我が聖地(笑)
今回は少し遅くなりました
よろしくお願いします!
夕飯を食べ終わって自室に移動した
アリサ殿には「ウン、カンガエテオクヨ」って言って誤魔化した
やっぱり六歳だから、断られないってのが嬉しかったのかニコニコしながら頷いた
その場凌ぎで言っただけだったのに・・・最悪感が半端ない!orz
母様達はニヤニヤしてるだけだったし・・・腹立つわ!
このままずっと女子を避けているわけにもいかないからな
アリサ殿と接して少しずつ慣れていこう
アリサ殿には悪い気がするけどな
去年までは母様と一緒だったけど、今は1人部屋だ!
俺だけの部屋!
誰にも入室を許可していない!
厳重に管理している!
唯一許可してるのは母様だけだ
ラマさんも許可していないくらいだ・・・俺の聖地だ!!
俺の部屋は入って右側にギミック本棚と隠し部屋がある・・・両親だけは知っているけどな
逆の左側には勉強机と自分で作成中の種族・魔物・武具の図鑑だ
市販の物は本棚に入っている
そして正面にベッドだ
空いている壁には、俺が描いた絵が飾ってある
「誰も居ない空間・・・なんて最高だ!」
小躍りしながらベッドまで移動する
今日は精神をガリガリ削られたからな
最後なんて完全に調子が狂ってたorz
何で自分から女子に触ったんだろう?
「何処だったかな?」
ベッドの下に手を入れてゴソゴソする
確かココに置いといた筈なんだけどな?
なるべく誰にも見つから無いように奥の方に置いたんだっけ?
先に言っておくが、エッチな本じゃないぞ?
女性恐怖症の俺がエッチな本を持てるはずが無い!!
俺にとってはエロ本はホラー本だから!!
そう言えば、昔父上に俺がホモにならないか心配だって言われた事があるな
「あった!」
古い紙を紐で閉じただけの簡単なノートを取り出した
そのノートを持って机に座ってノートを開く
このノートは俺がコッチの世界に来た時に舞い上がって造ってしまった『僕の考えた最強の○○設定』だったりする
始めは『最強のオレ!』を考えたんだけど・・・無理!!
アトレナ母上と母様、父上などがチート過ぎでした!
普通に人間よりも上位種である竜を1人で狩ってたからな・・・兄上と一緒に遠い目をして現実逃避してしまったし
しかも無属性の翼竜じゃなくて、属性持ちの火の竜である火竜だったな
ドラゴン族は下位種に無属性の翼竜が位置する、中位に属性持ちだ
中位にから竜と龍に別れる・・・まぁ、今はその話じゃないな
父上は豪快に笑いながらアッパーで竜の顎を砕くし、アトレナ母上は魔法でハチの巣、母様は「おすわり~」で手懐けてたしorz
だから、『最強を使役しているオレ!』を考えた(笑)
一番最初に考えたパーティは・・・
前衛は3人で、中距離を2人、回復後衛が1人、後衛援護で俺の6人パーティだ
前衛が竜帝・鬼神・海王・・・コレは陸・空・海で固めてみた
全員が最上位種の一角達だ・・・神竜・神獣クラスでは無い
中距離はサキュバスクイーンや堕天使・・・この辺は俺の趣味(笑)
回復後衛は智天使だ・・・神の加護を受け易く、回復などに一番向いている
だったな
普通に考えたら、何考えてんの?
こんなパーティ無理だから(笑)
普通1人に一匹だから!才能があって三匹だからwwww
って言われる
まぁ、妄想だから!
完全に出来ないからこそ考えてしまっただけだから!
「もっと現実的に考えてパーティを組まなきゃな。俺は母様と同じテイマークラスになるって決めてるんだし♪」
コンコン
ニタニタしながらノートに人生設計?を書き込んでたらノック音がした
はて?誰だろう?
この部屋に入れたりしないから、あんまり人が子なんだよね
疑問に思いながらもドアを開ける
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・おにーちゃん?」
「何故に此処に居る?」
ドアを開けたら目の前にアリサ殿が立っていた・・・枕を抱きかかえながら
俺が尋ねたらアリサ殿は不思議そうに首を傾げた
可愛いけど答えになってないからな?
どうもアリサ殿には極端に女性恐怖症が反応しないんだよな・・・人間じゃないからか?
「もう一度聞こう・・・どうしたの?」
今度は優しく語りかけた
そしたらアリサ殿はモジモジして、上目使いでチラチラと俺の顔を見てきた
はて?・・・・・・顔色を窺っている?
「お姉ちゃん達と一緒にメイドさんに案内させた部屋で休んでいたら、フローラお義母さんが来て此処に行けって言われたの」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・は?
母様は何を考えてるんだorz
「母様はどんな風に言ったのかな?」
「えっと、『アリサちゃんのベッドが無いの~。だからレイン君の所で寝てね?ごめんね~?てへぺろ?』って言ってたよ?」
・・・・・・絶対にわざとだorz
しかも『てへぺろ?』ってなんだよ!
何故に疑問形!!
「部屋にはベッドはいくつあったのかな?」
「ふ、二つ」
始めっから俺の部屋に来させる気だったのか!
ラーメルス姉妹はベッドの数に疑問を持たなかったのか!?
今アリサ殿が持っている枕は何処の枕だ!?
ウチは公爵家なんだから、部屋が余るって事はあるけど足りないって事は無いだろ!!
・・・・・・などなど言いたい事は多々ある
しかし、アリサ殿を追い出すわけにもいかないからな・・・はぁ
空いてる部屋に案内するってのもあるけど・・・・・・後味が悪いからなぁ
「・・・ダメかな?」
「大丈夫だよ。少し汚いから気を付けてね」
身体を半身にしてアリサ殿を部屋に招き入れた
アリサ殿は素早く中に入った・・・急がなくても良いのに
「椅子なんて無いから、ベッドにでも腰掛けてくれ」
さっきも言った通り俺の部屋は本棚、勉強机、ベッドなどの最低限しかないからな
アリサ殿はキョロキョロと部屋を見渡しながら遠慮がちにベッドに座った
汚くないよな?・・・・・・もしかして変な臭いでもしてる!?
色んな意味でドキドキしながら勉強机の椅子に座った
「まだ寝るには早いからね・・・って、キョロキョロしてどうしたの?」
身体をアリサ殿の方に向けて、書いていたノートを閉じた
こんな恥ずかしいノートを他人に見せる事なんて出来ないよ!!
「男の子の部屋って初めて見たから・・・想像してたのと違うと思って」
・・・・・・いったいどんな部屋を想像してたんだろう?
どう違ったのか、すんごい気になる!・・・良かったのか、悪かったのか
女の子みたいに、ぬいぐるみやカラフルな部屋模様じゃないからな
「本棚にあるのって図鑑ばっかだね」
本棚には種族別魔物図鑑、武器図鑑、防具図鑑、神器図鑑、宝具図鑑などなどだ
図鑑だけで30冊程ある・・・本当に良く集めたな
全部初心者冒険者用の図鑑だけどね
「まぁね。将来はテイマーになりたいって思ってるから、今から色々調べてるんだ」
「テイマー?自分では闘わないの?男の子には騎士・戦士・闘士が人気だって聞いてたけど?」
不思議そうに問い掛けてきるアリサ殿
首を傾げてるのが愛嬌があって良いな・・・本当に俺って女性恐怖症?
「俺はあんまり運動神経が良くないからね。それに闘うのなら後衛で魔法を使うから・・・アリサ殿は何か考えてるの?」
「私は弓士かな。お母さんの弓を構える姿に憧れて!」
アリサ殿は両手で顔を挟んで身をよじった・・・キャーとか聞こえそう
なんか話し辛かったので放置!
30秒ほどで正気に戻ってから、不機嫌な顔で睨まれた
ヤバい・・・・・・恐怖心が!!
「な、何かな?」
「殿はいらない!」
グイッと顔を近付けながら言ってきた
顔近いから!離れて!
「私の名前はアリサ!アリサ殿じゃない!」
今さら!
今さら言うの!・・・・・・・そう言えば、口に出したのは初めてだっけ?
「わかったよ。アリサ・・・これで良いだろ?」
「うん♪」
本当に嬉しそうに笑顔になった・・・乙女ココロは良く解らん!
「おにーちゃんは、どんな動物をパートナーにするの?」
目をキラキラさせながら言ってきた
テイマーは始めは簡単な犬や猫をパートナーにする
その後に狼などに上がっていく
「それは、まだ決めてないよ。一番最初のパートナーだからね。慎重になるよ・・・稀に動物じゃなくて魔獣をパートナーしたって事例もあるしね」
「ほぇ、そうなんだ・・・・・・ふぁ」
もう寝むそうだ
時間にして8時ちょっと過ぎだな
子供はもう寝る時間だ
アリサは子供だな・・・・すいません!俺も眠いです!
「眠いね。もう寝ようか?」
「うん」
アリサは眠たそうに目を擦りながら、またキョロキョロしだした・・・はて?今度はなんだ?
椅子に座ってボーっとアリサを眺める
「私は何処で寝ればいいの?」
・・・俺の部屋には俺のベッドしかない
ベッドが無いから俺の部屋に来たのに、ベッドが無い・・・・・・本末転倒じゃね?
最後にアリサが座っている俺のベッドに視線を移した
アリサの顔がだんだん紅くなっていく・・・羞恥心で
俺の顔はだんだん青くなっていく・・・恐怖心で
「一緒に寝るの?」
ヤバい!
目の前が滲んで、ぼやけてきた
・・・・・・・・・・・・・・俺、此処から逃げ出したくなってきたorz
翌日、朝食の時間
親全員がニヤニヤしていた
父上は少しコケてた・・・搾り取られた?
本当に腹立つな!
「レインちゃんの方は成功だったみたいね♪」
「カイン達の方はどうだった?」
どうやら兄上の方にもエレナ義姉上が行ったのか
「昨日はカイン様と一緒に夜景を見ましたわ」
エレナ義姉上は右手を頬に当てながら、うっとりした表情で言った
兄上とエレナ義姉上は、普通の恋人みたいだ
初めがどんな出会いであれ、今が良好なら問題無いよな
俺とアリサもそんな関係になれるのだろうか・・・
次話は数年後の予定です
誤字脱字・感想その他よろしくお願いします!!
鏡花水月様、誤字報告ありがとうございました
イレギュリオン様、感想ありがとうございました