私の美しい友達
「私、大学に入る前に整形したのよ」
とても重要なことをいとも簡単に話し出した彼女に衝撃を覚えた。
「えっ、それって聞いていいことなの?あんまり話したがらない人も多いのに」
「逆になんで隠す必要があるの?みんな努力して美しくなりたいと思ってるでしょ?その一環でしてるんだから化粧をするのとそんなに変わらないじゃん」
「ま、まあそうなんだけど。。」
「綺麗になると周りの反応がものすごく変わるの。街を歩いてもたくさんの人が私を見つめてくるし、目線からあの人綺麗だな。見つめていたいなって気持ちが伝わってる。目は正直だよね。そうそう、私と誰かが一緒に何かの説明を受けてるとするじゃん?説明してくれる人は私ばっかり見てもう1人に目線を配ろうともしないの。男女ともにね」
「人からそんなに見られて嫌になったりしないの?」
「全然。今まで私は誰からも見向きされなかった。見てほしいと言う気持ちがあっても見てくれないと言うことはとても辛いことじゃない?今はお酒を奢ってもらったり、男の人もこっちからアプローチしなくてもどんどん近づいてくる。整形が損か特かといったら得しか無いよ。」
私は緩やかに否定しつつ、どこかその考えを肯定している自分がいた。テレビに出てくる俳優たちは皆美しい。誰でも一度はあんな顔になってみたいとかあんな人と付き合えたら、と考えることはあるはず。自分が美しければ、誰からもチヤホヤしてもらえるはずだし、今よりも豊かな人生を送れるのかもしれない。
でも、
「自然な顔の方が私はいいと思う。整形したっていう事実が心の中にずっと残ってそれがコンプレックスになりそう。」
「たまに顔が良いから付き合ってるって話を聞いたことない?顔の良さで付き合うとか付き合わないが決まるならみんな整形したほうがいいよ。街中が美男美女で溢れてたらそれだけで楽しいと思わない?付き合う時も、遊ぶときもその人の内面だけを気にすればいいんだもん。だって全員イケメンなんだから。
自然な顔が良いって気持ちもわかるよ。でもね、どれだけ努力してもパーツが良く無いと美しくなる限界にすぐ達してしまう。整形しなくても綺麗になれるのなら私もしなかった。でも私はそうじゃなかったからしたんだ。」
彼女の気持ちはとてもよくわかった。もしかしたら私も整形した方が良いのかもしれない。でも、それをしてしまったら私が私でなくなるような気がした。案外この顔を気に入っているのかもしれない。
そして潜在的に元の顔を作り替えることへの不信感や道徳的な配慮が邪魔をして行動を起こそうとは思えない。
彼女は行動力があり、もっと美しくなりたいと言う気持ちが強いんだ。それを否定することはできないし、しようとも思わない。
私と彼女は違うから。




