よく噛んで食べてね
かちゃかちゃ。
食器を洗う音がする。
「ええっ、明日?急だね……ううん、いいよ!水族館大好きだし」
「わかった、九時に家出るんだね、了解」
いつまでも恋人同士みたいな私達は、頻繁にデートに行く。
今日のデートは水族館、イルカショーではしゃいで、ジンベエザメを見て写真を撮って。
二人で楽しいねっていいながら見て回った。
はしゃぎすぎた私達は家に着いて、動く気力もなくソファーでだらだら過ごした。
「夏樹先にお風呂入ってきて、だるいい」
「いいじゃん、どうせ入るんだからいいでしょ」
私はお風呂優先権を夏樹に譲った。
次の日の朝食は張り切った。
「今日はオムレツ作ったよ、ホテルのみたいでしょう?はい、ああん」
夏樹は美味しそうに食べてくれる。
「パンのおかわりいる?朝早くから焼いたんだ」
夏樹の口に無理やりミニクロワッサンを放り込んだ。
「ふふっ、面白い顔になってるよ」
思わず笑ってしまう。
これから夏樹は趣味の読書をすると言う、読書する時に眼鏡をかける仕草が好きで、ついつい覗き込みに行ってしまう。
読書が出来ないよって言われるかな?
わくわくしてしまう。
お昼はサンドイッチを作った。
読書の邪魔したお詫びに、読書しながら食べやすいものを。
夏樹は喜んでくれていた。
私は買い物に出かける、晩御飯と明日の朝ごはんの材料を買いに。
スーパーの外を出ると雨が降ってきていた。
洗濯物を干したままだった!
慌てて家に帰る。
やっぱり洗濯物は全部濡れてしまっていた。
「もう!夏樹洗濯物ぐらい取り込んでくれてもいいじゃない、雨降ってるんだよ」
と言うと呑気に、読書に夢中で気づかなかっただって。
本当になんにもしてくれないんだから。
晩御飯は夏樹の大好きなハンバーグにした、「とりあえず最初の一口はああん」
夏樹はちょっと照れてはにかむけど、その顔はとっても好きな表情。
夏樹の顎がかくんと動く、口に入れすぎたかな?
たまには掃除もしなきゃね。
屍蝋化した夏樹はいつもの顔で微笑んでいる。
夏樹を見た瞬間連れて帰ってきてよかった。
このまま夏樹といつまでも幸せに暮らせますように。




