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63.女子会

ここから新章 第4部『魔法学園 後編』のスタートです!



 


 派手さは無いものの落ち着いた雰囲気を醸し出す調度品に囲まれた、小綺麗に整頓された部屋…通称『白銀の間』に俺は腰掛けていた。目の前にはケーキやタルトといった美味しそうなお菓子が置かれ、湯気を発するコーヒーが、芳ばしい香りを漂わせている。


 本来であれば、気軽にコーヒーとケーキを愉しむようなシチュエーションのはずなのに、俺は今これまでにないくらい大変緊張していた。




 俺の正面に座っているのは、いつもの仮面を装着したティーナ。絶世の美女でありながらそれを隠すように仮面をつけるティーナは、通称である『鉄仮面』が伊達ではないことを証明するかのように落ち着きを払って席に座っていた。その横には、ティーナとは真逆に少しオロオロしたエリス。さらに横には…『ハインツの至宝』カレン王子とミア姫の姿もある。

 一方、反対側には…俺の右手に座るのは、鬼のような表情を浮かべたスターリィ。左手には、魔族の少女プリムラが神妙な表情を浮かべて座っていた。



 ここは、ハインツの双子のために用意された専用の貴賓室『白銀の間』。俺たちはこの部屋で、限られたメンバーによる『秘密会議』を開催しようとしていたんだ。

 集まったメンバーは総勢7名。カレン王子を除くと全員が女子という、圧倒的に女子率の高いこの会議は、最初はある程度華やかなものになんじゃないかなーって考えていた。


 ところが…どうしてこんなにも殺伐とした雰囲気になってしまったのか。

 のっけから敵意剥き出しだったのはスターリィ。鼻息荒くティーナたちを睨みつける彼女を一生懸命なだめながら、俺は今のこの状況に至るまでの経緯を思い出していたんだ。








 ーー








 チュン、チュン。

 かすかに聞こえる小鳥の鳴き声。閉じられたまぶたの隙間から入り込んでくる太陽の光。


 外部から様々な刺激を受け、半ば無理やり覚醒させられた俺がしぶしぶ目を開けると、目の前には…スターリィの可愛らしい寝顔があった。


 あれ?スターリィがなんで一緒のベッドで寝てるんだ?それに…服装が寝巻きではなく普段着なのはどうしてだろう?

 色々なことを考えているうちに、不意に意識を失う直前の記憶が蘇る。


 そうだ俺は…ミザリーとの戦闘に決着がついたあと、力尽きて…意識を失っちまったんだった。



 ゆっくりと身を起こすと、いつのまにやら寝巻きに着替えさせられていた身体に視線を落とし、問題が無いかを動かして確認してみる。

 …うん、大丈夫だ。多少ダルさが残ってはいるものの、どうやら無事に回復したらしい。


 調子に乗って何度も肩をぐるんぐるん回していると、俺を看病しながら眠ってしまったらしいスターリィが、その振動で目を覚ましてしまった。


「あっ、ごめんスターリィ。起こしちゃった?」

「うーん…あ、アキ!目を覚ましたんですのね?大丈夫ですの?」


 目覚めた途端、心配げに俺の頬を撫でてくるスターリィ。真っ先に俺のことを心配してくれる彼女の優しさに、愛おしさが溢れてくる。



「…心配かけてごめん、スターリィ。でももう私は大丈夫だよ?ぐっすり眠ったら、なんかすっかり元気になったみたいだよ」

「そうですの…よかったですわ。アキあなた、昨日から”こん睡状態”に陥ってたんですのよ?」


 こ、こん睡状態!?俺はそんな酷い状態になってたのか。やっぱり【龍魔眼ドラゴヴィジョン】を使ったのは不味かったなぁ。


「それで…アキ。あなたほどの力を持った人が、どうしてこん睡するような状態になってしまったんですの?あたしがあのあとすぐに目を覚ましたくらいですから、ナスリーンの能力の影響ってわけではないですわよね?」

「そ、それは…」


 ギロリ、問い詰めるような口調で俺を睨みつけてくるスターリィ。

 うーん、どうやらこれは誤魔化しの効きそうにないな。こうなったときのスターリィはやたらと鋭いんだよなぁ…


 スターリィの眼力にすぐに白旗を上げてしまった俺は、あっさりとゲロ吐くことにした。すなわちそれは、スターリィに【龍魔眼ドラゴヴィジョン】の説明をすることを意味していた。





 結果…俺に待ち受けていたのは、『スターリィの怒り』という名の巨大な落雷カミナリでございました。

 いやーまいったね、めっちゃ怒られたよ。


 特に【龍魔眼ドラゴヴィジョン】のリスクを話したときにはえらく怒られたよ。スターリィ曰く、『動けなくなるようなリスクを持った技は簡単に使ってはいけない』とのこと。まぁ…仰る通りで。


「…それではアキ、今回のあなたのミスはなんですの?」

「はい、私は…相手の力を見極め切る前に、使ってはいけない能力を使いました」

「その結果、どうなったんですの?」

「はい、動けなくなって…下手すれば悪魔の餌食でした」

「ええ!そのとおりですわ!そのような状況に陥ること自体が、愚かでありナンセンスなんです!ですから…次からそのようなことをする場合には、確実に安全が確保されている場合のみにしてくださいね?」


 鬼気迫るスターリィの説教に、俺は首をすくめて頷くしかなかった。その点に関しては俺も非を認めていたしね。


「…それではアキ。次に同様の事態が発生したら、どうしますの?」

「はい。そのときには、スターリィを抱えてすぐに逃げます。少なくとも、身体が動かなくなるような失態は犯しません」

「…ほんとに?」

「はい、本当です」

「ほんとのほんとに?」

「はい、誓ってそうします…」


 スターリィがじぃーっと俺の目を見つめるのを、俺は肩を竦めて必死に耐えた。

 …どれほどの時間そうしていただろうか。体感的にはすごく長い時間だったような気がするんだけど、しばらくしてスターリィはふっと微笑むと、やっとこさ俺のことを許してくれたんだ。


 いやー、やっぱスターリィさん怖ぇよ。でも今回は俺が悪かった。彼女を心配させるような事態は、今後ともなるべく避けるようにしなきゃだな。



「それではこの件は、それで良いとして……アキ、昨日の出来事の説明をあたしにしていただけますか?

 あたしが意識を取り戻したとき、すぐそばにはカレン王子やミア姫、それに…アキが気にしていた『鉄仮面』ティーナやエリス、さらには見たことのない”黒髪の女性”までもが居ました。彼女たちは…あの場で何をしていたんですの?

 昨日は意識を失ったアキのことが心配だったので、疑問の解消を後回しにしましたけど…今日はキッチリと説明してもらいますからね」


 一難去ってまた一難。スターリィさんは追及の手を緩めてはくれませんでした。

 鋭い彼女の追及に、俺は無意識のうちに思わず頭をポリポリと掻いてしまったのだった。




 うーん…それにしても困った。昨日の出来事をスターリィにはどう説明したもんかな。


 俺が彼女への説明の仕方を悩んでいた理由。それは、他の天使の能力を勝手に明かすことを、俺が禁忌タブーだと考えていたからだ。



 自身が持つ固有能力がバレてしまうと、相手が対策を事前に立てられてピンチを招く可能性がある。実際、今回のナスリーンが良い例だ。彼女は地元で派手に固有魔法アビリティを披露していたせいで、プリムラが事前に情報を得ることが出来、その結果十分に対策を練ったミア姫に手も足も出ず敗北を喫した。

 これがもし、事前になんの情報もなくあの能力を喰らってたら…もしかしたら違う結末が待っていたかもしれない。


 それだけではない。あの場にいた天使たちは、全員が全員『正体を隠して』いた。彼女たちが隠し続けてきた秘密…天使であること自体や、所有する固有能力アビリティなどを、俺の口から勝手に話して良いものかすぐに判断がつかなかったのだ。



 俺の戸惑いを察してか、スターリィが苛立ちを募らせる。どうやら俺が隠し事をしていることが気に入らないようだ。

 参ったな、このままだとすぐに癇癪を起こしそうだ。どうしようか…どうするべきか…




 俺が八方塞がりのような状態の中で対応に困り果てていた、そのとき。

 トン、トン。まさに救世主ともいうべき人物が現れ、俺とスターリィの部屋の扉をノックしたんだ。





「はーい。どなたですの?」


 すぐに態度を取り繕ったスターリィが、ドアの向こうに返事を返す。うわー、なんという猫なで声。まるで別人だよ。

 そう思って感心してたら、スターリィから睨まれちった。


 早朝であるにもかかわらず、絶妙なタイミングでうちの部屋を訪問してきた扉の外の人物。その正体は、驚いたことに…まさに今話題の当事者から使わされた”使者”だった。


「わたくし、カレン王子とミア姫の使いで参りました…侍女のシスルと申します。主人より、もしスターリィ様とアキ様がお目覚めであれば、『白銀の間』までいらっしゃってほしいとの伝言を預かっております」


 これは…問題を解決する絶好のチャンスだ!

 この機会を逃すまいと考えた俺は、どう返事したものかと戸惑っているスターリィを押しのけて、二つ返事で『あ、準備したらすぐ行きまーす!』と伝えた。




 そんなわけで、勝手に返事したことに頬を膨らませてるスターリィを宥めると、二人でドタバタ顔を洗ったりして準備を整えた上で、『白銀の間』に向かったんだ。そしてティーナたちと対峙した結果が…冒頭の険悪な状況と、いうわけである。



 …うーん、どうしてこうなった?








 ーーー







「さて、そこにいる敵意むき出しなお嬢さんが納得するように、ボクたちは互いに理解をしあう必要があると思うんだが…どうだろうか?」


 この場を仕切るつもりのティーナの言葉に、俺はうんうんと頷いて同意を示す。でも、ひとりだけ納得していない人がいた。もちろんスターリィだ。


「…仮面を付けて顔を隠しているような人にそのようなことを言われても、簡単には信じられませんわ」

「ははっ、確かにキミの言うとおりだね。分かったよ、この仮面は外すとしよう。ただ…びっくりしないでくれよ?」


 そう言うとティーナは、ゆっくりと仮面を外した。

 仮面の下から現れたのは…昨日初めて知ったばかりの”絶世の美女”の顔。なにも知らないスターリィが、横で息を飲むのがわかった。


 そりゃそうだ、こんな美女の素顔がいきなり仮面の下から出てきたら、誰だってビックリするだろう。



「さぁ、これでこちら側の”表面上の隠し事”は無くなった。これで満足かな?」


 ティーナの美貌や言葉に気押されるようにコクコクと頷くスターリィ。その様子に満足げに微笑むと、ティーナはいよいよ本題へと入っていった。


「さて、今日はキミたちに相談があってこの場にお呼びしたんだ。それで、肝心の相談内容というのは…他でもない、キミたちと『同盟関係』を結べないかというものだ」

「同盟…関係?」

「ああ、そうだ。昨日の悪魔との戦いで、ボクたちは互いに協力関係が結べるのではないかと考えた。ただ確信に至るには…お互いに関する情報が足りなすぎる。

 そこで、まずは『同盟関係』を結べるかどうかの”情報交換”をさせてもらえないかと考えているってわけさ。その上で、もし利害関係が一致するようであれば、そのときは是非キミたちと共に力を合わせたいと思っている」


 なるほど、これは好都合だ。俺もティーナたちのことについては知りたいと思ってたし、なによりスターリィへの説明も省ける。渡りに船とはまさにこのことだな。


「ただ、こちら側が提供する”情報”については…正直極めてボクたちのプライベートに関わることや、ほかの誰にも知られたくないような内容も多い。でも、そこまで話さないと、キミたちとは相互理解が深まらないとも思っている。

 そこで、大変申し訳ないんだけど…その代償として、キミたちにもそれなりの”秘密”をボクたちに打ち明けて貰えないだろうか。

 もし、ボクたちのことが信用ならない、あるいは秘密を話すつもりがないというのであれば…これ以上無理強いするつもりはないから、何も言わずこの部屋から退出してほしい。さぁ、どうだろうか?」


 毅然としたティーナの話に、少し戸惑った表情を浮かべたスターリィが、こちらを気にして俺に確認の視線を投げかけてきた。


 正直スターリィには隠すべき事柄はほとんど無いので、話の内容に爆弾を抱えているのはむしろ俺に関する情報だろう。それを気にしてのスターリィの視線だったのだけれど、俺に迷いはなかった。


 虎穴に入らずんば虎子を得ず…の例えの通り、今回は出し惜しみする相手では無いと思う。

 というのも、昨日の悪魔との戦闘で気付いたのだけれど、彼女たちは間違いなく”強大な魔力”を持っていた。その魔力量は、ナスリーンより遥かに上の…おそらく普通の天使という枠を超えたレベルのように感じられた。恐らく素質という面では、『英雄の娘』スターリィに引けを取らないほどの才覚の持ち主たちだ。

 そんな彼女たちがもし味方になれば、物凄く心強い存在となること間違いない。


 だから俺は自分のことを話すのに、まったく迷いはなかったんだ。



「スターリィ、巻き込んでごめん。でも私は…彼女たちと手を組みたいと思ってるんだ。良いかな?」

「…分かりましたわ。アキがそう言うなら…あたしもティーナさんの提案を受け入れます」


 俺たちの返事を聞いたとたん、それまでピリピリしていた場の雰囲気が一変した。緊張感が解け、穏やかな空気がこの場を流れ始める。どうやら俺たちの返事にティーナたちが安堵したようだった。



「いやー、よかったよ。君達から断られたらどうしようかって話してたんだよねー」

「うん、なんかホッとしたね」


 ケラケラ笑いながら諸手を挙げて喜ぶカレン王子とミア姫、その横で嬉しそうに微笑むエリス。ティーナだけじゃなく、彼らも俺たちと『同盟関係』を結びたかったみたいだ。




 こうして俺たちは…のちにこのメンバーで集まる際に『女子会』と呼ぶようになる会議の、記念すべき第一回目を開始スタートすることにしたのだった。


 …え?カレン王子が居るのになんで『女子会』なのかって?

 その理由は…すぐに判明することになる。







 ----



「さーて、早速だけどトップバッターは誰にしようかな?」


 ティーナの確認に、迷わず最初に手を挙げたのは…『ハインツの太陽』ことカレン王子だった。


「はーい、はーい!それじゃあ最初はさ、うちらから秘密をバラしても良い?」

「ええっ!?ぼ、ぼくたちの話が最初なの!?」

「あんたも女々しいね、観念なさいよ!」


 カレン王子の言葉に、なぜかミア姫が過敏に反応した。「で、でも…心の準備が…」などと慌てふためくミア姫の様子から、どうやら初っ端から面白い話が聞けそうな予感がする。


 さてさて、世間でも評判の双子『ハインツの太陽と月』が、いったいどんな秘密を抱えているのか…

 ごくり。無意識のうちに音を立てて唾を飲みみながらも、俺は好奇心を抑えることが出来ずに、カレン王子の言葉の続きを今や遅しと待つことにした。


 やがて、カレン王子と思っていた人物から与えられた最初の暴露話は…初っ端からいきなり超弩級のネタだったんだ。



「えーっとね、実は…カレン王子って言われている”あたし”がミア・・で、横で女の子の格好をしているのがカレン・・・でーす」

 


 …は?


 カレン王子が発した言葉の意味がわからず、俺は思わず目をパチクリとしてしまった。どう声に出して良いか困ってしまって横のスターリィに視線を向けるも、彼女もよくわかっていないようだった。


「あー、分かりにくかったかな?ストレートに言うとね、あたしたちは諸事情により男女入れ替わって・・・・・・・・生活してるのよ。あたし…ミアが『カレン王子』のフリして、ここにいるカレンが…『ミア姫』のフリをして、ね」



 …


 ……


 ………



 ええええええええええええええっ!?



 ちょっと待った!!

 こ、この絶世の美少女であるミア姫が…

 ティーナと双璧をなすほどの美貌の持ち主のミア姫が…


 お、男ですとおぉぉおぉぉぉぉぉ!?




 状況についていけず、現実逃避的に横にいるスターリィに視線を向けてみると、スターリィは酸欠状態の金魚みたいに口をパクパクしてた。

 あぁ、そりゃビックリするよな。俺だってビックリしたもん。


 同時に、なぜナスリーンの天使の歌【桃色吐息ピンキーシャワー】の前でミア姫が平気だったのか理解できた。そりゃ効くわけが無いよな、”男”なんだから。ネタが割れてみると、実に当然な理由だったよ…トホホ。




 …それにしても、この双子はなんでまた入れ替わったりしていたのだろうか。もしかして、そういう趣味なのか?男の娘ってやつ?

 それにしたって、これほどどハマりした男の娘なんて見たこと無いけどさ。本当に付いてるのか?ぶっちゃけこれだったら、男でもアリなんじゃないかと…ゲホンゴホン。


「あ、アキ。いまぼくのことを、こういう格好するのが趣味な人なんじゃないかって思ったでしょう?そんなこと無いんだからね?これには止むに止まれぬ理由があるんだからね?」


 ギロリとミア姫…もといカレン王子に睨まれてしまった。なーんだ、趣味じゃなかったのか。まぁ正々堂々と『趣味です』って言われても、反応に困っちゃうんだけどさ。




 それにしても、まさかこの二人が”入れ替わって”いたとはなぁ…


 あ、そうなると、双子の呼び方が紛らわしくなるな。どうしようか?

 …お、良いこと思いついた。めんどくさいからいっそのこと『カレン』と『ミア王子・・』にしちまおうかな。なんかすごくしっくりとくるし。それともオカマ王子とオナベ姫のほうが良いかなぁ?でもなーんかしっくり来ないんだよなぁ…



「あ、学園の中では世間体もあるから、他の人が居る場所ではぼくのことは『ミア』のままで呼んでもらえないかな?ただ、このメンバーでいるときは、出来れば『カレン』って呼んでほしいんだけど…ややこしくてごめんね。そういう意味ではボクももう色々と諦めてはいるんだけどね…」


 遠い目をする女装のプリンスに、なにか深い事情があることを察してしまう。あぁ、きっと彼女…いや彼も色々と辛いことがあったのだろうな。女の子の体になってしまった俺には、彼の気持ちがよーく分かる。

 仕方ない、彼の呼び名は『カレン姫』に決定するとしよう。


「あ、あのね。一応補足すると、カレンとミアはヴァーミリアン王妃に複雑な魔法をかけられてしまって、18歳までは入れ替わったまま生活しないといけなくなってしまったの。決して…個人的な趣味が高じてこんな格好しているわけじゃないからね?」

「ちょ、ちょっとエリス!も、もうちょっとオブラートに包んで説明してもらえないかなっ?」


 必死にフォローするエリスの言葉に、逆にカレンはいたく傷ついたようだった。あー、なんとなくわかるよその気持ち。なぜなら俺も通ってきた道だから。


 大丈夫だよ、カレン。俺もあとで『秘密を暴露』するからさ。そしたら…共に元男同志、色々と協力し合いながら頑張っていこうぜ?






 こうして…俺たちの最初の『女子会』…暴露大会は、『双子の入れ替わり暴露』という、いきなりヘヴィーなネタからスタートしたのだった。


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