91.残留思念
突如発生した激しい閃光に、俺は思わず光の発生源がある不気味な彫刻が施された黒い門…『冥界の門』のほうに視線を向けた。対峙する解放者も、動きを止めて門の方を振り返っている。
俺たちの視線の先では、『冥界の門』の前に立つエリスの全身から、七色の光の残光が滲み出ている様子が見える。
どうやら光の発生源はエリスみたいだな。しかし…一体なにがあった?エリスは門の中心部分に生き埋めにされてしまったティーナを救うために、色々と手を打っていたはずだったが…
今のエリスから感じ取れるのは、これまでの彼女の限界をはるかに超えた凄まじい量の魔力。ぶっちゃけ、まるで別人だ。
そこでようやく俺は気付いた。恐らくエリスは…『超越者』に覚醒したのだ。先ほどの光は、エリスが覚醒したときの魔力の輝きだったんだろう。
今のエリスから感じられる魔力は、単純な魔力量だけで言うと…ヴァーミリアン公妃ら“七大守護天使“に匹敵するくらいではなかろうか。それほどの莫大の量の魔力が、エリスの目の前の空間に集約されていく。
やがて型取られたのは…巨大な“鍵“。先ほど出した魔法の鍵とは違い、今回の鍵は…複雑な形に型どられ七色に輝く光を放っていた。
「…解き放て!【明日への扉を開く鍵】!!」
エリスが発した言葉と共に、虹色に輝く巨大な鍵が、『冥界の門』の中心に同化しているティーナの身体に突き立てられた。
そこで…動きは終わらない。
「門よ、開いて…!ティーナを…私の親友を、返してっ!」
叫び声に合わせて、エリスが両手を大きく回転させる。彼女の動きに合わせて、ティーナの身体の中心に突き立った“巨大な鍵“が…ゆっくりと回転した。
ガチャリ。
機械的な音が鳴り響き、ティーナの全身が僅かに震える。どうやら…門の鍵が開いたようだ。
役目を終えた鍵が、パチパチと花火のような光を発しながら分解され、大気の中に消えていった。代わって…『冥界の門』が、ギィィと大きな音を立てながらゆっくりと開いていく。
その最中、門の中心に埋め込まれていたティーナの身体が、そのまま前のめりにゆっくりと倒れはじめた。どうやらティーナは門の鍵の部分と同化していたらしく、解錠と共にその身が開放されたようだ。門が開く動きに合わせて、まるで零れ落ちるかのように…ティーナの身体が崩れ落ちてきた。
「ティーナっ!?」
エリスが声を上げながら慌てて『冥界の門』に駆け寄り、力なく倒れてきたティーナの身体をしっかりと抱き抱えた。
勢い余ってそのまま床に倒れこむ二人。それでも継続して必死に呼びかけるエリスの声に、ようやくティーナが反応を返した。ティーナの片腕が、力無く…だがしっかりと上に持ち上げられる。
よかった…ティーナは大丈夫みたいだ。
やったな、エリス。きみは『冥界の門』と同化したティーナの救出という困難な使命を見事やり遂げたんだな。
正直俺は色々と最悪の事態も想定していたので、彼女を無事に救い出せたことにホッと胸をなでおろした。
だけど、俺には素直に喜べない部分があった。
なぜなら…目の前に立つ悪魔…解放者の目的は、まさにこの『冥界の門』を開けることだと考えていたからだ。
俺が奴の狙いに気づいたのはつい先ほど。
事実、ティーナを無事救出できたことに俺が安堵と喜びに包まれている一方で、俺と対峙している黒衣の魔女…解放者は、俺とは別の意味で満足の笑みを浮かべていた。
「うふふ…ついに『冥界の門』が開いたわね。これでようやく…私の悲願が達成される」
これまで黙って門が開く様子を眺めていた解放者が、堪えきれないといった様子で高笑いをしはじめた。
その態度に苛立ちを覚えた俺は、解放者のことをキッと睨みつけながら、先ほど話の途中となっていたこいつの目的について、改めて本人にぶつけた。
「なぁ、解放者…。お前がやろうとしていたことは、”死者の復活”なんだろう?そのために『冥界の門』を開けようとしてたんだな?」
俺の問いかけに、ニヤリと口元を歪ませて笑みを浮かべる解放者。俺は奴のその態度を“肯定“と受け取った。
「そして、お前が蘇らせようとしていたものの名は…アンクロフィクサ。お前は、かつて愛していた者をこの世に呼び戻すためだけに、これまで行動してきたんだな?」
「ええ、そうよアキ。私はアンクロフィクサ…最愛のあの人をこの世に蘇らせるため、ただそれだけのためにこれまで生きてきた」
やはり俺の考えは当たっていた。こいつ…解放者の目的は、世界征服でも世界の滅亡でもない。
ただ…愛する人を蘇らせようとしていただけだったのだ。
それは…最愛の人を失ったすべての人が想う、純粋な願い。
ただ…その方法が問題だった。
「解放者、お前は愛する人を生き返らせるためだけに、あの世とこの世を繋ぐ門を呼び出せる存在…ティーナを生み出したんだな?ティーナは“扉“の固有能力を持つ。お前は…遺伝子操作をしてティーナに“扉“の能力を持たせたな?」
「…操作まではしてないわ。まぁ少しは弄ったけどね。アキ、あなたは知らないことだけど、アンクロフィクサの持っていた固有能力は“扉“だったのよ。だから…彼の遺伝子を使って子供を作った。そのうちの一人…唯一の成功作がディアマンティーナだったってだけ」
奴の答えによって、俺の一つの疑問が氷解する。
そうか…アンクロフィクサの能力が“扉“だったのか。だから解放者は『冥界の門』についての知識を持ってたのか。
謎が一つ解けたところで、俺はさらに話を続けた。
「…だけど、“扉“を開けるには“鍵“が必要だった。お前は探したんだな?扉を開ける“鍵“の能力を持つ人物を…」
「ええ、そのために…“鍵“の『天使の器』をディアマンティーナに持たせていたわ。そうすれば自ずとあの子の元に“鍵“が来るでしょう?」
用意周到と呼ぶにはあまりにも悪辣な仕掛け。解放者はこうして、ティーナの周りに様々な蜘蛛の糸を巡らせていやがったんだ。
「そうして長い年月を使って“死者復活“のための準備を整えていたお前の前に、ついにエリスが現れた。彼女は念願の“鍵“の能力を持った女の子だ。そのことを知ったお前は、それまで徹していた裏方としての立場を放棄し、ついに…表舞台へと飛び出してくる。
その際、“扉“と“鍵“が何の迷いもなく『冥界の門』を開ける状況になるように仕向けるために、極力邪魔を排除するシチュエーションを整えた。
ようは時間稼ぎ…ただそれだけのために、お前は己を慕う配下の者たちを捨て石にし、七大守護天使などの実力者の邪魔の入らない時間と場所を作り出したんだ!」
「…そうね、概ね正解よ。おかげで…ごらんの通り私は目的を達成することができたわ。間もなく…あの人が復活する」
すでに完全に開ききった『冥界の門』。門の向こう側にはドス黒く渦巻く暗い空間が見えていた。
あれが…冥界、すなわち“あの世“なのか?
「…なぁ、解放者。一つ…疑問がある。お前はなぜ魔本『魔族召喚』をばら撒いて、多くの人たちに不幸を撒き散らした?もし今の話が正しいのであれば、魔族召喚は…お前の目的にはなにも関係ないじゃないか!」
私利私欲と呼ぶにはあまりにも悲しい理由のために、世界を売った解放者。その被害は、他の世界…魔界にも及んでいた。
たった一人を生き返らせるために、この女はいったいどれだけ不幸を撒き散らしたというのだろうか。
「…そうね、魔族召喚は私の目的には直接的には関係ないわね。だけど…私の目的をより安全かつ完璧に成し遂げるためには必要なことだったのよ」
「それは…七大守護天使やレイダーさんたちの邪魔が入らないようにするためか?狂った魔族を召喚させ、たくさんの邪魔ものを作ることで、本命である自分の動きに邪魔が入らないようにするために?」
言いながらも俺は、ひょっとしたらそいつは少し違うのかもしれないと考えていた。なぜなら、もし解放者の目的が“邪魔者の排除“であれば、魔族召喚なんて手段に頼らなくても、他にもっと効率の良い方法があったはずだからだ。
だけどこいつはその方法を選ばず、あえて魔本『魔族召喚』をばら撒くという手法を取った。そのことには…絶対になんらかの意味があるはずだ。
だが、それまで饒舌だった解放者は、その件に関してのみ口が固かった。結局、解放者の口から俺の問いに対する明確な答えは返ってこなかった。
「…それについては、あなたに教えてあげる義理は無いわね。まぁ強いて言えるとしたら…この世にはあなたなんかには到底理解できない、高度で複雑な世界があるってことよ。
…そんなことより、これから私はアンクロフィクサを迎え入れる準備をしなきゃいけないの。あなたたちはもはや不要、秘密を知るだけのただの邪魔者。だから…このままここで全員死になさい?」
話は終わったとばかりに一方的に打ち切った解放者が、俺たちにトドメを刺そうとゆっくりと動き始める。
だがそのとき…俺のあずかり知らないところでもう一つの奇跡が起こっていた。
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土壇場で『超越者』に覚醒し、ティーナを救い出すことに成功したエリス。『冥界の門』から開放されたティーナは、弱々しくはあるものの確かに呼吸をしていた。
しっかりと抱きしめた腕の中のティーナから伝わる温もりが、困難な事態を乗り越えた満足感をエリスにもたらす。
だけど…まだだよ。
目を閉じ気絶したままのティーナは、なんとか開放されたものの、心がボロボロになるまで傷付けられていた。
親友をこんな酷い目に合わせた張本人…解放者が、まだ残っている。こんなところで満足しているわけにはいかない。
気を引き締め直して視線を横に向けると、自分と同じくらい普通の少女のように見えるアキが、強大な敵と対峙していた。
見た目とは裏腹に、同級生とは思えないほど強くてシッカリしていて頼りなるアキ。でも、さすがのアキも解放者相手には苦戦しているようだ。
巨大な女神のような存在を背後に具現化させ、アキに今にも襲いかからんとしている解放者。そんな恐ろしい相手と対峙するアキは既に傷ついているようで、痛そうに顔をしかめながら右手を抑えていた。一緒に居たはずのスターリィは…離れた場所で倒れていた。息はしているようなので、力を使い果たしたか…恐らくなんらかのことがあったのだろう。
自分はティーナの救出に成功した。今度は…アキが解放者を倒す手伝いをしなければ。
ぐっと奥歯を食いしばり、腕に抱いたティーナを床に寝かせると、エリスはアキを支援するため彼女の元へ向かおうとした。
…そのとき。
“赤い光“が、ティーナの胸元で輝いていることに気づいた。
「光ってるのは…『エンバスの紅玉指輪』?」
たしかティーナの精神世界においても、今と同じようにデイズの形見のオーブ…『エンバスの紅玉指輪』は光り輝いていた。現実世界でも同じように光りだしたことに戸惑いながらも、エリスはティーナの胸元にある指輪に手を伸ばそうとする。
そんな彼女の心に…ふいに語りかけてくる声があった。
『…あんたはエリスと言うのかい?』
「…えっ?」
驚くエリスの目の前に、続けて何かの姿がぼんやりと現れ始めた。ゆっくりと型どられていったのは、年老いた魔女のような容姿の老婆。
その姿は、エリスがつい最近知ったとある人物に酷似していた。
「もしかしてあなたは…デイズおばあさん?」
目の前の不確かな存在…デイズは、シワの多い顔を歪ませて微笑んだ。
『そうさ、あたしはデイズ。もっとも今のあたしは実体ではないけどね』
「えっ?違うんですか?もしかして幽霊とか…」
『あはは、違うさね。…こいつがあたしの正真正銘最期の魔法、【残留思念】さ。この指輪にあたしの最後の遺志を封じ込めていたんだよ』
半透明の姿で豪快に笑うデイズに、エリスは呆気に取られてしまった。それにしても、よもやこんな場面で彼女に出会うことになるとは…
「じゃあ…もしかしてさっきティーナの精神世界で過去の記憶を見せてくれたのは…」
『そうさ。このあたし…正確にはデイズの残留思念の仕業さね。ティーナがもしもの時に、あの子の力になるためにね』
エリスはデイズの告白に、驚きながらもすぐに納得した。きっとデイズはティーナのことが心配で、この最後の仕掛けを遺していたのだろう。それが今…時を超えて発動しているのだ。
いったいどれだけ深い愛があれば、死の間際にこんな対応ができるのか。デイズの暖かい想いを知って、エリスは胸がいっぱいになるのを感じていた。
『…ところで、あたしの娘…解放者ことミクローシアは、不死身の身体を持っているんだ』
「えっ?そうなんですか?」
『あぁ。だから通常の手段ではあやつを傷つけることはできない。でも、そんなミクローシアの不死身を無効化させる“唯一の力“がある。そいつを…エリス、あんたに授けよう』
「え?私…に?」
デイズからの突然の申し出に戸惑うエリス。そんな彼女の肩に、透ける体のデイズがそっと手を置いた。
『ああ。あんたはあたしの娘…ティーナの親友だ。あんたはその身を投じてあの子を助けてくれた。それにあんたは…あたしと同じ気持ちを持っていてくれるんだろう?』
「は、はいっ!」
エリスのハキハキとした返事に、デイズはシワの寄った顔をクシャッとして微笑んだ。
『だからあんたなんだよ。ティーナを誰よりも大切に思ってくれるあんたに…あたしの力を授ける』
それまでボンヤリと輝いていた“エンバスの紅玉指輪“が、デイズの言葉に合わせてキラリと鋭く光を発し始めた。まるでエリスを誘うかのようなその光に、エリスは一瞬迷いを見せる。
だが…目の前のデイズがエリスに微笑みかけながら、光る指輪へと促してくれた。デイズの態度に意を決したエリスが、導かれるようにして…“エンバスの紅玉指輪“をその指にはめた。
次の瞬間、エリスの全身が赤い光に包まれた。その光はそのままエリスの身体に収束していき、彼女の内側に強大な魔力を蓄積しはじめる。
エリスは、自身の心の中に湧き上がる“新たな力“に戸惑いながらも…消え去りかけているデイズに急いで声をかけた。
「デイズさんっ!私…私っ!」
『ありがとね、あの子の友達になってくれて。あとは…頼む…よ…』
だが、ゆっくりと会話を交わすことはできなかった。
穏やかな笑みを浮かべたまま、デイズの残留思念は…まるで空気に溶けるように消えていった。
そして…エリスの中に、新しい力が目覚める。
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解放者の死刑宣告のあと、再び死の女神【黎明の夢魔】が動き出した。暗黒の魔力を目の前に増幅させていく。
これは…またあの攻撃が来るのか?俺はゴクリと唾を飲み込んだ。
さっきはスターリィの援護があったからなんとか凌ぐことができたものの、次は…回避できる確証がない。しかも、せっかく不死身のカラクリは判明したというのに…幽体という別要因のために、こちらには打てる手もなかった。
くそっ!このまま俺たちは、解放者にむざむざとなぶり殺しにされるしかないのか?
俺が悔しさから歯を食いしばっていた…そのとき。
「…そうはさせないっ!」
凛とした声が、静寂に包まれていた“大聖堂“の中に響き渡った。
声の主は…紅茶色の髪を靡かせる少女、エリスだった。
驚いた俺は慌ててエリスに声をかけた。
「…いけないエリス!…きみは戦闘に向いてない、無理にこっちに来るな!解放者の攻撃に巻き込まれるぞっ!」
「…ふふふ、そうよエリス。あなたはもう用済み。あとでディアマンティーナと一緒にあの世へ送ってあげるから、そこで仲良くネンネしてなさい?」
だが、解放者の脅しにもエリスは屈しなかった。背中に天使の翼を具現化させ、何かの魔法の発動準備を整えている。
エリスは…この土壇場でなにをしようとしているんだ?
「解放者、いいえミクローシア。私は…あの方の遺志を継いで、あなたの身を覆う“不死身“という名のまやかしの衣を剥ぎ取る」
「あの方?ふん、なにを言って…なっ!?そ、その指輪はっ!?」
それまで余裕の笑みを浮かべていた解放者が、エリスが前に突き出した左手の指に嵌められた“赤い指輪“を見て、表情を激変させた。そこに浮かぶのは…驚愕?
解放者がこんな顔を見せるなんて…エリスはいったいどうしたんだ?
だが、解放者が取り乱したのも僅かな時間だけだった。すぐに冷静さを取り戻し、冷笑を浮かべながらエリスに語りかけてくる。
「…ふふっ。どうしてそんな指輪を持ってるのかは知らないけど、それがどうかしたの?」
「ミクローシア。あなたは私の大切なものを深く傷付けた。そんなあなたを…私は絶対に許さない」
言い終えると同時に、指にはめた指輪から発される赤い魔力がエリスの全身を包み込んでいった。
まさか…あれは…
エリスの体に起こりつつある異変は、かつて一度だけ見たことがある光景。場所はやはりここ…グイン=バルバトスの魔迷宮で、レイダーさんが俺たちの前で変化を遂げたときのもの。
一度は冷静さを取り戻した解放者の表情が、今度は明確に崩れていった。新たに浮かんできた表情は…恐怖!
「ばかな…もしかして、あなたは……」
「私は…あの方に力を与えてもらったの。共にティーナを想うものとして、あなたを討つために必要な力をね!
さぁ…いまこそここに現れて、新しい力【赤き幻影】よ!」
神々しい光を放ちながら、刻一刻と変化していくエリスの姿に、俺は目を奪われていた。
今彼女は、新しい固有能力名を名乗った。
間違いない、エリスは…この極限の場において2つ目の『天使の器』に覚醒し、《複数覚醒者》となったのだ!
【赤き幻影】という新たな能力に目覚めて、赤い魔力を発し始めたエリスを、解放者は…全身をわなわなと震わせながら指差した。
「なぜ…?どうしてあなたがデイズ母さんのオーブで覚醒するの…?しかもその能力は、デイズ母さんと同じ…」
対するエリスは、凛とした表情で解放者の問いかけに答える。
「…それは私が…ティーナの親友だからだよっ!
たとえ不器用でも、デイズおばあさんはティーナのことを心の底から愛していた。だからデイズさんは、ティーナを守るために…死しても私にこの力を授けてくれた。ミクローシア、あなたを討ち滅ぼすための力をね!」
エリスの言葉に、解放者は完全に言葉を失っていた。
だが呆然とする解放者に対して、エリスはおかまいなしに…新たに覚醒した『天使の歌』を歌い始めた。
「《この世のものならざるもの。今ここに封じん。安らかに、永遠の眠りにつけ》…封ぜよ!【霊体封鎖】!」
《複数覚醒者》として覚醒したエリスの詠唱が終わり、彼女の手から…赤い光を放つ魔法陣が、解放者に向かって放たれた。




