表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
100/169

新王国建国

 ハイタス王国を作る準備は、だいたい一ヶ月程度かかった。もともとある程度の準備は完了していたので、そこまでの苦労がなかったのが幸いだった。

 これからやるべきことは、建国を周辺の国に伝えることと、魔族との共存を国民に知らせることだけだ。

 魔族嫌いな人間たちは、王国の国民としてはいられないかもしれないが、少なくともリベリオンの団員は国民になる。魔族も合わせると、最低限、約一千四百人の国民がいるわけだ。うん、少ないな。

 まあ、これからどんどん増やせばいいだけのことだ。ここは前向きに考えていこう。

 とりあえず、帝国と教国などの周辺諸国に手紙を送った。それに加えて、リューリクによる王城での演説を行う。


「我々は帝国に滅ぼされた王国を作り変えるのだ! 新しく仲間に加わった魔王とともに! 魔族とともに! 人間と魔族の共存できる王国を作り上げるのだ! 皆も不安はあるかもしれない! だが、ともにいい国を作ろうではないか! そしてここに、ハイタス王国の建国を宣言する!!!」


 ヨハンの作った拡声器で王都中に響き渡った演説により、王都の広場や公園は歓声に包まれた。

 ちなみに、魔族も人間に混ざって演説を聞いている。既に意気投合しているようで、肩を組んで酒を飲んでいる者もいた。

 それを王城から眺めていると、リューリクに拡声器を渡された。


「ほら、魔王様もなにか言ったらどうだい?」

「演説とか苦手なんだがなぁ……」


 俺が、さっきまでリューリクの立っていた場所に立つと、王都全体が俺に注目したのがわかった。

 俺は一息つき、大きく息を吸って話し始める。


「私は、このハイタス王国の建国を、リューリクとともに進めてきた魔王、アルフレッドである。まず、私とともに、人間との共存を選んでくれた魔族諸君に感謝する。次に、我々魔族を受け入れてくれた人間に、これ以上に深い感謝を送る。これからは人間も魔族も平等に暮らすことになるだろう。大変なことは多いだろうが、どうか頑張ってほしい。私とリューリク殿も、よい国作りのために努力を惜しまないつもりだ。そして、魔族と人間の共存を望む者たちよ、私たちについてくるがいい!」


 俺が演説を終えると、再び王都は熱狂に包まれた。

 やっぱり魔王としている時は、こっちの口調の方が楽だな。公の場ではこうしよう。

 俺が王城の中に戻ると、拍手をしているリューリクが待っていた。


「さすがはアルフレッド君だ。上手いじゃないか」

「どこかで魔王をやっていたおかげかもな」

「それを言うなら、今も魔王だろう?」

「そういえばそうだったな。まったく、大役を背負ったもんだ」

「まあまあ、一緒に頑張っていこうよ?」

「もちろんだ。この国は絶対に成功させてやるさ」


 共存の道。千年前にクラリスの望んだことが、俺の夢が今現実になろうとしている。絶対に失敗したくない。

 今日は建国記念ということで、一日中お祭り騒ぎとなるだろう。盛り上げ役はリューリクに任せるとして、俺は本部でゆっくり休むことにするかな。


 ✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽


 俺が本部の自室に戻ると、そこにはソフィがいた。ついでに言うと、俺のベッドで枕に顔を埋めていた。


「アル君…… すぅ…… んっ…… はぁ……」


 もっと詳しく状況を言うと、ソフィのズボンとパンツが、ベッドの脇に脱ぎ捨てられていた。

 そして、部屋に響く湿っぽい音。たまに聞こえる色気のある声。

 俺が部屋に入ってきたことにも気がつかないほど、ソフィは集中してソレをしていた。

 俺は辛抱堪らなくなり、うつ伏せに寝ているソフィの上に飛び乗った。


「ソフィ!」

「ふぇ!? ア、アルくーーうむ!?」


 俺は、勢いよく振り向いたソフィの唇を奪い、下半身に手を伸ばした。


「ふぁ……! アル君、そこはぁ……」

「俺のベッドで、いったいなにしてたのかな?」

「こ、これは違うの! ただ、その…… んっ!」

「一人でするくらいなら、俺とした方がいいだろ?」

「あっ…… そうだけど、今日は一日いないと思ったから…… ん……」

「なら、いいよな?」

「んあっ……! はぁ…… いい……よ?」

「いただきます」


 このあと、ソフィは俺が美味しくいただきました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ