと言う




