目覚め
小説を書いた経験のない素人です。異世界ものが大好きなのでこの作品を書き始めました!
「あれ?ここどこ?」
目が覚めてから三十秒も経っておらず、寝ぼけているのかと両目を擦る。
「やっぱりここ何処だよ?!」
思わず大きな声を出してしまったが今の状況を目の当たりに
すれば当前の反応だろう。見覚えのない天井が広がり
さぞ寝心地良さげなベッドの上にいる。
「もしかして俺……誘拐されたのか?」
今思いつく中で一番可能性の高いものを考えてみたが
どうにも腑に落ちない。自宅の戸締りはしっかりして
いるし、家族も一緒に生活している。それに背丈も百七十ほど
体重も六十キロ以上ある。
そんな人間を起こす事なく運び出す事など可能なのだろうか。
手や足を拘束されている訳でもなく、体に目立った異常もない。
それに辺りを見渡すと、今自分がいる部屋は木やコンクリートではなく
殆どがレンガで造られている。
未だに自分がどんな状態なのか理解できず眉を顰める。
少しずつ焦りが恐怖に変わり始め、冷静でいる事が難しくなりはじめた。
そんなことを考えていると部屋の中に窓があることに気づく。
窓には白い布のような物が掛けられていて、外からの光を遮断
していた。だが遮断されていると言っても布の隙間から一筋の光が
漏れているのが見てとれる。
軽い錯乱状態の中、ベッドから飛び起き窓の前に立って深呼吸をした。
「このカーテンみたいなやつをめくれば外が見えそうだな」
呼吸を整え、勢いよくカーテンの様なものをめくる。
外から差し込む光に目が眩んだ。それから目が馴染むまで数秒の間が空く。
「おぉ、やっぱり外だ!」
部屋の外を確認できた喜びと共に眼前に広がる景色に鳥肌が立つ。
外にはファンタジー世界のような美しい森と草原が辺り一面に存在している。
「もしかしてここ日本じゃないのか?!」
一面に広がる景色に心を奪われ思わずそんな事を口にしてしまう。
さらに草原の奥には町のような物があり、一際目立つ大きな宮殿のような建物もあった。
ーガチャー
外の景色に黄昏ていると部屋のドアが開く音がした。