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指輪の魔法  作者: canceler
2/7

第一印象が大事っ

5月6日。

ゴールデンウィークが終わって、なんとなく憂鬱な月曜日。


いつものように早起きをして、いつものように始業チャイムの5分前に教室に入った啓介を迎えたのは、

「啓介おっはよー!ひさしぶり!ゴールデンウィークは何してた?」

「徹也うるさい!もうすぐ先生くるんだよ!あっ啓介、おはよう」

テンションの高い級友たちだった。

「ああ、おはよう徹也、未来」

と言いつつ自分の席につくと、後ろの席の徹也が身を乗り出して話しかけてきた。

「なぁなぁ知ってるか?」

「知らないよ」

とりあえずうるさいので、出鼻を挫いてみがが、

「今日このクラスに転校生が来るんだぜ」

無視された。

「・・・・・・・・・」

「どんなやつだろうな?噂では女子って話だけど、かわいい娘だったらいいよな~」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

返事をしてはいけない。してしまったらまたいつもの繰り返しじゃないか・・・

「あぁ、楽しみだなぁ。早く来ないかなぁ」

もう少しの辛抱だ。もうすぐ終わる。前を向いていればいい。

「なぁ、啓介もそう思うだろ。思わないわけないよな」

「あぁもう!うるさい!般若のばばあが来ちまうだろ!」

そう振り向いて叫んだ後、激しく後悔した。つい我慢できず反応してしま・・・

「誰が『般若のばばあ』だって?」

背中に刺さる鋭い視線。冷ややかな声。徹也の顔を見ると・・・にやけていやがる。確信犯か、こいつ。

「ゴールデンウィーク明けで気が緩んでるんじゃないか?佐上」

恐る恐る振り返ると、この2-Aの担任、半田はんだ 麻里子まりこが教室の扉のところで仁王立ちしていた。こめかみに浮かぶ青筋は自分の目の錯覚だろう。いや、そうであってほしい。そうじゃないんだろうなー。

「まぁいい。今日はやらなければならんこともあるしな」

「転校生の紹介のことだ」

後ろから徹也が囁いてきたのを聞いて、助かったぞ転校生!と、好感度を10ぐらい上げたところで、

「佐上と進藤はあとから職員室に来い」

と言われ、

「俺もですか?」

「あたりまえだ」

という徹也と半田のやり取りを聞きつつ、啓介は転校生への好感度を30下げた。


~~~~~


勝手に好感度を下げられているなど思いもせず、教室の外では転校生の一美が、先生に呼ばれるのを待っていた。

あ~どきどきするな~。転校なんて初めてだもんな~。でもびしっと決めるぞ!第一印象が大事っていうもんね!よーし、やるぞ!私!

などと1人で呟いていて、人に見られたら第一印象が間違いなく「変な子」になる状態で・・・

「じゃあ、入って来い」

扉が開いて先生に呼ばれたのを確認した後、大きく深呼吸を1つして教室へと入る・・・・・・と同時に転んだ。盛大に。

「・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・」

沈黙。ちなみに、3つの沈黙は上から一美、半田、教室内の生徒である。

「・・・大丈夫か?」

沈黙を破ったのは、半田だった。

「・・・大丈夫・・・じゃない・・・です」

よろよろと起き上がって、そういった後一美は教室を出て行った。


~~~~~


「はじめまして。島倉しまくら 一美ひとみといいます。種子島の島に倉敷の倉で島倉、一美は数字の一に美しいと書きます。以前は岡山のほうに住んでいて、父の仕事の都合でこっちに引っ越すことになりました。これからよろしくお願いします」


3分ほど教室の外で心を落ち着かせた後、

「仕切り直しです!」

と言って入ってきた後の自己紹介。

自己紹介としては100点満点なのだろうが、その前にあったことが響いているのか、気まずい空気の中に、一美の声が虚しく響いた。

ど~しよう、なんか変な空気だよ~。

と1人でパニックになっていると

「はいはい質問!」

男子の1人がてを上げていた。

一美は、この気まずい空気を変えるチャンスだわ!と意気込んで、

「はい!なんですか?」

「スリーサイズを教えてください」

固まってしまった。


「あ、あんた何聞いてるのよ!!」

隣の席の眼鏡の子が突っ込んでいる。

「進藤・・・」

担任の先生があきれている。

クラスのみんなはそれを見て笑っている。

どうやらこのクラスでは日常のことらしい。

空気も和んできたし、ちょっといい感じかも。


一美の予想通り、その後は普通の質問が少し出たほどで、無事(?)自己紹介は終わった。

cancelerです。

第2話です。話が進みませんでした。魔法の登場は5話・・・6話にはしたいと思います。

次回は昼休み。啓介と一美のファーストコンタクトです。

これからもよろしくお願いします。

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