第55話 ひとりで…【全年齢対象】
【全年齢対象】とは書かれていますが、別に【18禁版】があるわけではありません…今のところは。
なおこの話は3000字程度あります。
やっと部屋に戻って来た私は早速ベットの上にダイヴした。
ボスッと布団に沈む音とともに埃が空を舞う。
私はゴロゴロと体を動かしながら、部屋を見渡した。
自室は相変わらず殺風景だけど、今はそれがちょうど良かった。
静かで誰もいない…そして、今日までいろいろあった。
これらの条件がそろった今、私はあるコトをする。
「………。」
忘れたわけでは無いけど、私は元男子高校生だ。
高校生ってのはつまり思春期の青年で、思春期の青年が夜の自室でするコトと言えば、あれしかない。
そして実は私は少し前に、コロロからある本をもらった。
表紙しか確認していないけど、その表紙に書かれていた絵とタイトルはとても…その、アレなものだ。
私は転生してからずっと発散できていなかった。…と言うよりもタイミングが悪かった。
落ち着いて…その、落ち着いて自分を見つめ直す時間も場所もなくて、ずっと欲求不満の状態が続いていた。
唯一気がかりなのは、勝手が前世とは違う事だ。
ただ簡単なやり方は前世の授業で少し習ったから、それを参考にしてみようと思う。
…ああ、もう!とりあえず小難しい事は無し!
とにかく読もう…!
私は高鳴る心臓の音を聞きながら、内なる桃色の欲望のままに本を開いた。……。
………。
………………っぁ♡。
只今ミカがお楽しみ中の所ですが、諸事情により、この場面を急遽別の物へと差し替えておきます。
どうぞお楽しみください。
【≪鉄球投げの聖女≫メリーの一日。】
ワタイの名前はメリー。今年で10歳になる珍しい純血の犬人の聖女だよ!
まあまだワタイは誕生日を迎えていないから、実は9歳なんだけどね。えへへ。
えっとね。ワタイの一日はとってもいっぱい面白い事が合って、毎日が楽しいんだ!
まずは起床の時間!ワタイの朝は遅いんだ!起きる時間はなんと9時なんだよ。
しかも恥ずかしい秘密なんだけど、一人じゃ起きるのが大変だから、実はラハブさまに起こしてもらってるの!えへへ。
ラハブさまはワタイよりも3時間も早く起きて、ワタイの為に朝食を作ってくれるんだ。
朝食が終わったら、1時間ほどかけてみんなに挨拶をしに行くんだ!聖都は広いから、ワタイでも全部の人に挨拶と洗礼をするのに時間がかかるんだ。
ワタイはまだダメダメだから、メアリーさまみたいに俊足で駆けられないんだ。
でも、メアリーさまは練習すればワタイでも10分に短縮できるって言われたんだ。
だから、いつかメアリーさまみたいに1分で駆けられるように毎日鍛えてるよ!
あ、ちなみに洗礼って言うのは、ワタイら青色信徒が民たちの為に神の寵愛を代行する事だよ。そのやり方も人によって違うらしくて、例えばラハブさまは相手の頭をなでなでするんだけど、これがラハブさまの洗礼なんだ。
でもね、キュアミュゥさまの洗礼は相手に跪いて祈るんだ。
二人ともやり方が全然違うんだけど、やり方は何でもよくて大事なのは心を込めて相手を祝福する事なんだ。
だからね、ワタイの洗礼は相手をぎゅーってする事なんだ!
抱擁は大切な人にしかしちゃいけないって前にラハブさまから言われたけど、ワタイにとって聖都のみんなは大切な人なんだよ!
だから心を込めてぎゅーってすればみんな祝福されると思うんだ!
それにみんな洗礼を受けた後喜んでくれるから、ワタイもいい気持ちになれて嬉しい。
洗礼が終わったら、教会に行ってお祈りをするよ!
その教会は、なんとワタイ専用の教会なんだよ!
屋根には十字架が付いていて、ワタイにぴったりだよね!
でも、何でか知らないけど、ラハブさまもキュアミュゥさまも十字架をあまり良く思っていないんだ。
前に何でなのって訊いたら、二人とも教えてくれたんだ。
「いい?十字架は磔刑に使われる処刑器具なのよ?うちら生命の信仰者にとって、死や苦痛を連想させるモノは忌避されるのよ。だからね、十字架は外した方が良いわ。」
ラハブさまは前にそう言って、頭を撫でてくれたんだ。
キュアミュゥさまはワタイを見て泣いてたよ。
「嗚呼、哀れな神よ、どうかこの無垢なる少女の罪をお許しください。少女に罪を押し付ける我ら罪人をお許しください。…良いですか?≪鉄球投げの聖女≫。貴様の役目は罪深い行為を教会に代わって遂行する事です。そして十字架はそんな遂行者の罪の証として与えられるのですよ。ですので、普通は見せびらかして喜ぶべきではありません。」
キュアミュゥさまのお言葉は、ちょっと難しくてよくわからなかった。
だからワタイは適当に相槌を打ってササッと逃げたよ。えへ。
お昼の時間になったら、教会を出てラハブさまをお迎えに行くの。
そして一緒に聖都とその周りを巡回して、悪い奴が居たら断罪するの!
ワタイはダメダメだからね、拳や鉄球で殴り潰す事しか出来なくて手加減が苦手なんだ。
それに比べてラハブさまは凄いんだよ?
ラハブさまは氷魔法と氷魔術を使って悪者を死なないように懲らしめるんだよ!
冷たい氷で悪者の肉を割いて、凍える霜で悪者の血を凍らせるんだよ!かっこいいね!
大抵の悪者はこれで逃げ出したり赦しを乞うんだけど、悪者が心から反省したら、ラハブさまは回復の祈祷を使って治してくれるんだよ!
とっても強くてとっても優しいラハブさま!
巡回が終わったら、聖都の飲食店に入って食事をするの!
ワタイはお肉が大好きだから、いつもから揚げを頼むんだ!
でも、ラハブさまは野菜を食べるように言ってくるんだけど、ワタイお野菜好きじゃないんだ。えへっ。
だから、いつも残しているんだけど、そのたびにラハブさまから怒られるんだ。
でその後野菜を乗っけたスプーンを向けて、ラハブさまはワタイに食べさせてくれるの。
「ちゃんと食べなさい。ほら!あ~ん。」
ラハブさまがこうやってあ~んしてくれると、何でも食べられるの。不思議だよね?
その後は、教皇さまに報告して、メアリーさまから特訓を受けたりラハブさまにお勉強を教えてもらったりしてから、おうちに帰るよ。
体をラハブさまに洗ってもらって夕食を終えて歯をきれいにしてから、ベットに入って眠るんだ。
ワタイ、ちょっと嫌な記憶があって、夜一人で寝れないの。
暗い中で目を閉じてると、あの時を思い出して、とても怖いの。
前に一人で寝たことがあったんだけど、朝起きたらお漏らししてたんだ…。
だから、ラハブさまと一緒に寝るんだ!
ラハブさまが近くにいてくれると安心して寝れるの。
暗闇の恐怖も冷鉄の苦痛も忘れられて、ぐっすり眠れる。
それにラハブさまの体はね、とっても柔らかくて気持ちいいんだよ。
ラハブさまはお胸も柔らかくて、顔をうずくめると一気に眠くなって…ふぁあ…。
「おやすみなさい。ラハブ…さま…」
「おやすみ。メリー。良い夢を見てね。」
大好きだから、ラハブさま…ずっと一緒だよ…。
………。
………………。
やっと冷静さを取り戻した私は、ちょうど近くにあった布で軽く体を拭いた。
着替えと一緒に置いてあるところを見るに、恐らくはタオルのつもりだろう。
呆然とする思考のまま、私は身を投げるようにベットに転がった。
とても頭がボーっとして、まだ体が火照っていた。
だけど私はそのまま、すうすうと寝息を立てて一日を終えたのだった…。
9/26 文と台詞に間を空けました。
後、問題になりそうなところを修正しました。




