表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私が入部した部活は超絶めんどくさい部活でした。  作者: 橘葵
一年生後期  全く訳が分からない
7/9

6  概要とかそのあたり


 私たちが住んでいるのは市の中でも北の山手である事に対して、南田は南の平地にある。ようは、同じ市の中でも結構距離がある。そして、坂が急である。自転車で坂を下りると、下手したらバイク並みのスピードが出てしまう。


 先生は安全運転で来いよーと良く口を酸っぱくして言っているが、正直こんな日曜の朝、出歩いている人はほとんどいない。

 人が居なかったらスピードが出したくなるのは皆の共通事項のようで――


 先輩たちは勢いよく坂を下って行った。それに私たちも続くようにして降りていく。

 傍から見れば中学生十六人が勢いよく坂を下りている光景だ。ただただ迷惑でしかないと、自分でも感じる。


 ちなみに、私たちのほとんどは電動自転車を持っているので、帰りも立たずに坂を登りきる事ができる。

 中学生が電動自転車なんて持って贅沢な、と思う人もいると思うが、正直私たちの地域はきつめに言うと電動付きでないと女性は生きていけないと思っている。


 何せ、ちょっと買い物に行くためだけに長い坂を二本も三本も上り下りしなくてはならないほど坂が多いのだ。しかもそのほとんどが急な坂。

 きっちり舗装されていてきれいな道は整っているのだが、頑張って立たずに上るよりも降りて走ったほうが格段に速いとなると電動なしでは効率が悪いだろう。


 自転車を走らせ約四十分、無事私たちは南田中の門をくぐった。

ここの中学校は、私たちが住んでいる市の、ソフトテニス部がある学校で唯一五コートあるところだ。

だからか私たちの顧問の先生はここで良く練習試合を開いている。


 何故だか知らないけど、うちの顧問は南田の先生よりも権力が強いと傍から見ていて感じる。

いつも試合の説明をするのはうちの顧問だし、南田の先生も、うちの顧問が居なかったらここまで練習試合は開けなかったと言っている。


「でさー、のの、今日はどこの学校が来ると思う?」


「多分また京都からどっか来るんじゃない―?桂のほうから。とか、あれじゃない?また兵庫からどっか来そう」


「……あそこまじ嫌い。何で一年なのにあんなに強いのかほんとに分からんから。後、兵庫のほうの学校は強いけど、私たちにほとんど関係ないからいいや。もうどうにでもなれーーってな感じ」


 荷物を置きながら、私たちはほとんど毎回交わしているであろう会話を今回も交わす。

 正直、もうどこが来てもどうせ負けて五コート、良くて四コートに押し込められるんだから興味はない。

 私たちは南田の一年生とと楽しく試合します―。


「ラケット持って集合」


 先生の声が響く。私たちは急いでラケットを取り出し、先生の元へと走って行った。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ