メイドの務め 2
「―――マスターは《重力操作》の能力を覚えました。要するにパラレルワールドですね。おめでとうございます」
「…え?、悪い、もう一回言ってくれないか?」
修司はなんとも情けない声でノアに問いかける。
「私とのキスでマスターは《重力操作》の能力を覚えました。」
「いやもっと前のセリフを聞きたいんだが…」
「はい、マスターは低級とはいえ、魔術を習得しましたので未来も変わり、この学園では一般科から魔術科へ変わってしまいました。因みにマスターは―――」
……兄妹仲良く?登校してきたおかげで修司の今日一日平和に過ごせますようにというささやかな願いも雲行きが怪しくなりつつある。
メイド姿で修司の斜め後ろの位置を寸分違わず歩きながら冷ややかな視線を送るノアに普段のお淑やかな雰囲気は微塵もなく修司の腕を絡めて、まるで悪い虫が付かないように周囲にアピールするかのように誇示する舞。
周りの目が痛い…特に男子生徒の視線。純粋な憎しみの視線と微笑ましくも温かい視線。割合で表すと9対1ぐらい。ちなみにその1割は朝からひと目も憚らずイチャイチャしてるカップルからだ。
……メイド姿の生徒なんてこの学園を登校してる中でノア以外見たことない。
どうやらメイドはフィクションの世界しか存在しないと思ってたのが間違いだったらしい。……生徒手帳の中に『メイド服又は執事服の着用は原則禁止となっているが、派手な物でないならば着用しても良い』…これには色々とツッコミたい気持ちになってくる。
それにあまり目立ちたくないんだけど、もう学園ではすっかり有名人扱いされてる気がする…。
入学式も終わり、一般科の様子が気になったが、魔術科は適正検査を受けなければならない。改変されたせいか今回の担任も芹沢教諭だ。芹沢教諭の案内で検査室まで案内される。
魔術科は5クラスあり、順番は2番目、修司は知ってる人がいるか確認する。
今回のクラスは妹の舞、自称メイドノア、改変前に舞の知り合いだった山中翼と四之宮秀光、東條有紗ぐらいか…。
修司はこれから共にするメンツを眺めながらふと疑問が浮かんだのでノアに質問する。
「お前って魔術の適正値ってどれくらいあるんだ?」
「適正値自体計ったことないのですが、そうですね…この学園の適正ランクで表すのであれば最低でもSランクは確実ですね」
軽く首を捻った後、何の感慨もなく淡々と答えるノアに修司は唖然としていた。
この学園の適正ランクSは100年に一度出ればいいと言われているくらいの才能が必要になる。
周囲からは天才と呼ばれている舞でさえもAランク相当なのだ。
「最低でもって…Sランクは学園の適正ランクの最上位だぞ…ノア」
「はい、本来ならばSより上なのですが、この学園ではSより上が存在しないですから」
もう人間やめてるだろノア。…なんで生徒なてしてるんだよ……あ、オレのメイドをする為でしたね…。
「…ノア。オレの平凡な日常を生活する為に適性検査、手抜きできないか?」
「…?マスターがそう仰るのであれば…」
ノアは再度首をかしげる。そしてご主人様の命令は絶対であるかのように「了解しました。マスターの平穏な生活を提供するのもメイドの務め、喜んでいたしましょう」と嬉しそうに微笑んだ。
近日改めてリニューアルする予定です。ストーリ自体は変わりません。設定は多少変わるかも?急な変更ですいません!より良い小説を作れるように頑張りますので是非ともご協力よろしくお願いします。




