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嫌われ者の自分が、HP5000の美少女に転生した。  作者: 御狐
第二章 蒼白なる聖女
30/77

第26話 灰色に染まる蒼白の聖女…です?

1/23 蒼色信徒ビショップ青色信徒ビショップに変更しました。後、文字も追加しました。

(ミカがこの世界に現れる3週間程前…。)


 窓の外から太陽が私のお部屋を照らし、時間が昼であることを私に知らせました。

私は体に掛けている毛布を丁重に動かして、シワにならないように綺麗にたたんで、ベットから降りました。お化粧台の鏡で自身の姿を見て、髪の毛が寝ぐせによってグシャグシャになっていることに気が付きました。


これは酷いです。蒼色信徒ビショップたる者、身だしなみには気を使わないとです!


お化粧台の引出し口からヘアブラシを取り出して、乱れた髪の毛を丁寧に梳かしました。


この髪の毛は生命と救済の神様と同じ白銀色…粗末にしてはいけないです!


髪の乱れを直した私は寝着パジャマを脱ぎ、生命の信仰者の正装に着替えてから、祭壇のロウソクに火を灯して神様に祈りを捧げます。

「生ある者の魂の器を管理し、絶望に打ち砕かれし者に癒しと恵みを施す生命と救済の権化、ライフよ。敬虔なる信徒のお言葉をお聞きください。…今日も悪い事が起こりませんように!です!…最後までお聞きになったことを深く感謝いたします。」

清き水に浸し祝福が施された【火消し布】を使って、ロウソクの火を揉み消し、一礼をしてから立ち上がりました。


さて、今日はゲイル青色信徒ビショップからお呼ばれされた日です。待たせてはいけないのです!


鏡を見て、もう一度身だしなみを確認してから、私はお部屋の扉を開けて出ました。腰に縛り付けられている銀貨袋から家の鍵を取り出して、鍵穴に入れました。

「しっかり鍵を閉めて…と。よし!完璧です!」

戸締りを念入りに確認した私は、ゲイル青色信徒ビショップのいる大聖堂まで移動をしました。


ーーー移動中、特に変わったこともなかったので、割愛します。


 大聖堂に到着した私は、入り口で警備をしている白色信徒アコライトの皆様に、危険物を持っていないかの検査を受け、入場の許可を得ました。

「シルミア青色信徒ビショップ、ゲイル青色信徒ビショップがお待ちしております。」

警備をする白色信徒アコライトの一人が、私にそう伝えて通してくれました。

「ありがとうです。…白色信徒アコライトの皆様。警備のお仕事、頑張ってくださいです!…では!」

勤勉に警備をする白色信徒アコライトの皆様に一礼をして、私はゲイル青色信徒ビショップの所まで急ぎ足で向かいました。…あまり長くお待たせしてはいけません。

………。

………………。

静寂に包まれた礼拝場の中心に、ゲイル青色信徒ビショップは天を仰ぐように立っていました。もしかしたら、私が来るまで立っていたのかもしれません。そう考えると罪悪感がします。

私は急いでゲイル青色信徒ビショップの近くまで走りました。

「ゲイル青色信徒ビショップ!お待たせしてしまい申し訳ございませんです!」

「…ん?…ああ…これはこれは、エレフィーレ殿。やっと来たようですね。このゲイル…1時間44分程、ここでお待ちしていましたよ。」

ゲイル青色信徒ビショップは、私に失望したようで「はぁ…」と深く息を陰鬱に吐き出して、手を自身の額に当てました。

「も…申し訳ありませんです…!次は…絶対、お待たせしないようにしますです!」

私は深々と頭を下げて、ゲイル青色信徒ビショップに赦しを懇願しました。すると、ゲイル青色信徒ビショップは自身の左手をヒラヒラと振り、柔らかな表情を私に見せました!

「いえ。…大丈夫ですよ。こちらも、エレフィーレ殿をお待たせしていましたので……これでお相子ですから…ね。」

「ゲイル青色信徒ビショップ…なんてお優しいのです!私の罪をお赦しくださりありがとうです!!………ところでゲイル青色信徒ビショップ!お相子って何のことでしょうかです?」

ゲイル青色信徒ビショップのご寛大さに感謝をしながら、ゲイル青色信徒ビショップの言うお相子について尋ねました。


失礼な事だと理解しています。…ですが、どうしても気になります…!


ゲイル青色信徒ビショップは穏やかに微笑みました。けど…どうしてなのでしょうか?目が笑っていません。少し不穏な空気になったと感じた、次の瞬間です。

「ーーっ!?なぁ…こ…これは!!」

突然、私の足元が光り輝き、光の格子が私の周りを囲いました。


高位の祈祷魔術…グリムケージ?!な…何で?!…いえ、とにかく落ち着かないと…!


混乱する思考を何とか落ち着かせて、私は目の前にいるゲイル青色信徒ビショップに助けを求めました。

「ゲイル青色信徒ビショップ!助けてくださいです!!な…何者かの攻撃を受けてしまいました…!ゲイル青色信徒ビショップも、お気を付けくださいです!!」

ゲイル青色信徒ビショップは、また深くそして陰鬱に息を吐きだし、私を見つめました。

「…エレフィーレ殿。このゲイルが…貴女を助けるとお思いで?どうやら状況を理解していないようですね。」

ゲイル青色信徒ビショップは冷静な…いえ訂正しましょう。冷静すぎる声と調子で私に言いました。

「貴女には、戒律違反の罪が掛けれております。よってこれから、貴女の青色信徒ビショップの位を剥奪し灰色信徒ヒーラーに降格したのち、地下の牢に5年程閉じ込めます。そのあとの処遇は…また後で詳しく教えますね。」

「か…戒律違反?!私は何も違反していません!!これは何かの間違いです!!…ゲイル青色信徒ビショップ…!信じてください…!」

淡々とした説明を聞き、私は必死に弁明しました。青色信徒ビショップとなって3年は経ちますが、私は一度も戒律を破った事はありませんでした。


…あ。でも一度だけ…大事な会議の時、ほんの3分だけ居眠りをしたことがありました…。


ですがその代償が、灰色信徒ヒーラーに降格された後、地下の牢に入れられると言うのはさすがにおかしいです。

ゲイル青色信徒ビショップは、心底不機嫌そうな顔で私を睨みました。

「間違い…ですか?よく言いますね。上層部を騙し、青色信徒ビショップとなった事のどこが間違いではないのですか!?青色信徒ビショップになるには、血を吐くような努力と上層部への忠誠心がないといけない。貴女は努力をせず紙のようなペラペラな忠誠心で上層部を騙し、卑怯な手で蒼色信徒ビショップになったのでしょう!しかし、残念ですね…他の者は騙せたようですが、このゲイルは騙せなかったようですね!!」

「ゲ…ゲイル…青色信徒ビショップ…。まさか…本当にそう思っているのですか!?」

「ゲイルは74年も!!…灰色信徒ヒーラーとして、文字通り血を吐く努力をしてきました!ですが貴女はどうですか!?たった10年、白色信徒アコライトとして生活しただけで青色信徒ビショップになった!!…裏があるにきまってる!そう考えるのが普通です!!」

ゲイル青色信徒ビショップの吐き出すようなその言葉は、暗い嫉妬と根深い憎悪の感情に満ちていました。完全な偏見と誤解で、ゲイル青色信徒ビショップは私を罪人に仕立て上げようとしているようです。

何とか誤解を解きたいですが、今のゲイル青色信徒ビショップに何を言っても、聞き入れてくれないでしょう。


ここは、罪を受け入れるのが賢明でしょう。…ですが、これだけは伝えたいです!


「ゲイル青色信徒ビショップ…私は……シルミアは、ゲイル青色信徒ビショップの事を心から尊敬しております…。聡明なるゲイル青色信徒ビショップなら、きっと間違いに気が付くはずです…。私は…信じています…!………。」

伝えたかった事はある程度言いました。あとは、少しの痛みに耐えてゲイル青色信徒ビショップについていくだけです…。私はギュッとロザリオを握りました。


…このロザリオも、今日でお別れかもしれないです…。


青色の水晶を生命の信仰者のシンボルの形に削って作られたこのロザリオは、青色信徒ビショップの証なのですから、灰色信徒ヒーラーの証である濁った灰色のロザリオに変えられるでしょう。

「…そろそろ、グリムケージの効果が発動する頃合いでしょう。【無力の腕枷】を付けて攻撃力を下げているとはいえ…それなりの痛みは伴うでしょう。ただ、それくらいは耐えてくださいね?」

ゲイル青色信徒ビショップが私にそう伝えて5秒後、光の格子が輝き、たくさんの杭のような光が私の体を貫きました。300と、痛みが数値化されたものが一瞬だけ視界に映り、体を本当に串刺しにされたような痛みが全身を襲いました。

「ーーーっ!!!くぅ…!…はぁ…はぁ…はぁ…」

光の格子と杭が消えてグリムケージの効果がなくなったと同時に、私は崩れるように座り込みました。

「せ…生命と救済の神よ、傷ついた者の為に、この私を…癒したまえ。(ヒール)…。」

回復の祈祷魔術を使い、すり減った命を回復させました。じわじわと回復していくのを確認した私は、ゲイル青色信徒ビショップの前に両手を差し出しました。

「…何のマネですか?……まあ、良いです。ゲイルについてきてください。…ああ、もちろんのことですが、逃げようとすれば貴女を射殺しますからね。」

ゲイル青色信徒ビショップはそう言って、私の先頭を歩いていきました。私もゲイル青色信徒ビショップの後ろ姿を見ながら、歩いてついていきます。


太陽の光を見られるのも…今日で最後…ですかね…。


「ゲイル青色信徒ビショップ…本当に…どうして……?」

私はそう小さく呟いて、青色のロザリオを握りました。

さて…皆様に問題です。この話で何回、ゲイル青色信徒ビショップという言葉が出ましたか?

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