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65.裏同盟

 

 初めての【白銀同盟シルヴァリオン】の会合がお開きになる前、プリムラが俺とスターリィにあるものを渡してくれた。それは…一見すると腕時計のような、手首に巻くタイプの魔道具らしきものだった。


「えーっと、これは?」

「こちらは、拙者の『忍法ニンジャスキル』である【以心伝心テレパシー】の能力を、この学園内でのみ【白銀同盟シルヴァリオン】のメンバーと利用できる魔道具…【携帯伝話テレパス】です。これを使えば、いつでも自由にみなさんと会話できますよ」


 おお、すげぇ!こいつは腕時計式の携帯電話そのものじゃないか。

 感動したので、すぐにスターリィに使ってみる。えーっと、電話…じゃなくて伝話する相手を心の中でイメージして…ん?【星】って文字が浮かんできたぞ?もしかしたらこの【星】がスターリィを指してるのかな?

 そしたらその【星】の部分を押してみるっと。


『もしもしスターリィ、聞こえますかぁ?』

「ええっ!?なんかアキの声が頭の中に直接聞こえてきますわ!」


 横のスターリィがビックリして声を上げた。むふふ、こいつは面白いな。今度スターリィがトイレに入ってるときなんかにイタズラで声かけてみようかな?


「あ、今は回線開いていますが、通常はベルの音が鳴りますので、その際にこの魔道具のボタンを押せば伝心テレパス可能となります」


 なんだ、いつでもフルオープンじゃなかったんだ。残念。



「そういえば、いよいよ『魔法使い上級』コースの授業が始まるらしいよ?」


 たち去り際、貴重な情報がカレンからもたらされた。そっか、あのオッパイジジイ帰って来たのか。肝心なときにはいなかったくせにな。


「ふふっ、あのジジイくせ者だから、キミたちも気をつけてくれよ。…特にスターリィ、キミなんかね」

「えっ!?あたし…ですの?」


 ティーナの意味深な発言の意味が理解出来るのは、たぶんこの中では俺だけだろう。あのエロジジイの魔の手から、俺がスターリィを守らないとな。






 こうして俺たちは、【白銀同盟シルヴァリオン】という新しい仲間を得て、再び通常の学園生活へと戻っていったのだった。








 ----







 翌日。

 俺は教室の窓際でぼーっとしながら、一人窓の外を眺めていた。


 まだ全快していない重い身体を引きずって、今日もまた俺は魔法使い初級の授業に参加していた。残念ながらエリスは参加してないので、今日は一人だ。

 授業が始まるまでの暇な時間を、他の誰と会話するわけでもなく一人過ごす。べ、別にボッチなんかじゃないんだからね!



 ふと耳をすますと、隣に座っている女の子たちが面白い会話をしていた。どうやら一昨日の事件のことを話しているようだった。


「やっぱりミア姫様は素敵よねぇ。あたしたちを魔獣の魔の手から救ってくれたんですから」

「あたしもミア姫様の天使化したお姿を見たかったなぁ…あぁ、あれだけ美しいお姫様なんだから、どんだけ神々しかったことやら」

「お美しいだけじゃなく、お強いんですもの。天は二物も三物もあのお方に与えるんですのね」


 ふふっ、君たち知ってるかい?君たちを助けてくれたお姫様プリンセスは、実は女装した王子様プリンスなんだぜ?

 …そんな俺の心の声が彼女たちに届くことはなく、優越感に浸りながら一人ニマニマして外を眺めていた。すると…


「ねぇ、あなたもそう思わない?」

「えっ?」


 ふいに隣に座っていた女の子に話を振られてしまった。その流れで無理やりガールズトークに巻き込まれちまう。


「ミア姫様も素敵だけど、やっぱりカレン王子って思うのよねー。ね、そうでしょ?」

「え?あ、う、うん。そうだねー」

「えー!あたしはブライアント様かなぁ?なんだかカレン王子は逆に凄すぎて話しかけづらいっていうか…」

「ないない!だってあの人ナンパ師らしいわよ?私、あの人が色んな女の子に声をかけてる所を何度も見かけたもん!」

「うーん、だったら…あたしはレドリック王太子かしら?なんというか、平凡な顔立ちが安心するんだよねぇ」

「あー、わかるわかる。カレン王子は高嶺の花っていうか、愛でる感じよねぇ」


 …この中で俺の話したセリフがどれかわかるだろうか。説明する必要なんて無いよな?


 しっかし、若い女の子ってのは凄いな。次から次へと学園にいる気になる男子や女子の情報が出てくる。しばらくは適当に頷いて話に合わせていたものの、彼女たちのミーハーなストロベリートークに付き合うのは、俺にはかなりの苦痛だった。


 飛び交う女子たちの浮ついた話に、頭が蕩けそうになっていると、俺の頭の中に『チリリーン』という鈴のような音が鳴り響いた。


 お、どうやら誰かからの通信のようだ。腕にはめた魔道具を確認してみると、【華】と表示されている。華?誰だ?


「はい、もしもし?」

『あ、アキ?ぼくはカレンだけど…もしもしってなに?』


 …俺に伝話テレパスをしてきたのは、驚いたことにカレン姫だった。

 そっか、【華】ってのはカレン姫のことを指してるのか。それにしてもなんで【華】なんだ?もしかして名前カレンからもじってるのか?だとしたら俺は何て表示されるんだろうか…

【秋】とかならいいけど、【獣】とかだったらどうしよう。


『…アキ?聞こえてる?』

「あー、ごめんごめん。聞こえてるよ。もしもしは気にしないで、クセみたいなもんだから。…ところで何の用?」

『よかった。あのね、ちょっとアキに相談したいことがあって…今時間大丈夫かな?』


 俺に用とはなんだろうか?まぁなんとなく想像はつくんだけどさ。

 あ、ちなみに伝話テレパスは、心に話す言葉を思い浮かべるだけで相手に伝わるので、決して独り言を呟いているわけではないのであしからず。



「別に構わないよ。これから『魔法使い初級』の授業を受けようかと思ってたんだけど、あんまりやる気なかったから抜け出すことにするよ」

『えっ、いいの?…ゴメンね。そしたら近くにいるからアキのこと迎えに行くね』

「え?あ、ちょ…」


 俺が返事をする間も無く、一方的に伝話テレパスが切られてしまった。…おいおい、カレン姫自ら迎えに来るのかよ。自分がどんだけ目立つ存在かって自覚あんのか?


 そうこうしている間にも、すぐに教室がざわつき始めた。原因は…もちろんカレン姫が来たからに他ならない。

 教室の後ろの方のドアから一人で入ってきた白銀色シルバーブロンドの髪の持ち主は、集中する視線に少し戸惑いながら、キョロキョロと室内を見渡し始めた。俺の隣に座っていた女生徒たちが、カレン姫の登場に気付いて歓喜の悲鳴を上げる。


「きゃー!ちょ、ちょっとあれミア姫様じゃない!?」

「うっそ!?なんでこんな所に!?」

「うひゃー、すっごい綺麗…ウットリしちゃうわ」


 口々にカレン姫に賞賛の言葉を浴びせてる女生徒たち。この子たちが、もしあのお方の正体が【男】だってことを知ったら、一体どんな反応するんだろうか?


 やがて俺に気付いたカレン姫が、嬉しそうに手を振りながらこちらにやってくる。


「ええっ!?ミア姫様がこっちにいらっしゃるわよ!?」

「しかも手まで振って…どういうこと!?」

「えーやだ、どうしよう!?」


 だが、舞い上がる女生徒たちの横を、カレン姫はアッサリと通り抜けていった。えっ?と拍子抜けする女生徒たちに気づくことなく、カレン姫が無邪気に微笑みながら俺に向かって話しかけてくる。


「お待たせ、アキ。それじゃあ別の所に行こっか?」


 カレン姫から発された言葉に、すぐそばで聞き耳を立てていたミーハー女生徒たちの顔が、驚愕へと激変していった。

 そりゃ、憧れの”ミア姫様”が、平凡で目立たない眼鏡っ娘おれに対してそんな言葉をかけたりしたらビックリしちゃうよな。


「…はーい。わかりましたよ、プリンセス」


 あーあ、この超絶美少女カレンのせいで、もうこの授業が受けにくくなっちまったよ。せっかく普通の生徒のふりして馴染んできてたのになぁ。

 半ば諦めの境地に達した俺は、しぶしぶ立ち上がった。


 まぁでも、そろそろ初級コースも潮時だと思ってたから、これも良いタイミングだったかな?

 自分にそう言い聞かせると、俺は…妙にご機嫌な様子のプリンセスのあとを、まるで従者のように付き従って行ったんだ。







 ーーー





 二人して歩いてたどり着いた場所は、学園内にある学食とは別の喫茶室だった。

 この喫茶店は、物静かな雰囲気があるものの、少し値段が高いことから、利用する客の数がさほど多くない。その上、客層もそれなりの金持ち以上に限定されていた。彼らはあまりミーハーな態度を露骨に取ったりしないので、俺たちが内密の話をするには実に好都合の場所だったのだ。

 なにせ、俺たちはこれから…極めて重要な話をする予定だったのだから。



 店員にお願いして、他の席には絶対に会話を聞かれないテラス席を案内してもらった。

 テラス席は、外から見える場所にあるのが難点なものの、近くに他の席は無いので、他人に会話が聞かれることは無いという長所があった。


 しばらくすると、店員が注文したお茶を運んできた。テーブルに置かれる様子を、俺たちは無言で眺めていた。

 ことここに至っても、俺たちの間に会話は無い。まるで、話すことを溜め込んでいるかのようだった。


 すべての注文の品をテーブルに置いて店員が去ったところで、ようやくカレン姫が口を開いた。


「あ、ごめんね、アキ。急に呼び出して…」


 頬を赤らめながらそう口にするプリンセスは、めちゃくちゃ可愛かった。おいおい、俺を危ない道に引きずり込む気か?


「いや、構わないよ。どうせ初級コースの授業はそろそろ潮時かなって思ってたし」

「そうなんだ。そういえばエリスも同じようなこと言ってたよ。でも、出てきてくれてありがとうね。一刻も早く相談したかったから嬉しかったよ。

 ……それでね、相談というのが…アキって、元男なんでしょう?その辺りのことをもう少し聞きたいなって思ったんだ」



 …やっぱりその話か。

 俺は思わず微笑んでしまった。


 分かる、分かるよ。君の苦悩。

 きっと彼は自身が『女装』することに物凄い葛藤があるのだろう。生身の女の体になったこの俺でさえ、覚悟を決めるのにかなりの時間がかかったんだから、男の体のままのカレン姫の心境を思うと…その気苦労は計り知れない。


「カレン…王子、あなたは正直『女性の格好をする』ことが苦痛なんじゃないか?」

「っ!!そ、その通りだよ!あ、ぼくのことはカレンって呼び捨てで良いからね?」


 うわー、めっちゃ食いついてきたよ。テーブルの上に乗っかりそうな勢いで立ち上がるカレン姫。俺は慌ててカレン姫を椅子に座るように宥めながら、今回の『女装』についての俺なりの考えを伝えるようにした。


「私のほうは、カレンとは前提が違う部分があるから、必ずしも参考にはならないかもしれないけど…同じ元男同士、私なりに出してきた答えをあなたに伝えようと思う」

「ありがとう、アキ。…ちなみにぼくはまだ男だけどね?」

「あぁ、すまない。カレンがあまりにも美少女してるからつい…。まぁいい、とりあえず『女性の格好』をすることについてなんだけど…これは『慣れ』と『諦め』が一番重要だと思う」

「『慣れ』と『諦め』…?」


 俺の言葉を心に刻むように反復するカレン姫。その藁にもすがるかのような必死な表情を見ていると、同士としては応援せずにいられなくなる。


「そう。私の場合は別人の体になってるから、まだそうやって自分を騙しこむことができたんだ。もちろん…このスカートが好きか嫌いかで言ったら、見るのは好きだ。だが、履くとなると…ぶっちゃけ背徳感がハンパない」

「ううっ。わ、わかるかも…」

「でもな、俺はこう思うことにしたんだ。『鏡に映っているのは、自分とは別人の女の子なんだ。自分はこの子を可愛くしてあげなきゃいけないんだ』ってね。そうしたら…案外イケた」

「別人と思う…」


 カレンの額からダラダラと汗が流れているのが分かる。きっと、今俺たちが交わしている会話は、ダイヤモンドよりも貴重なものなのかもしれない。そのことを…世界中で俺と彼だけが理解している証拠だった。

 俺がスターリィから借りパクしたままのハンカチを渡すと、慌てて額の汗を拭うカレン姫。大丈夫、分かってるよ。まだまだ時間はある、今日はとことんまで話し合おうじゃないか。


「私のこの体には、本来の持ち主がいたんだ。名前は『スカニヤー』って言う。もちろん会ったこともないし…その命は私を異世界から召喚するときに捧げられたらしい。だから私は…この体の持ち主のスカニヤーのために、精一杯彼女を可愛くしてあげようと思ったんだ。

 そのせいかな、自分の身体っていう感覚が麻痺してるんだ。たとえば…ほら」


 俺は立ち上がると、ちょいちょいと自分のスカートをめくってパンツギリギリまでチラ見させてみた。


「ちょ!?アキ!?」

「こんなことしたって、別に恥ずかしくないんだ。だって男だったらパンツくらい見られても平気だろう?」

「そ、それはアキだからだよ!ぼくにはちょっと…」

「そっか、じゃあその辺は個人差なのかもな?私はボウイなんかにパンチラ見られまくってるけど、なんとも思わない」


 俺の言葉を聞いて、カレン姫がふーっと息を吐いた。たぶん…頭のなかで色々と整理しているのだろう。


「それじゃあアキは…『女の子の身体を持った男の子』なんだね?」

「あー、そう言われてみたらそうかも?カレンは?」

「ぼくは…『女の子のふりを強要されている男の子』かな?」


 あー、それはガチでキツイな。俺の場合と次元が違う。


 俺はなんだかんだで身体は女だから、別に女の格好をしてもなんとかなる。だけどカレン姫は違う。身体も男のままだ。もし正体がバレたら…と思うと、俺だったら気が気でならない。これぞまさしく針のむしろだ。


「それは…きついね」

「…アキは分かってくれるの?」

「あぁ、もちろんだよ。女の身体である私でさえキツイんだ。身体までそのままで強要されるなんて…心の底から同情するよ」


 俺の言葉は、カレン姫の心を打ったようだ。我が意を得たりといった表情を浮かべて嬉しそうに頷いた。


「そうなんだよ!その通り!こんなにも辛いのに、その辛さを誰も分かってくれなくて…」

「いも…ミア姫やエリスは?」

「エリスは…もちろん協力してくれるし助けてもくれるけど、やっぱり女の子だしさ。姉さまは…論外だね、ただぼくのことをからかって楽しんでるよ」

「そうなんだ…苦労したんだな。うちも似たようなところがあるよ。スターリィなんか私に化粧を仕込むのすごく楽しそうだったし。…女どものあの反応は何なんだろうな?」

「あーわかる!ぼくたちのことオモチャみたいに思ってるよね?」

「そうそう!こっちは好きでこんな格好してるわけじゃないっつーの!」


 こんな感じで互いに現状への不満をぶつけ合い、そして改めて気づかされる。

 やっぱり、目の前にいるこの超絶美少女おとこは…俺の“同士“だ。

 俺たちは世界で唯一の…悩みを共有できる仲間なんだ。


 互いの視線が交錯しあい、絡み合う。やがて…自然と右手を伸ばしていく。


 ガッチリと交わされる、固い握手。



「アキ、ぼくは…君に出会えて良かったよ」

「私…いや俺もだよ、プリンセス。困ったことがあったら、いつでも相談してほしい。俺たちにしか分からない問題だって、互いがいればきっと乗り越えられるさ」

「ありがとう、アキ…」

「気にすんなよ。今度俺が、良いブラの選び方を教えてあげるさ」

「え?あ、いや、それはちょっと…」

「そうか?遠慮しなくていいんだぞ?」

「だってぼく、男だから胸とか無いし…」

「あっ…」


 そして俺たちは、ここにもう一つの同盟…【裏・白銀同盟シルヴァリオン】を結成をしたのだった。この同盟は、きっと他の誰にも破ることはできないだろう。





 話すことは尽きなかったが、さすがにここは人の目もある。俺たちはまた悩みを分かち合うことを約束して、今日は別れることにした。


 お茶代を奢ってくれたカレン姫にお礼を言いながら会計を終わらせて店を出るとき、ふと思い出したようにカレン姫が口を開いた。


「…ここに来る前に学園長が『アキを味方にした方が良い』って言ってた意味が、今になってやっと分かったよ」


 そうか…あのエロジジイ、そんな風に裏で手を回してやがったんだな。ただのおっぱい星人だと思ってたのに、なかなかやるじゃないか。




 最後にもう一度固い握手を交わすと、俺たちは別々の方向へと歩き出した。

 …たとえ向かう先は違えど、今の俺たちは固い絆で結ばれている。その絆は、きっと他の誰にも打ち切ることはできないだろう。



 悩みを抱えし者よ。

 もし道に迷ったときは、同じ悩みを抱えるものを探しなさい。

 そうすれば…きっと明るい未来が見えてくるから。




 ---







 その日の夜。


「アキ、どうしたんですの?一人でニヤニヤして」

「ほえ?あ、いや、なんでも無いよ」


 おっと、同士を見つけた喜びで一人ニヤついていたら、スターリィに怪訝な顔をされちまったよ。



「そういえば、ロジスティコス学園長の授業がいよいよ明日から始まるそうですわよ?『魔法使い上級』コース開始の伝令が先ほどいらっしゃいましたの」


 おー、そうなんだ。にしても、一ヶ月以上経ってからはじまるなんで、普通だったら考えられないよな。


「七大守護天使でもある学園長が教える授業なんて、いったいどんな内容になるんでしょうね?」

「…女体の神秘とかの授業は勘弁してほしいけどな」

「えっ?アキ、今なんて言いましたの?」

「あーいや、なんでもないよ。学園長の授業、楽しみだね!」


 ヤバいヤバい、独り言が思わず口から出ちまったよ。いかんなー、カレン姫と話したせいで心が男モードになっちまってたよ。

 俺は慌てて取り繕いながら、できるだけ可愛らしい仕草でスターリィに微笑みかけてみた。


「…んもう、今日のアキはなんだか変ですわよ?」


 笑顔の効果は抜群だ。

 俺は適当に誤魔化しながら、この世界に来て久しく感じたことのなかった心の開放感に酔いしれたのだった。

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