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田村健二という男

俺の名前は田島健二(たじまけんじ)

1976年に田島家の次男として生まれる。41歳にして独身。やや太り気味。学生時代、眼鏡をかけているけど勉強も運動も下の下。特に秀でた才能もないまま、新卒で別に入りたくもなかった会社にコネ入社。そのくせ社会人20年目にして役職もないただのサラリーマン。今やないないづくしの中年のおっさんだ。


え?主人公なんだから何かあるんじゃないかって?

例えば人望が厚い?

いやいや、俺を見くびってもらっちゃ困る。今までの俺の立ち位置といえば、、まず家では、できる兄と出来損ないの弟の弟の方で。学校では、イケイケグループの陰でひっそりと過ごす地味メンで。会社では、上司だけでなく部下にまで舐められる、そんな存在だ。


そう、俺には本当に何もない。41年間自分なりに必死に生きてきた結果がこれだ。同じくらい同じ環境で育ったというのに兄の方は、実家の農業を継ぎ、奥さんと子供2人を養う立派な父親。おまけに近所の人からは町のお兄さんなんて呼ばれるほど人望も厚い。学生時代だって剣道部の部長やクラスの委員長をそつなくこなし、先生や友達からも慕われていた。兄弟でもこんなに違うとは、全く神様は不公平だ。


いや、わかっているさ。神様のせいにしたところで結局自分が何もしてこなかったのが悪いんだって。できる兄と比べられるのが嫌で、都会に出てきたけれど、結局は同じだったってわけだ。俺は昔から何も変わらない。ただ1人で卑屈になって、周りを妬んでいるだけで、自分では何もしない。そんな考え方をしているのだから周りに人が集まるわけもない。ここまで自分をわかっていても、なかなか変われないのが人間ってやつだろう。これから先もたぶん俺は変わらない。


ただ、こんな俺にも好きなことはある。例えば、そう、読書だ。哲学小説や成功者のエッセイ本?そんなお堅いものは読まない。俺が好きなのは昔から、アニメやマンガの類い。唯一心から好きといえることだ。これを見ている時だけは心が安らぐ。


何?ただのキモオタじゃないかって?

うるせえ!その通りだよっ!


才能がないことが特徴の俺には、このように学生時代から沢山のアニメやマンガを見て読んできたことによって培われてきた能力が1つだけある。


そう、それはーーーー妄想力だ!!!

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