表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
114/169

ヨハンからの連絡

どうも、おはこんばんちは。あらすじ欄にリンクが貼れないことを知って、絶望した作者です。

悔しいので、名前と簡単な内容だけ書いて、ダイレクトマーケティングしたいと思います。

 男が妖しい笑みを浮かべた瞬間、俺は身構えた。

 すると、それと同時に、俺のポーチの中から連絡用魔道具の着信音が鳴った。


「そんなに警戒しなくてもいい。それと、出たらどうだ?」


 男は、音を出しているのが連絡用の魔道具であることを見抜き、通信に出るように薦めた。

 俺は、警戒を解かずにポーチから魔道具を取り出し、耳にはめ込んだ。すると、ヨハンの声が響いた。


『アルフレッド! 大変だ!』

「ヨハン? なにがあった?」

『帝国に潜伏していたリベリオンのみんなから、連絡が来たんだ! 帝国全土の地下に、大量の爆弾が仕掛けられているって!』

「な!?」

『それだけじゃない! 人形の謎の生物が、帝国中を歩き回っているらしい! 魔族でも人間でもないなにかだ!』


 俺はそこまで聞いて、男の方を向いた。すると、男は満足そうな笑みを浮かべていた。


「ヨハン、優秀な者を連れて、今すぐ帝国に向かえ。人選はお前が決めていい」

『アルフレッドはどうする!?』

「俺はしばらくは教国にいる。帝国で落ち合おう」

『わかった!』


 通信が切れ、辺りには静寂が流れた。


「…… 王国の次は帝国、その次は教国か?」

「それだけにとどまらん。周辺諸国、いや、この大陸にあるすべての国を滅ぼす。それがジンの目的だ」


 その言葉に、この場にいる者すべてが息を呑んだ。


「なぜそんなことをする?」

「さあな、そこまでは知らん。俺は、国が滅びれば楽に稼げるって理由で、あいつに協力しているだけだからな。まあ、右腕を持ってかれたのは予想外だったが」


 男が義手を触りながら楽しげに笑っていると、入り口から、聖騎士らしき人間が三人入ってきた。


「全員動くな!! 聖女ビューレがここにいるというのは本当か!?」

「え!? な、なんでしょう?」

「こっちに来てもらおう! ん? 面会は三人ではなかったのか?」

「おっと、これはマズイな。それじゃあ魔王、帝国で待ってるぜ」


 男は部屋の壁をひょいひょいと登っていき、ガラス窓を割って逃げた。


「な!? 貴様! 待て!!」


 聖騎士の内の一人がそれを追って外に駆け出していったが、もう遅いだろう。相変わらず逃げ足の速いやつだ。

 残った二人の聖騎士は、こちらにゆっくりと歩いてきて、男の逃げ足の速さにぽかんとしていたビューレの手首を掴んだ。


「痛っ!? ちょっと、なにするんですか!?」

「聖女様は、私についてきてもらう!」


 聖騎士はそのまま手首を無理やり引いて、ビューレを引っ張っていこうとした。だが、そこに怒号が響いた。


「やめんか!!!」


 ようやく頭痛から立ち直った大司教だ。


「ですが、大司教様、聖女様を見かけたらすぐにあそこに連れて行けと……」

「そんな命令は知らん! いいから離さんか! それとも、貴様が牢獄送りにされたいか!?」

「い、いえ! 失礼いたしました!」


 大司教に怒鳴られた聖騎士は、たちまち血相を変え、教会から出ていった。


「ぬぅ……」

「大司教様、大丈夫でございますか?」

「問題ない。それより、儂はこやつらと話したいことがある。少しの間、退室してはもらえないか?」

「わかりました。辛くなったらいつでもお呼びください」


 修道女は、再び頭を抱えてしまった大司教を立たせると、部屋から退出した。


「お爺様…… あ、いえ、大司教様、大丈夫ですか?」

「お爺様でよい。それよりもビューレ、すまんかった……」


 大司教は深く頭を下げると、ビューレに謝罪の言葉を口にした。


「お、お爺様!? あ、頭を上げてください! 私は大丈夫ですから!」

「いいや、謝っても謝りきれんわい。かわいい孫娘が、儂の出した命令で、レクイエムに捕まっていたなど……」


 ビューレはどうやら、大司教の命令として捉えられていたらしい。


「災難でしたね。洗脳魔法で操られるなんて」

「お主が洗脳を解いてくれたようじゃな。心から感謝する」


 再び腰を深く曲げ、次は感謝の言葉を口にする大司教。俺が思っていたよりも素直な人のようだ。


「さて、大司教殿、助けたお礼と言ってはなんですが、少しお願いがあります」

「儂とビューレを救ってくれた恩人じゃ。できる限りのことはしよう」

「では、まずは自己紹介からしましょうか。私は魔王アルフレッド。ハイタス王国から、教国との同盟を結ぶために参りました」

「魔王じゃと!? お主がか!?」

「ええ、姿は人間に近いのですが、これでも一応魔族なのです」


 俺が自己紹介をすると、大司教は俯いてしまった。やはり、魔族との協力は断られるか?


「すまぬ、少しだけ考えさせてはくれんか? まだ頭がぼんやりしておってな。考えごとがしにくいのじゃ」

「では、明日の朝、また出直してきます。それまでにお考えください」

「そうしてもらえるとありがたい」


 俺はソフィとビューレを連れて、一度ファブリのいる村まで戻ることにした。

「生と罪」第二話の方も、本日投稿したので、興味があれば是非見てみてください!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ