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登場人物
先日、入学生説明会を終え、高校生になった神代優馬は風に靡かれて乱れた髪を慣れた手つきで整える。
茶色に染まっているその髪は、太陽の光を受けて一際主張を強めた。
その後ろを歩く、光沢のある焦茶で短髪の少女は少し気だるそうに歩きながらも、隣の少年と話しながらついていった。
その少女と少年は神代の幼馴染で名前を中村楓、工藤健と言う。
二人とも中学生の頃はテニス部主将をしており、その整った顔立ちも相まって学校中の人気者だった。
そして、神代の前を歩くモデルのようなスタイルをした黒髪、長髪の少女は、中学校時代にマドンナと呼ばれ、ファンクラブまで出来たほどの人気ようだった。
才色兼備な彼女、竹内香織の姿に、落ちない男はゼロに等しかった。
季節は春、春特有の陽気は恋心を促進するのにちょうどいい効果をもたらす。
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