最終話 ウサギはおいしかったです
最終話 ウサギはおいしかったです
要はアックスからウサギの肉を受け取り、唐揚げにした。もう手慣れたものでエスパーダ達は何の文句も言わずに唐揚げを食べ、酒を飲む。
「他の小人族にも聞いてみるのはどう?」
「あいつらは敵に回る。ダメだ」
アックスは頑強に否定する。彼の中で二つの考えは敵味方を分けるものになっているようだ。
「じゃあ、サイズに聞いてみようか」
ゲームを起動してすぐにメッセージを送る。
が、待てど暮らせど返事がない。
ウサギの唐揚げを食い尽くしたからかアックスは帰ってしまい、エスパーダと二人で朝を迎える。
二日酔いでエスパーダはダルそうにしていた。
要はテレビから流れるニュース番組をBGMにスーツへと着替える。
「サイズから来ないの?」
「うん。結果出ないね」
「他の人に聞いてみようか? 妹とか」
「うーん」
エスパーダが腕組みをして悩んでいる。
あたたかく見守る要の耳にテレビからの声が入ってきた。
「一昨日の夜、動物園でウサギが持ち去られる事件が発生しました。ウサギは動物園のふれあいコーナーで、飼われているもので、監視カメラ等に犯人らしき人物は映っていないようです」
驚いてテレビを見ると飼育員がウサギについて語っている場面になっていた。背景に映っているのは二人で行った動物園だ。
要はエスパーダに聞いた。
「あのウサギ、動物園から盗んだやつじゃ……」
「うーん」




