プロミネンス
はぁ?なんでおれ?、しかも東京大空襲の元凶って…10年前の話だろ?
絶対人違いしてるぞコイツ、しかも百歩譲ってそれが事実だったとしても今いくつだよオレ!!それに小学校からの記憶も確かにあるし、現に10年前のあの日は舞と一緒に沖縄でテレビのニュースを見てて事件を知ったし、何を根拠のないこと言ってんの?てか逃げないと死ぬ死ぬ。突然のプロミネンスの襲撃に修司は一瞬唖然としたが、すぐに顔を引き攣らせて障害物を盾にしてターゲットされないようにしながら全力をもって逃げ出した。
「おい、元凶、何故お前がこんな所にいる?、ディエルカの報告を受けてからお前の波長を感じるまで半信半疑だったが、まさか本当に人間の中に紛れ込んでいるとは思いもよらなかった…答えろ元凶」
プロミネンスから発せられた先ほどの憤怒は嘘のように消えて、静かに佇んでいた。しかしプロミネンスの視線は完全に修司を捉えて離さない。いくら逃げても地の果てまで追いかけてくるような迫力があった。
「勘違いもここまでくると清清しいくらいですね。さっきは不意打ちにしてやられましたが、今度は私が鉄くずに変えてあげる番です。お兄様には手は出させませんよ、黙って私に斬られなさい」
舞はすぐさま距離を詰めて、相手より速く、相手に隙を与えないように瞬速の一撃を胴体に向けて紫電を解き放つ。紫電の刃は迸る電流で眩しいくらい輝き、掠っただけでも致死量になるだろう一撃。
「今、オレは元凶と話をしているんだ、話の邪魔をするな」
プロミネンスは致死量の最速の一撃を右手の鉤爪に全力で魔力を込めてどうにか迎撃する。双方の武器からお互いの魔力が拮抗し、輝きだして、爆散した_______
暫くの静寂、そこには右腕を丸ごと斬られ、その断面からは火花が飛び散って致命傷を受けたが、まだ戦闘続行可能なプロミネンスに、地面に肩肘を着いて、全身火傷の傷が激しい舞がお互い距離を保ちながら、警戒し合っていた。
しかし、遠距離攻撃も出来るプロミネンスは右肩に搭載された大型のレーザー砲を向け、舞に向けて撃ち放った。
「私を忘れてはいないかしら」
舞の前に幾重にも防御魔法が重なり合い、強固なシールドとなり、レーザー砲を紙一重で防ぐ。
軽い調子で柊会長は言ってプロミネンスの間合いから離れた位置に移動していて舞のサポートをする。
「ちっ」
舌打ちして苛立ちを隠した様子もなく殺気を放った。
「オレが元凶と話してるのに横からしゃしゃり出やがって、アイツの正体分かってるのか?、まぁいいや、殺戮許可も出てるし、先にお掃除してからでも問題ないだろ」
「お兄様は何もしていません。それに例えお兄様がどんな正体だとしても私は妹として、いえ、一人の人間としてお兄様をお慕いしています。非常識なあなた達には負けません!私がお兄様に代わって成敗してあげます」
「この学園に戦争をしにきたってことでいいのよね?、あなたその意味分かってるのかしら?この世界の住人全員を敵に回したも同然なんだけど…まぁ、どっちみちこんな騒動を起こしたからには生徒会長として、あなたを排除します」
「そうか…そんなに会話の邪魔をしたいらしい死にたがりみたいだな…ならお望みどおり殺してやるよ!!!」
プロミネンスは重厚な外見からは想像できない素早い動きで右肩のレーザー砲を先ほどの高威力の出力とは劣るが射撃までの間隔を短くし、舞と柊会長に撃ち出し、左腕の鉤爪の先端に熱を集め、舞に突撃した。
「この場の状況を正しく理解できない、キレて単細胞な相手ほど、楽な相手はいませんね。今のあなたでは何度切り合っても私には勝てませんよ?」
レーザー砲を紫電で受け流し、左手の鉤爪もギリギリのタイミングで左に避ける。舞は体勢が崩れたプロミネンスに背後から脚部を切断してから____
「秘剣、乱れ桜」
数えるのもおこがましい程の上段からの斬撃、下段からの追撃、左右の間接部分の切り落とし、そこからの連撃、追撃、絶え間なく舞は一心不乱に切り刻んだ。
やがて崩れ落ちたプロミネンスは地に伏せた。
「うっ…ぐっは…お前達は間違ってるといずれ気づくだろう…あの男はこの世界を壊す…はぁ、はぁ、人間じゃない存在だ…」
「そうだとしても私はお兄様を信じてます」
「…そ…うか……」
動かなくなったプロミネンスの人間を何も感じさせない瞳で眺めながら柊会長に向かって顔を向けた時だった____
動かなくなってしまったプロミネンスの中から奇妙な動きで動きまわり、それはやがて増殖し、機体の間接部分からアメーバのようなものが増殖していく、プロミネンスだったものは空気を震わせ、絶叫した。
「wjkjghfsbkじjh!!!!」
プロミネンスだったものは声にならない声を叫び、天に向かって業火の炎を吐き出した。




