六話 ライオンは寝ていてつまらないてす
六話 ライオンは寝ていてつまらないです
キリンとの撮影もそこそこに要達はライオンの檻の前に来た。オスライオンは横になってぐったりしていて、要はつまらないと感じてしまう。
「動かないね」
エスパーダも同じようだ。
ここで同調するのが良いのか、無理矢理にでも楽しんでもらうほうにシフトしたほうが良いのかを要は迷う。カバの時に怒られているので二の舞を演じるわけにはいかないのである。
「エスパーダの好きな食べ物って何?」
とりあえず当たり障りのないことを聞いてみた。
「なんで?」
「いや、レパートリー増やそうと思って、コロンビアの料理とかさ」
「私も母も料理できなかったから、向こうの料理と言われても困るのよね。父が中華のコックでコロンビア料理はほとんどなじみがなくて」
もしかして黒星と付き合ったのも、中華に対する親和性があつたからなのかもしれない。
「だからやっぱりウサギの唐揚げかな」
「小人の中華にはウサギの唐揚げがあるの?」
「人間のところは鳥の肉だけど、小人族にとって鳥は乗り物だから食べないの。だからウサギがポピュラーかな。養兎場もあるし。後は猪とか鹿とか山にいるやつ。最近はアライグマも食べるよ」
「ふうん」
「要は何が好き?」
「カレーかな」
「カレー? ふうんそうなんだ。人間はカレーを食べるんだ」
何やら悪だくみをしているような笑いをしたエスパーダ。
要が訝しがっているとエスパーダが要に言ってきた。
「じゃあ今度カレー作ってあげるね」
「うん」




