71.シスターコンプレックス
みーんみんみん。
この世界にもセミはいるんだなぁ。そんなことを考えながら、俺は魔法学園の外にある”リクシールの街”を歩いていた。
この街を出歩くのは入学式の日以来だった。あのときは宿に泊まっただけだったから、実質街を散策するのはこれが初めてとなる。
「なんだか姉さまやエリスも居ないのに外出するなんて、すごく新鮮だなぁ」
俺の隣を歩く大きな帽子を被ってサングラスを掛けた背の高い金髪の美女が、浮ついた声でそう話しかけてくる。道行く人がすれ違うほどの美女っぷりだ。
ちなみにこいつは変装したカレン姫だ。なんでも『変装魔法』などという大仰な魔法をマスターしていて、そいつで髪の毛の色を変えているのだという。まぁそんなことしたって、カレン姫の可憐さは隠せないんだけどな。
今回は以前約束していた”男同士の買い物”を決行する日だった。週に一度の”安息日”…すなわち休日を、カレン姫とのお買い物に当てたのだ。
男同士とはいえ侮るなかれ、気分は超絶美少女とのデートなのだ!…って、ぜんっぜん嬉しくないんだけどね。しかも買うのは全て女物になるわけだし。
ちなみに今日二人で街に出ることは、スターリィには説明済みだ。
スターリィは最初「えっ?二人っきり…ですの?」と表情を強張らせものの、「あ、でも…カレン王子は男であって、アキは体は女の子…ううん、あんな可憐な方ですもの、むしろアキが男であることの方が危険?アキが襲いかかったりしたら…あれ?なんだかおかしくなってきましたわ…」などと徐々に混乱してきたので、「あー、男同士で出かけるだけなんだから気にしないっ!」とピシャリと言い聞かせてから出てきたんだ。
…もっとも、スターリィが錯乱してしまう気持ちはわかるけどね。相手が男だと分かっている俺でさえ、超絶美少女とデートしてる気分になってしまうのだから。
でも実際は…俺は女の子なんだから、男であるカレン姫と二人っきりで出かけるというのはデートにあたるのか?いやいや、そんなわけ無いよな。誰がどう見ても女の子同士にしか見えないし。
…いかんいかん、俺の方まで混乱してきてるぞ。
俺の混乱など気づく様子もなく、無邪気にはしゃいでいるカレン姫。「アキと出かけるのは気楽で良いね!」などど、金髪を振り回しながら嬉しそうに話しかけてきた。
「そりゃあ良かったな。ただ相手が俺なんかで申し訳ないんだけど…もしかしてカレンも美人と歩きたいとかあったりする?」
「えー、無い無い!外面よりも内面が大事だってことは、うちの姉さまで痛いほど身にしみてるからさ」
あーなんとなく分かる。彼の姉であるミアは、一言で言うと「おてんば」だ。カレン姫から散々聞かされてきた過去の出来事は、それはまぁ”悲惨”の一言だった。
入れ替わる前から勝手に王子のふりをして悪さをするなんて当たり前、なんでも現在の”入れ替わり”の原因も、そもそもはミア王子の素行の悪さがきっかけだったのだとか。確かにそれほどのおてんばを相手してたら、女性に希望を持てなくなるのも無理はないかもしれないな。
…でもそれ以前に、自分や姉の顔で美人には見飽きているんではないかと俺は推測している。だってねぇ?絶世の美少女が目の前に(あるいは鏡のなかに)居るわけですよ?そんな状況だったら、他の美人に興味が湧かないのも仕方ないんじゃないかな?
「カレンも苦労してるんだな…」
「ははっ。もう涙も枯れ果てたよ」
そう言いながらも、開放感から輝くような笑顔をはじけさせるカレン姫は本当に可愛らしくて、街中の視線を釘付けにしていたんだ。
週に一度の安息日であるこの日は、珍しく【白銀同盟】のメンバーはそれぞれ別行動をしていた。実際、ミア王子とエリスも二人の侍女を連れて街で買い物をしているらしい。
幸いにもバッタリ会うことは無かったけど、なんでもミア王子は”女装”しているのだそうだ。…いや、この表現はおかしい。ミア王子は元々女なんだから女装もクソも無いよな。怖いもの見たさに一目見てみたい気もするんだけどさ。
そういえばティーナは少しの間旅に出ているのだそうだ。詳しい行き先は親友であるエリスでさえも知らないという。ただ、数日で帰ってくる予定だと聞いていた。
なんというか、自由すぎるやつだよな。
一通り下着を買い揃えたあと、俺たちはカレン姫の希望で軽くウインドーショッピングを楽しんでいた。
以前はそんな趣味は無かったんだけど、この身体を可愛く着飾ることを考え始めてから、多少は俺も服装にも興味を持つようになったんだよね。
「あっ、アフロディアーナ+の新作が出てる!」
「ふーん…ちなみにそのブランド、有名なの?」
「えっ?あ、うん…そこそこ有名だと思うけど、知り合いのデザイナーがこの服のデザインしてるんだ。…えーっと、これなんてどうかな?女性ものなんだけど、そんなにおかしくないよね?」
「あ、ああ。なんというか、変じゃないと思うよ」
服を肩に当てるカレン姫が、少しはにかみながら俺に確認してくる。正直カレン姫が着ればどんな服だって似合うに決まっている。まさにスーパーモデルだ。…ただし、女性側のね。
でもそれを言うとたぶん彼は酷く傷付くと思うので、あえて言わないことにしている。俺って大人だろう?
それにしても不思議なのはカレン姫だ。いくは呪いみたいな魔法をかけられて女装を強要されているとはいえ、身体は男なんだからわざわざ下着まで女物を買う必要なんて無いと思うんだけどなぁ。
そう思って本人に聞いてみたところ、カレン姫は泣きそうな顔をしながら「そうしたいのはやまやまなんだけど、お母様に掛けられた魔法は…たとえ下着であれ男物を着ようとすると、気絶させられちゃう極悪な魔法なんだよね」とおっしゃった。
…むごい。なんというむごい魔法なんだ。男の尊厳を打ち砕いてしまうような哀れな状況に、俺は心の底からカレン姫に同情してしまったよ。
買い物に疲れた俺たちは、場所を変えて道沿いのお洒落なカフェで休憩していた。二人っきりでお茶している今のシチュエーションは、はたから見るとどう映るのだろうか。
「うーん、今日は楽しかった!こんなに気楽に買い物できるなんて、ほんっとアキのおかげだよ。さすがに姉さまやエリスと下着類なんかを買いに行くのは辛かったからねー」
「男女兼用タイプがあってよかったな。正直バリバリの女物はどうも落ち着かなかったからさ。ボクサーパンツやスパッツ的なやつの方が、なんとなく安心できない?」
「…ボクサー?スパッツ?なにそれ?」
「あぁ、さっき買ったやつみたいなデザインの下着のことだよ」
「へぇー、そうなんだ。初めて知ったよ」
などと雑談しながら、ふと周りに視線を巡らす。
いま俺たちがいる喫茶店は街の中心部にあったので、比較的客が多かった。その中には、俺たちと同じように学園から外出してきた私服姿の生徒たちの姿もチラホラと見受けられる。
しかも…その殆どがカップルだった。
ちなみにユニヴァース魔法学園は、別に恋愛禁止などではない。むしろ将来有望な異性を見出したりツバをつけることを目的に入学している生徒もいるくらいだ。卒業後にそのまま結婚するケースなんかもあったりするらしい。
なんというか、逞しいことだ。
「どうやらちょいちょい学園のやつらがいるみたいだな。何人か見覚えのある顔が見えるよ。…なぜかカップルばっかりだけどさ」
「そ、そうなの?ぼくたちのことバレないかな?」
カレン姫だけでなく俺もバッチリ変装していたので、おそらく俺たちのことは誰にもバレていないだろう。なにせいまの俺はパツ金のボーイッシュな少女姿なのだ。
ふふっ、よもや俺が学園では地味な存在である”アキ”だとは誰も思うまい。
「大丈夫、変装は完璧だ。それに仮にバレたとしても何の問題もないぞ?」
「あっ…そういえばそうだね。ハインツに居る時はバレないようにお忍びだっかたら、なんだかクセで…えへっ」
くそっ、照れてるカレン姫も可愛いじゃねーか。照れ隠しにアイスティーを飲む姿がまたサマになっていた。
カップルといえば…カレン姫とエリスの関係はどんな感じなんだろうか。ふと気になったので、直接本人に聞いてみることにした。
「ところでカレン、話しは変わるけど…エリスとは付き合ってるの?」
「ぶーっ!!」
勢いよく口に含んだ飲み物を吹き出すカレン姫。おいおい、美少女台無しじゃねーか。
それにしてもこの慌てっぷり、見てて面白いな。もうちょっとからかってみようかな。
「アキっ!?な、な、な、なんてことをっ!?」
「えっ?もしかして付き合ってなかったの?」
「つ、つ、つ、付き合ってなんかないよ!そもそもまだぼくは気持ちをちゃんと伝えられてないし…」
「へー、やっぱりカレンはエリスのこと好きだったんだ?」
「◯△✖️▲◎っ!?」
俺の言葉に反応して、顔が茹でタコみたいに真っ赤になるカレン姫。
あーあ、なんか青春しててちょっぴり羨ましいなぁ。
慌てふためきながら必死になってごまかそうとするカレン姫の姿を眺めながら、俺はそんなことを思ったのだった。
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休み明けの日。
俺はいつものように『奇書室』へと一人向かっていた。
ここ魔法学園には、夏だからといって夏休みがあるわけではない。休日は週に1日の安息日に限られていたし、長期休暇に至っては年末だけだ。なにしろここは完全寮制で勉学中心の場所なのだから、それは仕方ないと思う。
その分、生徒同士の繋がりは強くなっていく傾向にあった。男同士や女同士だけではなく…男女の関係に至っても同じだった。
俺は図書室に向かう道すがら、視界に飛び込んでくる光景に少しウンザリしていた。あちらでは、仲よさそうに木陰に座って談笑している男女の姿が。こちらでは、男女数人が一塊になって、休みの日にどこに遊びに行くかを相談している姿が目に入る。
最近こんな光景が本当に良く目に入るようになってきたな。ったく、暑いのは太陽だけじゃねーのかよ。お前らちゃんと勉強しろよな。
なぜか湧き上がってくる怒りの感情を抑えきれず、俺は思わず一人毒づいてしまった。
やがて図書室近くにある校舎の横を通り過ぎようとしたとき、ふとなにかが目に留まった。
…たぶん俺じゃなければ気付けなかっただろう。それくらい巧妙に校舎の陰に隠れていたのは、二人の人物だった。ちなみに俺の目に留まった理由は、『魔眼』のおかげだけではなく…この二人が”独特の髪の色”をしていたからだ。
なんとその場所に居たのは…紅茶色の髪の少女エリスと、同じ色の髪を持つレドリック王太子だった。
うっわー、あの二人やっぱり知り合いだったのかよ。
一瞬驚いたものの、二人の様子はその辺に湧いている雨後の筍のようなバカップルたちとは少し雰囲気が違っていた。どちらかというと、深刻な話をしているような…そんな雰囲気だったのだ。
やがて二人の会話が終わったのか、レドリック王太子を振り切るように エリスが一人飛び出してきた。彼女を追いかけようとして…他の人の視線を気にして建物の陰に踏み止まるレドリック王太子。そのスキにエリスは立ち去ってしまった。
…なんとなく、見てはいけないものを見てしまった気分だった。
エリスが立ち去ってあからさまに落胆して肩を落としているレドリック王太子が、ゆっくりと俯いていた顔を上げる。その持ち上げられた視線が…偶然俺の姿を捉えた。
うわ、マズい!
俺は慌てて視線を逸らすと、なに食わぬふりをしてすたすたとその場を後にした。
うーん、失敗したなー。ずっと見てたの気付かれちゃったかな?
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俺以外誰も居ない『奇書室』は、絶妙な温度に保たれていた。なんでも書物を傷めないように、空調を管理しているらしい。
ティーナが旅に出て不在の今、実質的に『奇書室』は俺の貸切状態となっていた。そもそも使用するのが『上級コース』の生徒か『講師』しかおらず、滅多に使われることが無かったからだ。
ようやくロジスティコス学園長に古代文字を習ったので、多少は古い文献も読めるようになっていた。その中で最近ハマっている【超文明の黄昏】絡みの資料を読み込んでいた。
最近の俺が特に気にして調べていたのは、【超文明ラーム】時代の魔族召喚方法。現代に伝わっていないとはいえ、そのようなことが再現されないよう見守る必要があると思ったのだ。
ただ、現在のところその手法が書かれた文献は一切見つかっていない。おそらく意図的に廃棄なり処分されたのだろう。
少しだけ安堵しながらも、パラパラと古文書のページをめくっている俺に、ふいに声がかけられた。
「アキはすごく勉強熱心なんだね?」
「うわぁっ!?」
驚いて後ろを振り向くと、立っていたのは紅茶色の髪の青年…レドリック王太子だった。
「ごめん、驚かせたみたいだね。…それにしても『奇書室』は凄いね、色んな本がある。アキはいっつもここで勉強しているのかい?」
「えっ?ええ、まぁ…」
最初は驚いたものの、よくよく考えると彼も『上級コース』の生徒なので『奇書室』を知っていてもおかしくはない。でも初めて見かけたくらいだから、たぶん彼が『奇書室』に来た目的は…おそらく俺に会うためだろう。
ついでに言うと、彼が話したい内容は…さっき俺が偶然目撃してしまった”エリスとの邂逅”のことに違いない。
「私はアキほど書物に興味はないから来たことなかったんだけど…ここに座って良いかな?」
「どうぞ。お茶とかは厳禁だからおもてなしは出来ないけど」
「ははっ、大丈夫だよ。お気遣いなく」
俺の座っているテーブルの横に座ったレドリック王太子は、テーブルに置かれた書物を手に取ってパラパラめくるとすぐに戻した。たぶん文字が読めなかったんだろう。
「すごいな、アキは古代文字が読めるのか。私にはサッパリだよ」
「ここに来て学園長に教えてもらったからだよ。そんなことより…どうして王太子がこんな場所に?」
いつまでも本題に入ろうとしないレドリック王太子に業を煮やした俺は、ストレートに要件を確認することにした。
「実は…アキにちょっと話があって来たんだ」
「私に?話?」
「うん。端的に言うと…さっき見たことは秘密にして欲しいんだ。私がエリスと二人っきりで話していたことを、ね」
ほう、そう来るか。
多少は誤魔化してくるかと思ったんだけど、意外にも彼は直球で返してきた。ただ、レドリック王太子の態度に不思議と色恋沙汰の気配は無い。感じられるのは、真剣で真面目な態度だけだった。
「…理由を、聞いても良いのかな?」
ダメ元で聞いてみると、予想外にもあっさりと教えてくれた。
「実は…エリスは私の異母姉なんだ」
「へっ?」
レドリック王太子の口から飛び出してきたのは、とんでもない情報だった。
「えええぇぇぇええっ!?」
さすがの俺も、驚きのあまり声を上げてしまった。
…言われてみれば、二人はとても珍しい紅茶色の髪を持っていた。なんとなく面影にも似た部分がある。それにしても…よもや異母姉だったとは!
「このことは極秘情報なんだ。だからアキには秘密にしてて欲しい。バレると色々と問題が起こっちゃうからね」
「う、うん…」
そりゃそうだろう。レドリック王太子一人っきりの跡取りと思われていた大国ブリガディアに、まったく別の嫡子が居たなんて知られたら、間違いなくおおごとになる。
「それに…エリスは完全に王家とは絶縁してるんだ。本人も私が不用意に話しかけるのをすごく嫌がっている。…私はもっと姉さんと話がしたいんだけどね」
なるほど、さっきの状況はそういうことだったのか。どうりで色恋の気配を感じさせないわけだよ。
「このことは、この学園で知るものもすごく少ない。たぶん…学園長とブライとティーナくらいじゃないかな」
なぜここでティーナの名前が出てくる?予想外の名前の登場に、俺は思わず目を見開いた。
「実は…ティーナとエリスが働いていた魔法屋に、ちょくちょくブライとお忍びで通っていたんだ。ティーナには直接言ったわけではないんだけど、彼女は聡明だからたぶん気付いてるよ」
ははぁ…そういうことだったのか。確かティーナとエリスの魔法屋は、ブリガディア王国の王都イスパーンの城下町にあると聞いたことがある。王太子がお忍びで来ることも出来なくはないよな。…だけど、普通行くか?
…それにしてもとんでもない話を聞かされたもんだ。同時にレドリック王太子への疑問の念が湧き上がってくる。
この王太子は、なぜ俺にそんな重要な情報を流してきたんだ?何が目的なんだ?
「そんな危険な情報を、どうして私に…?」
「それはアキ、君がエリスと仲が良いからさ」
「は?」
意味が分からずに、俺は思わず変な声を上げてしまった。
「私は…姉さんともっと色々と話がしたいんだけど、今話した通り少し避けられている。ティーナだってものすごく口が硬い。だからアキ、君に姉さんのことを…色々と教えて欲しいんだ。エリス姉さんがちゃんと学園生活を送れてるかってね」
「…でも、他にも人は居るだろう?なにも私じゃなくても良かったんじゃないか?それに、そんな危険な情報を不用意に…私みたいな一般人に話すなんて、さすがにマズいんじゃないか?」
俺の言葉に、レドリック王太子は苦笑いを浮かべた。
「アキ。君は自分のことを一般人だと思っていたのかい?あの『上級コース』に一般人なんか一人も居ないよ。
そもそも…君が言うほど候補の人は他に居ないんだ。ハインツの双子には絶対にこんなこと頼めないし、姉さんと同室のプリムラって子はほとんど見たことないからね。
でも一番の理由は、アキがティーナに信頼されてるってことかな。君は最近ティーナとも仲が良いだろう?あの人嫌いなティーナでさえも、君のことを信頼しているんだ。
…私はティーナのことをとても深く信頼している。だから私は君のことも信じるのは、あながち間違いとは言えないんじゃないかな?」
俺には分かる。これは『脅し』だ。
レドリック王太子は、自分が欲しい情報を得るために、あえて危険な情報を俺に開示した。そのことで逆に俺を縛り、無理やり味方に引きずりこもうという算段に違いない。
レドリック王太子、こいつ…見かけによらずなかなかの策士のようだ。
「…分かったよ。あんたには悪気もないようだし、エリスのことを当たり障りの無い範囲で教えれば良いのか?」
「うん。そうしてもらえると、すごく助かるよ」
レドリック王太子は一転して爽やかな笑みを浮かべると、俺に右手を差し出してきた。こうして見ると、確かにエリスに似ているように感じる。特に…あの優しげな眼差しなんかが。
それにしても、厄介なことになったな。俺はフゥと一つため息を吐いた。
ただ、一つだけ言いたい。というか言わせてもらいたい。もしかしてこいつ…重度のシスコンなのか?