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Part.Ⅹ


-幽霊喫茶探偵事務所



アリサは、神崎に憑いている智恵を神崎から切り離した。

そして、店を案内させた。

神崎は自分は仕事がまだ残っているし疲れたと言って、そのまま警察署に向かったのだった。


アリサは制服に着替えると、智恵を壁側のテーブル席に案内させ、部屋に一枚のお札を貼った。

そして、再びテーブル席に向かい、椅子に座ってボーッとしている智恵に

「何か、ご注文されますか?」

と言った。

智恵は「え?」と言い首を傾げた。

そんな智恵に、アリサは微笑みかけた。

「この店は特別で、霊も飲食可能なんです。ですから、智恵さんも遠慮せずご注文下さい」

「そ、そうなんですか?不思議ですね」

そう言うと、智恵はテーブルにかけてあるメニュー表にソロソロと触れた。

「あ、本当だ。触れる…。えっと、じゃぁ……オレンジジュースで」

(かしこ)まりました」

そう言うと、アリサはカウンターの中に入りジュースを作り始めた。

その時



―カランカラン



と、店の扉が開き鐘の音が鳴った。

「ママ!!」

「智恵!!」


―ガタリ



と、智恵は椅子から立ち上がった。

その音に二人は気づき、音のする方へと向いた。

「み…美優…?…晃…さん」

智恵は、ヨロヨロと晃と美優の側に歩み寄った。

晃も同じく、智恵の側に歩み寄った。

そして、お互い距離が近くなると…晃は智恵を抱き締めた。

「っ!!智恵っ!!」

「あ…晃…さんっ!!晃さんっ!!」

智恵と晃は、ギュッと抱き合った。

そして、お互い距離を空けると、晃は後ろにいた美優を招いた。

「智恵…この子が美優だよ。あれから、大きくなったんだ」

「まま…」

「美優…」

智恵は、美優の目線と同じになるようにその場にしゃがみ込んだ。

そして、両手を広げた。

「美優…おいで」

美優はその言葉を聞くと、目に大きな涙を溜めて、智恵に向かって走り抱きついた。

「ママー!!」

「あぁ…美優っ…美優っ」

「うあーん!!ママ会いたかったぁ!」

美優は、沢山泣いた。

智恵も同じく泣いていた。

「ママも会いたかったっ…美優…私の宝物」

そして、智恵は美優の頬を優しく撫でた。

「本当に大きくなったのね…。晃さんに似てる」

「ははっ…智恵にも似てるよ。」

「ふふふ」

智恵、そして晃は幸せそうに微笑みあったのだった。

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