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嫌われ者の自分が、HP5000の美少女に転生した。  作者: 御狐
第三章 試練と聖戦
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ニイュの記憶 黒星の苦痛と時間の祝福。

 ある時、天からこの世の邪悪が降臨しました。

宇宙と呼ばれる天空の果てからやって来たソレは、苦痛を振り撒きながら星々を渡り歩き、生命と言う生命を貪る人智を超えた存在でした。

ソレを感覚的に言い表すのでしたら、まさに星のような規模の悪意と表現するに相応しいかも知れません。


私達はこの存在を≪黒星≫と定義しました。


黒星の降臨は、私のお師匠様が原因でした。

お師匠様はある時、迫害された報復として人類を破滅させる疫病を蔓延させたのです。


正確にはソレは呪術と定義されます。


疫病の呪いは多くの人類を苦しめ、この星に濃密な死の香りを漂わせてしまったのです。

その結果、本物の破滅が呼び寄せられてしまいました。

黒き星は世界を覆い尽くし、死者の魂を食い散らかしました。

取り込まれた魂は、黒き星と同化されました。

そうして、同化された魂は互いに混ざり合い人格が融合し新たな存在を産み落としたのです。


私達はそれらを≪黒星の眷属≫と定義しました。


≪黒星の眷属≫となったモノ達は生ける人類に悪意をぶつけ、その苦痛と恐怖を呑み込み自らを慰めたのです。

そうして≪黒星の眷属≫は指数関数的に増殖を繰り返し、この世界は文字通り破滅に向かいました。


そして、私もその黒き星に喰われました。


私は”虚像の世界”と”実体の世界”の狭間を一時的に曖昧にして、こじ開けられた隙間から死霊を顕現させる呪術をお師匠様から教わっておりました。

村の人々と他のお師匠様に使える弟子達を守るため、私はコレを多様しておりました。

それがいけなかったのでしょう、私は黒星に執着されたのです。

そして最終的に私は殺されました。

黒き星に殺された生物は、絶対に喰われてしまうように運命付けられてしまいます。

私もそれは例外ではありませんでした。

私は黒き星に取り込まれ、同化されたのですよ。


「ああぁああぁああ!!!!!痛い!!!苦しい!!!痛い!!!痛い!!!痛い!痛い!苦しい!助けて!苦しい!怖い!怖い!!助けて!!!お師匠様!!!お師匠様!!!お師匠さまぁ!!!」


既に眠りについたお師匠様に、必死に助けを求めました。

今まで信じてすらいなかった神に、始めて慈悲を懇願しました。

とにかくこの気が狂いそうになる恐怖と、他人の人格が入り込む不快感と、大切な記憶と尊厳が蹂躙される苦痛から逃れたかったのです。

けれどどれだけ祈っても、それはただただ虚しいだけでした。

絶望が私を堕落に誘い始めた頃に、私はようやく神なんて存在しない事に気が付きました。

そして私は祈るのを止めて、逃げるように思考を続けました。

自分を保つために、耐え忍ぶ事を選んだのです。

それは筆舌し難い苦痛でした。

けれど何世紀もの間ずっと一人きりで耐えて、ようやく私はあの苦痛から解放されたのです。


そして私は、明晰で高潔なる頭脳を手に入れました。


黒き星に飲まれた犠牲者の数だけ私は知恵を授けられ、長い時間をかけそれらを解き明かしていたのです。

…以上が、人類に破滅をもたらす黒き星の苦痛と時間が私に与えてくれた祝福、その両方を経験したニイュの記憶でした。

どうでしょうか、参考になりましたか?

フフっ、聖シルミアさん。



『時間だけが私の味方であり、私を守ってくれました。そして、時間は無知な私に真理を教えてくれたのです。』

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