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よく噛んで食べてね

作者:
掲載日:2026/06/12

かちゃかちゃ。

食器を洗う音がする。

「ええっ、明日?急だね……ううん、いいよ!水族館大好きだし」

「わかった、九時に家出るんだね、了解」


いつまでも恋人同士みたいな私達は、頻繁にデートに行く。

今日のデートは水族館、イルカショーではしゃいで、ジンベエザメを見て写真を撮って。

二人で楽しいねっていいながら見て回った。

はしゃぎすぎた私達は家に着いて、動く気力もなくソファーでだらだら過ごした。

「夏樹先にお風呂入ってきて、だるいい」

「いいじゃん、どうせ入るんだからいいでしょ」

私はお風呂優先権を夏樹に譲った。


次の日の朝食は張り切った。

「今日はオムレツ作ったよ、ホテルのみたいでしょう?はい、ああん」


夏樹は美味しそうに食べてくれる。

「パンのおかわりいる?朝早くから焼いたんだ」

夏樹の口に無理やりミニクロワッサンを放り込んだ。

「ふふっ、面白い顔になってるよ」

思わず笑ってしまう。


これから夏樹は趣味の読書をすると言う、読書する時に眼鏡をかける仕草が好きで、ついつい覗き込みに行ってしまう。

読書が出来ないよって言われるかな?

わくわくしてしまう。


お昼はサンドイッチを作った。

読書の邪魔したお詫びに、読書しながら食べやすいものを。

夏樹は喜んでくれていた。


私は買い物に出かける、晩御飯と明日の朝ごはんの材料を買いに。

スーパーの外を出ると雨が降ってきていた。

洗濯物を干したままだった!

慌てて家に帰る。

やっぱり洗濯物は全部濡れてしまっていた。

「もう!夏樹洗濯物ぐらい取り込んでくれてもいいじゃない、雨降ってるんだよ」

と言うと呑気に、読書に夢中で気づかなかっただって。

本当になんにもしてくれないんだから。


晩御飯は夏樹の大好きなハンバーグにした、「とりあえず最初の一口はああん」

夏樹はちょっと照れてはにかむけど、その顔はとっても好きな表情。


夏樹の顎がかくんと動く、口に入れすぎたかな?

たまには掃除もしなきゃね。

屍蝋化した夏樹はいつもの顔で微笑んでいる。

夏樹を見た瞬間連れて帰ってきてよかった。

このまま夏樹といつまでも幸せに暮らせますように。

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