無能な兄と魔術学園
魔法の発現は基本的に精霊鉱石を介すかデバイスを必要とする、しかしどちらかの条件を満たしていても、潜在的な能力が必要とされ、基本的には遺伝的要素が強い程、強い傾向があるが、詳しい理由はいまだに原因不明となっている。
そしてこの世界(第七世界)では魔法が当たり前になってきているが能力の値は電球に明かりを灯す程度しか発現できない者から時速100キロの自動車を素手で止める程度の者まで様々だ
そして第七世界にはまるでトイレットペーパーから核弾頭ミサイルまで取り揃えているような場所がある。
その場所の一つこそが、魔術学園、魔法を競い、高めあう場所だ。
しかしながら、所詮は学園だ。
いくら魔法が使える者が集まるとはいえ、全員が全員、魔法を使える訳ではない。
少人数とはいえ、一般人も存在するのだ。
そんな学園に妹と両親の都合で巻き添えを食らった兄がいた。
「あ~どうしょう舞、急激に帰りたくなってきたんだが・・・仮病使っていい?」
「お兄様、さっき言ったばかりですのにまだ懲りないようですね、電撃流しましょうか?」
「・・・いや、なんでもない」
修司は沖縄からはるばる到着した、これから通うであろう学園を見上げ、ため息がこぼれた、それは決して学園が恋しかったからとかそんなんじゃない。
心の底からのこれから起こるであろう厄介事に嫌悪していたからだ
両親は凄く偉い立場にある研究者であり自らも強力な能力を持つ魔術師、妹は類まれなる能力</ RB>(アビリティ)を持つ天才、妹は知らないが兄は孤児院から引き取られた何の才能も持たない無能力者、これから転入する学園は兄にとっては両親と妹のオマケでしかない。
しかも転校前にハイジャックされた時、兄を除いた両親と妹が数十名の魔術師を含めたテロリストを数分で制圧したのだ。
注目に少なからずとも遺伝的作用が強いとされる魔術師にとってこれは注目にならない方がおかしい。
逃げしたい、今すぐ逃げ出したい・・・こんなおっかない場所、場違いだよ、魔術のエリート達が集まるこの場所に今年度初導入で魔法に目覚める可能性がある無能力者の少年少女を集めてテスターとして、たった一クラスだけ編成される一般化科なんて・・・まぁ確かに一般人だけど・・・ホントは血とか繋がってないし、しかもただの親父の気まぐれなんだぜ?妹は何故か期待の期待の眼差しで「お兄様はきっと後天的に才能が開花するタイプなんです!いや絶対そうなります!」なんて断言するし・・・もうヤダこの国。
「・・・お兄様、お兄様?、聞いてますか?、職員室着きましたよ、警察の事情徴収で遅くなってしましましたが、クラスの皆様にも自己紹介しないといけませんし、早く中に入りましょうお兄様」
「仕方ない・・・覚悟を決めるか・・・」
修司は限りなく重い足取りで頭を掻きながらやる気なさそうに職員室に入っていった。