夜ヲ砕ケ。
私が人生で初めて綴った作品です。
それゆえ拙い部分が多いとは思いますが、
ちょっとだけ不思議なこの世界をお楽しみください。
「夜ほど素晴らしいセカイってあるのかな。」
静けさよりも賑やかさを求める人間の考えはどーにも理解できない。騒々しい街なんかよりも、ゆったりと落ち着ける夜の景色の方がステキでしょ?
私は喧騒としたこの世の中がダイキライ。
皆いつも恨みツラミを隠し持ってるの。
周りの顔色窺って暮らしてさ、
バッカみたい、何をそんなに怯えてるんだろ。
1人で生きてた方が楽じゃない?
イチイチ面倒事に巻き込まれることもないし、
周りに迷惑をかけることもない。
周りに乗せられてヘンに人生ぶち壊されちゃうこともない。
自分の好きなように生きていくのってさ、素敵だよねぇ。
それにしても綺麗な夜だなぁ。
何処も彼処も闇に呑まれちゃったみたいに静か…
暗闇はココロが落ち着くから好き。
見なくていい、余計なことも隠しててくれるもん。
……でも、そろそろおしまいかぁ。
月明かりに照らされて艷めいていた瞳が翳り、
乾いた笑みが零れる。
「またね、」
ピシッ…と夜色の世界に罅が入り、
瞬く間に砕け散った。
硝子の様に崩れ落ちてゆく夜、
遠くの方からうっすらと光が姿を表す。
もう夜の姿は何処にもない。見えるのは朝の訪れだけ。
夜の欠片を残した瓦礫の道をゆらゆらと歩いて行く、
拠り所を無くした少女の影。
寝ぼけたままの街に一つ囁き、サッと影に溶けていった。
「孤独さえなけりゃ、夜だけで良いのに。」
今後もこんな作風を目指しつつ、
気軽にサクッと読める短編小説を書いていきます。