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邪気だ、邪魔だ、どいて、うるさい!



~高校三年・四月~


新しい学期の始まり。

だが燈は面倒くさすぎて、始業式だけ出席し、

そのまま早退した。


神社の千年の木にもたれ、鼻歌を口ずさみながら、風景画を描いている。


トンカツとチキンは傍らで、

寝転んだり、座ったりしながら、

だらだらと日光浴をしていた。


 


「……げっ、水無月燈」


ひぇーっと声を上げ、妖怪たちは散り散りに逃げていく。


 

「なんかさ、私、嫌われてない?」


((ようやく気づいたんだ……おせー))


妖怪たちの、噂話を聞いていた、トンカツとチキンは、燈の天然っぷりに、「いつもの燈だな」と思う半分、正直、少し引いていた。


 


まぁいっか。

さて、何を描こうかな。


ここから見えるのは、行き交う人の流れ、駐車場、そして、その奥に広がる森。

 


……森?


 


びゅうっと、森の奥から風が吹き始めた。


それは、

今まで感じたことのない――


不穏な空気。




「邪気だ、燈」

「邪気ですね、兄者」


 


「じゃき? しゃぎ? しゃけ?」


燈は意味が分からず、

思いつく言葉を適当に口にする。


 


「邪気とは、邪悪な気配。略して邪気だコケ」

「厨二病脳の燈が分からぬとは、やばいな、四葉」

「やばいです、兄者」


 


二匹は空を飛び、森の方へと急いだ。


 


「え!? トンカツ! チキン!!」


 


木々が騒ぐ。

胸騒ぎがする。

風がいつもより強い。

雲が黒くなっていく。


さっきまで、あんなに晴れていたのに。


 


なんで、いきなり!?


 


――とりあえず、ついて行かなきゃ。


 


駐車場の奥に、

《森の中 ~崇め奉リ道~》

と書かれた看板が立っている。


 


……だせぇ。


 


その道を走る。


木々が揺れる。

冷や汗が流れる。

息が上がる。


時おり、外の光が木々の間から差し込み、

まぶしさに目を細めた。


 


――――――――――――


 


奥へ進むと、

小さな祠が現れた。


神様を祀る祠、赤と白のしめ縄が、入口を固く塞いでいる。


 


トンカツとチキンは、

すでに元の姿へ戻り、

入口の前に立っていた。


 


「燈、ここだ。ここを書け」


真面目な顔で、三葉神は観察日記を差し出す。


 


「この狛犬も書け、人間」


四葉は祠の前に置かれた石像を指さした。


 


観察日記を受け取り、

「分かった、待ってて」


そう言って、神気を込めたペンを握る。


――だが。


 


いつもみたいに、文字がすらすら出てこない。


 


「……え? あれ? なんで???」


 


そのとき。


 


祠の奥から、不気味な笑い声が響いた。


 


「ハハハハハハハハハハハハ」


 


低く、力強い声、女の声なのに、どこか男のようでもある。


その声の正体は――


 


「「……!!!」」


 


トンカツとチキンは、

何かを知っている……?



その【正体】は

神々の中でも 最上級クラス



「「天照大御神様アマテラスオオミカミサマ」」



気品溢れる美女

美しい羽衣

金色の【簪かんざし】

声のトーンとは全然違う

神様が現れた



燈は書けないことに集中して

ペンを握って書き始めようとする



~三葉、四葉、久しいな~


「「はい、天照大御神様」」


膝まづいて、顔をあげない2人



~表を上げてよし~


「美しい……女神。」

昔から、三葉は、天照大御神アマテラスオオミカミの信者であり

ファンクラブナンバー会員1番。


「兄者の病気が………」


「これ、四葉、謝らなぬか!!」


「すみませんでした、天照大御神様」



~よい、今日はその水無月燈に試練を

与えにきた、助けるでないぞ、2人とも~



「はっ、試練とは??」


~神の気の力を手に入れた人間だ

弱さがあっては、身を滅ぼしかねない。

だが、三葉、四葉、お前たちをブタやニワトリにしたのは、人間界に降りた罰じゃ~



「そうだったのですか、、、」


三葉神は愕然とし、肩を落とした


四葉もまた、何も言えず、ただただ、天照大御神様を見つめるだけだった。



~試練を乗り越えれば

3人の絆もより深まる、が、最後は人間の神と関わった記憶を消す、忘れるなよ

三葉 四葉 ~





(人間の記憶を消す!?燈の記憶を?)

(人間と神様は出会っては行けない)


燈に心を開き始めている、三葉の動揺は隠せない

四葉は元々人間が嫌いなので冷静である。




(書けない、どうして、ペンが震える!?)





-----------------------------



あ!これ新作のゲーム!!

あ!こっちは甘いお菓子&ジュース


燈は、試練の中の空間にいた。



底には好きな物に囲まれて、丸で夢のような空間だった。


燈は特大クッションの上に、横になり、ゲームをしながらのんびりと過ごしていた。


テレビを付けて、鼻歌を歌いながら。





外の世界での燈は、眠ってしまっていた。



┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


新作ゲームも、何もかもやりたい放題

やっふぅーーー!!!


「燈ごはんできたよわよー」


ご飯か、そう言えばお腹空いた。


居間まで行く燈


家族4人でいつもの日常



【夜ご飯】



「え、唐揚げ、トンカツ、エビフライに、チキンスープ?!」



「燈ちゃんの好きな物ばかりよ」


「あかり、学年1位おめでとう」


と母と父。



「さすが、僕の妹だ」


頭を撫でてくる兄





そっか、私天才だったんだっけ、テストでいい点数取る度に、ゲーム買ってもらってさー♩



「えへへ、いただきます!!」


「「「いただきます。」」」



4人で揚げ物だけを食らいつく、傍から見れば妙な光景だ。


ご飯やサラダは一切ない。


普通の日常だと、思い込む燈はご飯を食べて、ゴージャスな檜風呂に入り、特大クッションの上で眠った。





-----------------------------



次の日の朝



女生徒1「水無月さんよ」

女生徒2「きゃーほんと、今日も可愛いなぁ」

男生徒1「水無月先輩、美しくて頭も良くて、2年生で、生徒会長だもんな、ほんとにすげーよ」




学校に入ると、噂話が飛び交う、燈はにやけそうになる顔を、真面目な顔にして、にこりと微笑む



この日の授業は

すらすら解けた


数学で当てられても、ビシッと解いて、みんなから歓声をあびる。


英語ではすらすらと教科書が読める。


国語でも大学生で、習う漢字までも、読めたり、先生に、大学を受験しないか、まで言われた。



体育、体育はバスケで球技大会の練習だ、審判を任され、キビキビと採点をつける。

怪我した子を保健室に、お姫様抱っこで連れていく。


理科では、難しい数式を黒板に書いてしまったが、先生には、写真を取られ、これを知り合いの、大学教授に見せると言われた。




なんだかすごく··········



いい気分だ、女の子はお弁当もくれるし、男子からは告白されそうになるし。



ラブレターも、下駄箱開けたら大量だ。




【私って幸せ者の天才だ】







-----------------------------



~現実世界~


三葉は、眠っている燈を、他の人に見られないよう

両手を当て、神気の空気の中に閉じ込めている。


「絵が書けないの」


と、うなされている燈。


「人間、目を覚ませ。」




燈に寄り添う、四葉



あれだけ人間嫌いの四葉の態度に、三葉は、涙目を浮かべる。



┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈



午後の授業も終わり、帰りの時間、皆が帰った後の、静まり返った学校で、、、


燈は、美術室の前で、足を止めた。


「美術か……」



(ん?美術って、確かえーっとえーっと)



「絵を描く所」


目を閉じながら、口が勝手に開いた燈。




扉を開けると、風が燈の髪の毛をさらっていく。



カーテンがふわり

窓が開いていた



グランドには夕日が差し込む


部活動は行っていなかった。



絵画がずらりと、並ぶ教室。


真ん中には、デッサンするデッキがある


その周りには、何故か椅子があり。



燈は自然と真ん中の、デッサンの所へ向かった。




「何これ」



スケッチブックと、ペンが置いてある。



~この中に そなたの色を 描け~



私の色?このペン黒インクなんですけど……



不思議そうにペンを見る燈。



うーん。


虹色をイメージする燈、するとペンが、羽をはやして

ペン先が虹色になった。



「わぁ、すごい」


燈の心は踊る、こんなペンで描きたい、虹色の橋を。



橋??




虹色の橋??



スケッチブックにすらすらと、虹色の絵を描く燈




周りの椅子が、メロディーに乗って動き出した。




「椅子が動いてる♩」



教室にはそよ風も

夕日も

メロディーも


燈の周りを包み込む



その光景はまるで

魔法が飛び交う

不思議な教室



-----------------------------



~現実世界~


「燈!」

「人間!!」


燈は少しずつだけど、魘される(うな)事はなかった、幸せな夢を見ているかのように見えた。




-----------------------------




「かけた··········虹」


【雲も書いてない】

ただの虹の絵は、スケッチブックの中で

動き出しそうだった。



「私虹の橋の上にたったことある」



燈は、ハッとした


その瞬間、教室が歪んで


燈はその歪みの光景も


何度か、経験していることを、思い出した。




-----------------------------



目をゆっくり開ける燈


そこに見たのは、涙と鼻水でぐちゃぐちゃな顔の

イケメンと


満面な笑みを浮かべた 年下の男の子の顔が


目の前にあった。




「おはよう、トンカツ、チキン」









ここまで読んでくださりありがとうございます!


少しでも面白い、続きが気になると思って頂けたら、

ブクマ、☆レビューなどで応援して頂けると励みになります( ˶ˆ꒳ˆ˵ )

リアクションでGoodボタン押してください♩


これからも、水無月燈達の

トラブルだらけの異能者生活をよろしくお願いします!


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