『輪郭のない声』
掲載日:2026/01/04
とりあえず読んでみてください。
声にならない声が、
誰かの名を呼んでいた。
鏡の中の私は
まばたきもせず
こちらを見返さない。
その像は、
不在を映すために──
そこにある。
名を呼ばれた私は
振り返ることができず、
名を呼んだ私は
どこにもいなかった。
面影は
薄れ、
気配となった。
そして私は
ほどけた声のなかに
まだ何かを探していた。
私でない私──
それもまた、
誰にもなれなかった
私かもしれない。
それが
失われたままの
私だったとしても──
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読んでくださった方々、ありがとうございました。




