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81.スケープゴート

 

 今から20年以上前、世界にその名を轟かすこととなる一人の女性がいた。

 彼女の名前はミクローシア=ユニヴァース。


 父親の名は【賢者ワイズマン】ロジスティコス=ユニヴァース、母親の名は【箒の魔女バーバ・ヤーガ】デイズ=ユニヴァース(旧姓、カリスマティック)。

 既に偉大なる魔法使いとして名の知れた両親の元、自身も大いなる魔法の才覚を持って生まれてきた。



 次世代を担う期待の才能として、ミクローシアが鳴り物入りでユニヴァース魔法学園に入学したその日。春の日差し注ぐ中庭において、彼女は運命的な出会いをする。


 黄金色の髪を靡かせ颯爽と学園内を闊歩する、黄金色の瞳の一人の美青年。ミクローシアは彼を一目見て恋に落ちた。


 青年の名はアンクロフィクサ。のちに世界中を悪夢のどん底に叩き落すこととなるこの男は、このときはまだ学園を卒業したあと研究のために残る院生であった。



 偶然出会った美しい青年の正体を知りたいと考えたミクローシアは、彼のことをきっと知っているであろう一人の人物の元へと駆けていった。学園内にいる、彼女が最も信頼してる人物の元へ。



 ミクローシアには、年の離れた優秀な兄がいた。

 兄の名はエルディオン=ユニヴァース。

 彼は学園に生徒として入学する前から天使として覚醒していた。メキメキと頭角を現し、卒業後は魔法学園の若き講師としてだけでなく、ときには優秀な冒険者として絶大な人気を誇り、次期学園長として名実共に認められる存在だった。


 講師エルディオンと、彼の教え子であるパラデイン、クリステラ、そして…アンクロフィクサ。それに彼の妹のミクローシア。


 彼らの人生が複雑に絡み合ったとき、世界を揺るがす運命の歯車が…ゆっくりと動き出すこととなる。









 ******









 【解放者エクソダス】の正体は、ロジスティコス学園長の娘であり、先の魔戦争で【魔王】グイン=バルバトスの側についていた7体の魔将軍のうちの一人、【暁の堕天使ルシフェル】ミクローシアだった。

 奇しくも本人の告白により、判明した驚愕の事実。だけど真実を知るために負った代償は、あまりにも大きかった。


 ロジスティコス学園長の背中から突き出た剣先から滴る赤い水滴。”世界最高の魔法使い”、七大守護天使【賢者ワイズマン】ロジスティコスが命に関わる深手を負ったことを如実に表していた。



「ぐ、ぐぅぅ…」


 胸元を剣で貫かれたロジスティコス学園長が唸り声を上げながら、【解放者エクソダス】ことミクローシアの肩に触れる手に力を込めたのが見えた。ハッとした【解放者エクソダス】が慌てて後方に飛びすさった。


「…危ない危ない。老いても伊達に”世界最高の魔法使い”と呼ばれるだけはあるわね。まさか超文明遺産アーティファクト紅呪剣イビルスカーレット】で貫かれたまま、私に攻撃を仕掛けようとする気力が残ってるとは思わなかったわ」


 【解放者エクソダス】が離れたそのスキに、俺は素早くロジスティコス学園長に近寄った。胸元を抑えながら倒れかける学園長を懸命に支える。彼の胸元からはどんどん血が流れ出ていた。しかも刺さったままの剣が赤黒く輝きながら、禍々しい魔力を学園長に注入し続けている。まずい、このままだと確実に命が失われてしまうぞ。


「学園長、大丈夫かっ!?しっかり!!」

「グホッ、すまぬアキ。お主ら…ワシを置いてここを逃げるんじゃ」


 瀕死の重傷を負いながらもなお、俺たちを逃がそうとしてくれるロジスティコス学園長。でも、ここで学園長を置いて逃げるなんて、彼を見殺しにするだけだ。


「そんなこと出来るわけがないだろっ!」

「これは…ワシの責任じゃ。ワシが魔戦争のときにミクローシアを討ち漏らしたからこうなったんじゃ。そんなものに、お主らを巻き込むわけにはいかん」


 胸元から落ちる血で赤く染まっていく魔道書オーブを握り締めながら、それでも【解放者エクソダス】と対峙しようとするロジスティコス学園長は、本当に凄い精神力の持ち主だと思う。だけど…これ以上はもう無理だ。


 一方、対峙する【解放者エクソダス】も、【雷帝】ヴァーミリアンやエニグマたちに指示を出しながら、一気に俺たちを仕留めようと動き始めていた。

 くそっ、俺は舌打ちしながらサポートのために近づいてきたスターリィに学園長を託した。ロジスティコス学園長は自身の治療のためか、目を閉じて胸に刺さったままの剣に両手を添えると治癒魔法らしきものを発動させていた。スターリィもそれを支援するように魔力を注入し始める。二人のその様子を確認したところで、俺はすぐに悪魔たちと対峙するために身構えた。


 …相手は4人。本当に…やれるのか?俺は自分のできることを必死になって考えた。

 正直、あれだけの力を見せつけられて【解放者エクソダス】たちとまともにやり合えるとは思えなかった。それでも、【解放者エクソダス】だけに限れば…あるいは仕留められるのではないか。ただそのとき、俺の命は確実に刈り取られるだろう。

 それでも…他の皆が生き残れるのであれば…






「待ってくれ!【解放者エクソダス】!」


 そのとき、張り詰めた空気を切り裂くように声を上げたのはティーナだった。

 意を決したように発した彼女の言葉に、【解放者エクソダス】はサッと右手を上に挙げた。その動作に合わせて、雷帝ヴァーミリアンやエニグマたちの動きが止まる。



「…なにかしら?ディアマンティーナ」

「お前の目的は…ボクだけなんだろう?だったらボクが着いていく。その代わり…他のみんなには手を出さないで欲しい」


 ティーナが発した言葉に、今度は俺たちが驚かされる番だった。


「な、なに言ってんだティーナ!」

「このまま戦っても、ボクたちは全滅だ。そうなるくらいだったら…ボク一人が行くだけで済むなら、その方が良いだろう?」


 彼女の口から出てきたのは、ティーナらしい合理的な考え。だけど、いくらなんでもそう簡単には受け入れられない提案だった。


「ティーナ!あなた何を言ってるのっ!?やめて!」

「エリス、ボクはもう…大切な人たちが傷つく姿を見ていたくないんだよ」

「だめよ、そんなの…だって…」

「ごめん、エリス。ボクのかわりに…バレンシアに謝っておいてくれないかな?」


 名前だけ聞いたことある彼女のもう一人の親友の名前を告げ、そっと優しくエリスの頬を撫でるティーナ。彼女の瞳に浮かぶのは、友人を助けたいというなによりも純粋で透明な想い。

 続けてティーナは俺の方に視線を向けてきた。そのときにはもう彼女の表情は変わっていた。瞳に宿るのは、強い…とてつもなく強い意志の炎。

 ふいに俺の脳裏にティーナの声が聞こえてきた。…ティーナからの”伝話”だった。


『…アキ、今この場で抵抗しても犠牲が増えるだけだ。だからここはボクが条件を飲むことで【解放者エクソダス】を引き揚げさせる』

「だ、だけど、そうしたらティーナが…」

『本当はアキも分かってるんだろう?これが最善の手だってことが』


 そのとおり、俺は分かっていたんだ。ティーナの言うとおりにすることが、現状最も犠牲が少なく済む提案だってことが。認めたくはないものの、俺は心の中でティーナの意見に頷いた。


「…あぁ、そうだな。ティーナの言う通りだ」

『だから…アキ、あとのことを頼む。ボクのかわりにみんなを守って欲しい。こんなこと頼めるのは、キミしかいないんだ』


 ティーナの覚悟。彼女は…既に死すら受け入れていた。彼女は身を賭して、俺たちを守る決意をしていたんだ。

 無駄な抵抗でもなく、届かない自己満足の復讐でもなく、俺たちを…大切な友達を助けるために力を尽くすこと。それが、黄金色の髪の美少女が選んだ選択だった。


『もちろんボクも死力を尽くす。それに、なにもこれで終わりってわけじゃない。たぶんボクには利用価値があるはずだ、きっとすぐに殺されたりはしないだろう。だから…希望は捨てちゃいないさ』

「あぁ…分かったよ。お前の望み通り、みんなを避難させるさ。そのかわり…」


 俺は、負けじとティーナの目をじっと見つめた。


「そのかわり、みんなを避難させて学園長の救護が終わったら、必ずお前を助けに行く。そして俺が…【解放者エクソダス】を滅ぼす!」


 俺の言葉に、それまで強い意志で満たされていたティーナの瞳が揺れた。


『…な、なにをバカなことを!さっきのあいつの魔力を見ただろう?学園長に言われた通り、ボクたちより魔力は上だぞ?』

「分かってる。俺だって無駄死にするつもりはないさ。それに…あのとき約束しただろう?俺が【解放者エクソダス】を滅ぼすってな」


 忘れもしない、夜の海辺でのティーナとの約束。彼女から託された、イヤリングという名の希望。俺はもう、 誰との約束も・・・・・・破りたくないんだ。


「思い出したか?思い出したんなら…素直に俺に頼れ」


 俺の発する強い意志に、諦めたかのようにティーナが大きく息を吐いた。


『…分かったよ、アキ。それじゃあ改めてキミに頼もう。あのときの約束のとおり、ボクのかわりに【解放者エクソダス】を…ミクローシアを滅ぼしてくれないか』

「あぁ、分かった。そのかわり…決して命を粗末にするようなことはするなよ?絶対に、助けに行くからな」


 俺の言葉に、ティーナは力強く頷いた。







「…そろそろ相談は終わったかしら?」


 俺たちの”伝話”に気付いてか、それまで黙っていた【解放者エクソダス】ミクローシアが声をかけてきた。


「あぁ、待たせて悪かったね。ところでさっきの質問の件はどうなんだ?ボクがお前に着いて行けば、本当にここにいる全員の無事を約束してもらえるか?」

「…ふふっ、私はあなたさえ手に入るのであれば、もはや他のものに興味は無いわ。いいでしょう、あなたの希望通りこの場での身の安全は保障します」

「…もし約束を破るようなことがあれば、ボクは自分の命を絶つ」

「そんなことを言わなくても、何も手を出さないわよ。…大人しく邪魔しないでくれてればね」



 どれほどの拘束力があるのかは分からないが、少なくともティーナは悪魔から言質を引き出すことに成功した。一つ頷いたあと、ゆっくりと【解放者エクソダス】の方へ歩を進め始めるティーナの姿は…まるで死刑台に向かう殉教者のように誇り高く見えた。


「ティーナ!ダメっ!ティーナッ!!いやぁぁ!!」


 泣きじゃくりながらティーナに縋ろうとするエリスを、俺は必死になって抑えた。ジタバタと暴れる彼女を抑えるのは、本当に辛い役目だった。

 彼女の気持ちは分かる。結局ティーナは俺たちを救うための犠牲スケープゴートになったのだ。悔しい、あまりに悔しい事実。


 だけど、これで終わりじゃない。俺の視線がティーナとぶつかった。彼女の瞳に…まだ諦めの色は無い。

 …そうだ、ティーナは立て直す時間を与えてくれたんだ。俺たちはまだ終わったわけじゃ無い。必ず…ティーナを救い出してみせる。






 それまで俺たちのことを関心無さそうに眺めていた【解放者エクソダス】が、泣きじゃくるエリスの様子を見て何を思ったのか…初めて感情の色を瞳に湛えた。嬉しそうに目を細めると、吐息を履くように口を開く。


「ふふっ、ディアマンティーナは愛されてるのね。美しい友情だわ。大丈夫よ、私はディアマンティーナのことを殺したりはしない。私のために、ちょっとしたお仕事をしてもらうだけよ」

「そんなの…信じられないっ!!」

「まぁそうでしょうね。…わかりました、良いでしょう」


 既にエリスしか見ていない【解放者エクソダス】は、なにやらよからぬことを思いついたようだ。嗜虐的な笑みを浮かべ、エリスを挑発するように言葉を続けた。


「あなた…エリスと言ったかしら?あなたは本気でディアマンティーナやヴァーミリアンを救いたいの?あれだけの強大な力を見せつけられても?」

「当たり前ですっ!ティーナも、ヴァーミリアン様も…私の大切な人たちですから!」

「そう…。ではもしそうであれば、エリス。あなたに免じて特別に機会チャンスを与えてあげましょう。

 私たちはこれから【グイン=バルバトスの魔迷宮】の最深部に向かう。そこで…3日間だけあなたのことを待つわ。あぁ、でも魔迷宮あそこに入るには最低でも4人の天使が必要だったわね」


 顎に手を当てて僅かな時間思案する仕草を見せたあと、【解放者エクソダス】は真紅の唇をいびつな形に歪めてニヤリと笑った。


「…ではこうしましょう。3日以内に、学生であるあなたたちだけで【グイン=バルバトスの魔迷宮】の最深部にいらっしゃい。決して他の大人を頼ってはダメ。そんなことをしたら…どうなるかわかってるわよね?

 大丈夫。ヴァーミリアンの子供たちや、そこにいる売女ばいたクリステラの娘の力を借りれば、あなたたちだけでも魔迷宮あそこ入宮エントリーすることはできるでしょう?」


 …悪魔が提示してきたのは、邪悪なる救済。それは余裕から発される戯れなのか、あるいは裏に何か深い理由があるのか…それは判断つかない。

 だが、奇しくも俺が求めていた情報は手に入った。決戦の時と場所は、図らずも相手から指定されたのだ。


「そしてエリス、もしあなたが無事に魔迷宮の最下層まで来ることが出来たなら…そのときはあなたの望みどおり、あなたたちがティーナと呼ぶこの子を解放してあげましょう。どうかしら?破格の条件でしょう?

 もちろん…無事に来れたら、ですけどね。どうする?あなたはそれでも来るの?」

「ええ、もちろんよ!私は行くわ…絶対にっ!」

「止すんじゃ!ゲホッゴホッ、それは…罠じゃ!」

「黙れっ!死にかけの老いぼれめ!」


 血を吐きながら制止しようとするロジスティコス学園長を、怒りの感情を露わにして一喝する【解放者エクソダス】。その瞳に宿る憎しみの色は、闇夜よりも深く暗い。

 だがそんな闇にも決して呑まれることなく、エリスが凛とした表情で学園長を守るように前に立つと、キッと悪魔を睨みつけた。


「ふふっ。エリス、あなた良い目をしてるわね。好きよ、あなたのその目。ただ、あんまりのんびりしていると間に合わないかもしれないわよ。早く来ないと…ディアマンティーナはともかく、ヴァーミリアンのほうはそう長い時間は残されていないかもね?」


 ガクッ。

 そのとき、操られていたはずのヴァーミリアン公妃が突如バランスを崩すと、片膝から地面に倒れていった。苦しげに歯を食いしばりながら、絞り出すように声を漏らす。


「あ…あなたたち、私のことは構わない!だからこの外道を…」

「ヴァーミリアン、黙りなさい!」


  素早く【解放者エクソダス】が片手を振ると、まるで糸が切れた人形のようにヴァーミリアン公妃が倒れた。

 なんだ今のは?もしかして彼女は、一時的に【魔傀儡マリオネット】の呪縛を脱したのか?それともなにか違う事態がヴァーミリアン公妃の身に起こっているのか?


 俺たちに考える暇を与えることなく、【解放者エクソダス】ミクローシアは片手を動かすだけでエニグマにヴァーミリアン公妃を抱えさせると、改めてティーナに向かって手招きをした。


「そろそろ時間切れね。さぁディアマンティーナ、行きますよ」

「ティーナっ!!」


 エリスがミクローシアのもとに向かうティーナの手を、最後にしっかりと握りしめた。その手を握り返しながら、ティーナはこれまで一度も見せたことのないような慈愛に満ちた微笑みをエリスに返した。


 ゆっくりと離れていく、二人の少女の手と手。一人は涙を流し、もう一人は微笑みを浮かべながら…





 ティーナが自分の前にやってくる様子を、【解放者エクソダス】は満足げな表情を浮かべながら眺めていた。

 やがて自分の目の前に立つ絶世の美少女の肩に手を置くと、【解放者エクソダス】を中心として周りに薄暗いシャボン玉のような膜が発生し、エニグマやスライム状になったミザリーをも包み込んだ。


 悪魔たちを包み込んだ暗黒のシャボン玉は、【解放者エクソダス】のハンドサインによって宙に浮くと、そのまま…襲撃してきた時と同じように上空に開いた空間から学園の外へと飛んで行ったのだった。




「ティーナァァッ!」


 エリスの涙交じりの悲痛な声が、闇夜に包まれた学園内に響き渡った。

 その声は、【解放者エクソダス】たちの姿が暗闇の空に完全に溶け込むまで続いていたんだ。









 ******







 ベルトランド王国での魔獣軍の襲撃に端を発した異変は、世界各地で多発的に発生し、世界中を混乱の渦に巻き込んでいった。



 ベルトランド王国を襲った【真・魔獣王】エヴルガイガーと数千の魔獣軍。幸いにも七大守護天使【聖道テスタメント】パラデインと【聖女ジャンヌ】クリステラの尽力により、王都の陥落は免れた。しかし二人が駆けつけたときにはエヴルガイガーは逃亡し、依然危険な状態は続いている。



 ハインツ公国に出現した【冥界の使い】ベヒモス、イグニートの二匹の魔龍。かつての七魔将軍の一体【土龍アースドレイク】および二年前にハインツを襲った【火龍ファイアドレイク】…それら二匹の古龍エルダードレイクと同じ名を持つ魔龍は、大暴れする前に偶然近くを旅していた【英雄レジェンド】レイダー率いる『明日への道程ネクストプロムナード』一行により撃退された。しかし未だに仕留めるには至らず、激しい戦闘が随時繰り広げられているうえに、公妃である七大守護天使【塔の魔女タワーオブテラー】ヴァーミリアンは行方不明。





 ブリガディア王国の王都イスパーンで突如蜂起した悪魔軍団【解放同盟】は、国王でもある七大守護天使【聖剣ジャスティス】ジェラード王と世界最強の騎士団たちによって見事に撃ち返された。しかし、そのままイスパーンの街の中に雲隠れし、ときおりテロじみた破壊行動を行うことでブリガディア王国を混乱させていた。






 そして、ユニヴァース魔法学園への魔獣の群れと【解放者エクソダス】の襲撃。一度は撃退したものの、そのときの戦闘で学園長である七大守護天使【賢者ワイズマン】ロジスティコスが、命に関わる大怪我を負い重体となる。

 なお、未確認の情報としては、敵の中にヴァーミリアン公妃の姿があったという。




 まるで計画されたかのように一斉に世界各地で発生した、恐ろしい事件…いや魔災害の数々。

 世間の人々は、あまりに恐ろしい出来事の連続に、忘れかけていた20年前の恐ろしい記憶を呼び起こすこととなる。


 ゆえに人々は、これら一連の魔災害を総称してこう呼んだ。





  『第二次・魔戦争』と。



これにて第11章は終了となります。




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