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「っ!?
深、いっ!
ああ……そ、それ……や、ああ……奥、まで……キて……」
「奥をもっといじめてほしいのかね?」
「っあ!
あぁあ!
そ、そこ……は……」
「なるほど」
私の反応を確かめながら、彼は確実に新たな弱点を探り当てて、そこばかりを情け容赦なく執拗に責め立ててくる。
私はウェディングドレスが皺になってしまうのを気にする余裕すらなくなり、激しく身を左右に振りながら何度も何度も強烈なエクスタシーに翻弄されてしまう。
それでもなおも彼は果敢に腰を振り続ける。
「はぁはぁ……んぁ……あぁ……も、も……う……これ、以上は……」
あまりも激しく喘ぎ続け、息も絶え絶えになりながら掠れた声を振り絞った。
すると、彼はいったん動きを止めて、獣のような息を一つつくと、汗に濡れた前髪を無造作に搔きあげながら言った。
「ああ、そろそろいいだろう。
赦してあげよう」
クッションを下に敷いた私の腰を掴んでさらに浮かせると、真上から肉槍を渾身の力を込めてがむしゃらに穿ち始める。
肉棒が出入りを繰り返すたび、くぐもった恥ずかしい音がつながり合った箇所から洩れ出てきて、恥ずかしくてならない。
膣内がうねっては猛然と責め立ててくる彼の化身へと甘えるように絡みついて、時折絶頂と共に引き攣れるたびに蜜潮が吹き出てしまう。
やがて、ピストンがさらに加速していき、恐ろしいほどの絶頂の高波が一瞬私の意識を押し流した。
「きゃっ!?
あぁああぁあっ!」
「ナゴミ、愛している」
彼は上半身を前に倒して私に重なってくると、淫らな嬌声をあげながら咽ぶ私に口づけて最奥で射精した。
「ン……ぅ……ンンン……ン……」
腔内に熱い精液が染みわたっていくのを感じながら、私はあまりにも深すぎる絶頂の余韻に浸りきつていた。
「これでようやく君を私だけのものにできたような気がする」
「……陛下」
不意に満ち足りたため息交じりの彼の呟きに胸が熱く締め付けられる。
もう何度同じやりとりを繰り返してきただろう。
「もうとっくに私はそのつもりだと何度もお伝えしてきているのに」
「ああ、私の他は誰も君がこんなに淫らな花嫁とは知らないだろうからな」
「……もう、そんな意地悪言わないでください」
少し得意そうな表情をしてみせる彼の頬を包み込むように撫でながら、その目をまっすぐ見つめる。
寝室がしんと静まり返り、外からは鳥のさえずりしか聞こえてこない。
心地よい静寂に身を委ねながら、私も改めて名実共に彼の妻になった実感をしみじみと噛みしめていた。
今までと同じようでやはり違う気がする。
漠然としたものではあるけれど、目には見えない絆で深く結ばれたようなそんな感じがしてくすぐったい。
初夜ならぬ初朝になってしまったけれど、きっと結婚記念日を迎えるたびに二人一緒に思い返しては笑い合えるよい思い出になったような気がする。
楽しいことも苦しいことも……笑いも思い出も何もかも、彼と一緒に分かち合っていけたらいいなと改めて思う。
結婚の誓いの意味がようやく今になって腑に落ちたような気がする。
「しかし、君はどうも後先考えずに頑張りすぎてしまう傾向にあるようだな……ペース配分というものを考えず、肝心なときには余力が残っておらず力及ばない。
違うかね?」
「……うぅ、確かに……そのとおりです」
彼の鋭い指摘に私はうなだれる。
確かにここぞというときにやらかしてしまう癖は今に始まったことではない。
「前々から気にはなっていたのだが、自分でどうにかできるものでもなさそうだ」
「ぜ、善処します」
「いや、対策はすでに打ってある。
安心したまえ」
「対策ですか?」
私が首を傾げると、彼は含み笑いをして言葉を続けた。
「ああ、優秀な人材をスカウトしておいたのだよ。
楽しみにしていてくれたまえ」
「え?
スカウト?」
「君が今後無理をしないようにお目付け役がいると思ったものでね」
「……は、はあ」
なるほどその手があったか、と思わず他人事のように感心してしまう。
自分でどうにもできないことならば、他に任せればいい。
その考えは頑なに自分のことだから自分でなんとかしないと、と思い込んでいた私にとって目から鱗の発想だった。
今更な気がしなくもないけれどそれを考えるとむなしくなるのでやめておこう。
しかし、お目付け役っていうのは陛下にとってのハロルドさんみたいな人?
いわゆる世話役兼秘書みたいな?
なんだか分不相応な気がしなくもないけれど、そこまで彼が私のことを考えてくれていたということがうれしくて素直に感謝する。
「いろいろありがとうございます。
そして改めてよろしくお願いします」
「ああ、こちらこそ」
互いに笑い合うと再び唇を重ね合わせていく。
二人きりの誓いのキスに心震わせながら。




