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第4章:日常に潜む「違和感」の正体
瞳との再出発を果たした拓だったが、平穏な日常の裏側で、かつての自分を切り捨てられずにいた。
時折、夜中に目が覚めては、消そうとして消せなかった裏アカを眺める。
そんな彼の変化を、純は逃さなかった。
純はイラストレーターの沙織と出会い、「見る」ことから「書く」ことへと一歩踏み出す。二人が作る同人誌のテーマは『観察』。
かつて非常階段の踊り場で拓と瞳が交わした密やかな空気、その残像を、純は「素材」として物語に昇華させていく。
「形にしないと、彼らが消えてしまいそうで怖い」
そんな純の純粋な衝動は、匿名小説『彼女の計画』としてネット上で爆発的な反響を呼ぶ。
しかし、そのリアリティは毒となり、拓と瞳の職場にじわじわと回り始めた。




