トンカツ降ってきたから、とりあえず閉じ込めた。
空気がお正月へと入れ替わる、大晦日の夜の日
我らが主人公「燈」は、ペンを回し、足を組み、頭には教科書とみかんを乗せていた。
――そう、独自のバランス感覚を養う体操(という名の暇つぶし)の真っ最中だ。
「こら、燈なにしてるの!」
驚く燈を見ながら、しれっと、みかんを奪って、食べながらどっかに行ったうちの母は、肝っ玉母ちゃん。
こたつの上には、お菓子が大量だった、これは夜まで「あなたは独りよ」の合図だ。
毎年のことだから、これは慣れっこ、でも今年は、なんだか外の空気がいつもと違う、スケッチブックを持って、宿題をポイっとやって、外へ向かった。
空はどんよりとした曇り空で、今にも雪が降り出しそう。
観光客たちはホテルで待機するか、気が早い人はもう神社へ向かっている。
観光客のお土産屋、うちの家業――結構人気らしいアクセサリー店の商売だ。
お土産屋の道沿いにある、休憩スペース、木の丸太のベンチにちょこんと座り、あの時の変な脂身乗った豚を思い出した、ふっと、口が緩み、笑い声を出しかけた。
脂身、トンカツ、ラーメン、チャーシュー
腹減った………
ノートにペンを「こつん」とすると、そこから、音符やら、何やら説明ができない何かが、燈の脳内をイメージさせ、まるで幻覚を見ているかのように錯覚させる。
すると、燈の前に現れたのは、1匹のミニ子豚、その子豚上には、三葉のクローバーと、首には、石のような首輪、真ん中には、べっ甲で出来ている丸い円の中に、クローバーがまたあった。
その子豚は、私を睨んでこう言った。「一ヶ月もかかったわ……貴様、水無月 燈」
名前を呼ばれ、その声のするほうを見ると、ミニブタだと思いきや……うん、ミニブタだった。
ただ、「ブヒ」って語尾を外した、なんか生意気な、じの、ちょっと腹立つ、ミニブタかな。
脂身だらけの角煮かな、やっぱりこいつは、トンカツかな。
(何を思ってるんだか、考えるのが怖いな)
っとミニ子豚は思っていた。
とりあえずそのミニ子豚を、抱えて、家に連れて帰えりました。
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「さぁ、トンカツ、ここがあなたのお家ですよぉ〜」
燈は、ペットが出来たような気分だった。
三「まだ無礼な事を、貴様この私は、三葉の神」
燈「へぇ〜あ、私さ、ちょっと今からお菓子パーティーして、ゲームパーティーの予定なの、小屋もないし、とりあえず、この襖の中にいてくれない?」
襖をバン!と開けた燈は、「トンカツ!ハウス!」と、犬に教えるように言って、押し入れを指さした。
三葉神は、驚きを隠せなかったが、渋々と、押し入れに足を入れてみた。
三「貴様、水無月燈!何故トンカツのだ、そして、何だこの扱いは!!」
ニヤリと燈は、笑うが、相手を凍りつかせるような笑顔をしていた。
燈「子豚と言えども、神様なんだからさ、宿題ぐらいできるよね?」
5教科の宿題と、お菓子を少しだけ分けて、扉を閉めると、小学生の時、修学旅行で買った木刀を襖に挟んで、トンカツを閉じ込めたのだ。
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次の日、燈は新年の朝を迎えた。
燈は、カーテンから日差しが入り、目を覚ました。
ふぁわ~っと欠伸あくびをして、ベッドから降りる。
いつも右足から降りるけど、今日はなんとなく左にしてみた。
燈(今日は確か、お年玉ってゆうやつを頂ける有難い日)
鏡の前で合掌する。
なんとなく引き出しを合わせ、手に取ったのは貯金ファイル。
ここには今まで稼いできた金額が入っているし、お年玉も、まぁ、いくらかは使ってしまっているけど、鍵付きの手帳に手を添えた。
「燈」の年明けの【ルーティーン】はそこから始まる。
顔を洗わずにヘアバンドを巻いて、部屋着の裏起毛トレーナーの、『やる気スイッチオフ』と書いてある、お気に入りの黒いスウェットとズボン。
ボリボリ頭を掻きながら、居間に向かう。
居間にみんないるんだよね、昼頃には。
燈(ん?なんで襖に木刀??)
木刀を見ながら首を傾げた燈、キッチンから大きな声が聞こえたと、思うとすぐ横におかんが来ていた、たまに、おかんって、魔法使いかな?って思うぐらい、すごいスピードで動くと思わない?皆さん。
「燈、ちょっとは手伝って! お年玉あげないよ。って、そんな格好で、ほんとこの子はもう!」
朝から鬼の形相なお母さんに、お尻を叩かれた。
いてっ。結構強烈だけど、暖かい。
「あかりーー。お年玉やんねぇぞーー」
父にも急かされ、とりあえず身支度を整えてから、お母さんのお手伝い。
すると兄貴も帰ってきた。
兄貴はよく、散歩しながら本を読む、って兄貴は手伝いしてないじゃん、男女差別?
いつもの事だけどさ。
テーブルの上には豪華な料理が並んでた、中心には生ハムサラダ、お昼なのに贅沢だ。
あとはアジフライと、味噌汁、ご飯。
大晦日と元旦は結構豪華だ、いつもは昨日の残り物か、レトルトカレーか、カップ麺だ。
みんなで食べ終わった後、家の大掃除を始める。
大晦日の豪華な昼ごはんは、大掃除の体力をつけなさい、という感じだ。
今年も残りわずかか。
年越しして、みんなが寝静まったあとの事、私は、なんと、あの
「トンカツ」の存在を忘れてしまっていたのだ
恐る恐る、木刀に触れた手、木刀が、【カタッ】っと落ちる、襖が【バッ!】っと自動で開く。
そこに居たのは、確かにあのミニ子豚、トンカツだ。
その認識をすると、いつもの光景のはずの空間が
歪んで、え!まっ!ゆがむ!?あーーーー
燈の目は虚うつろになり、足がグラグラ揺れて、地面に倒れ込みそうになった……
その時空間がガラリと変わり、燈は咄嗟に
ぐらっっと来た!! はい!
我が左手に宿りし、閻魔の涙の秘宝の魂の叫びよ!
「長い! 長い! そして、なんだ、その閻魔の秘宝は。意味がわからん、ブヒ」
燈「厨二病ポーズをとってみたのに」っと、燈の、右手は、左目の上の部分に手を当て、目を隠すようにしていたのだ。
目が合ったのは、可愛らしいお目目をした、ピンクの
ゆるキャラ、きゅるりんぱーーーー
ぎゅーーーーってしていい? あ、もうしてた。
「離れぬか! 余は神じゃブヒ」
神とか言ってぇーんもう。そんなこと本当は違うんでしょ?
このお淑やかな、レ・ディーに
そんな冗談は、佳子よしこちゃんだぞ♡♡……誰?(笑)
「はぁ〜〜あーーーーブヒ!」
なんかジタバタして怒ってる? どしたの?
「燈は、前世代と今世代のギャグが混ざって困惑してるブヒ!」
知ってるよ?? それが私♡♡
「やはりそなただな、、、ブヒ」
その瞬間、目をつぶったトンカツ。
~我は、三葉の御霊の神、三葉じゃ。燈、そなたに我の封印を『解く』手伝いをさせてやろう。願いを一つだけ叶える。何が良い?~
「絵! うまくなりたい!!」
三葉神様の時間が少し止まりました。
え?それだけ??By三葉神
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燈「あ、そういえば、宿題は?」
三「…………汗」
燈「まさか、やってないの?」
三「この姿では、筆が持てぬ」
燈「役たたずトンカツ」
三「ブヒ!??!!」




