39
「ン……」
何かがおかしい。
心地よいまどろみに浸りきっている私を得体のしれない違和感が現実へと引き戻していく。
奥深くにじりじりと何か熱いものが迫ってきている。
「っ!?
へ、陛下?」
「ようやく起きたかね?」
彼が私を見下ろしながら、ゆっくりと身体を動かしていた。
その動きに合わせて、身体の奥に太くて硬いものが穿たれていく感覚にハッとする。
ま、まさか、こ、これって。
寝ている私を!?
ようやく自分の置かれたとんでもない状況に気づいた瞬間、全身の血が沸騰し、淫らな興奮に胸が妖しく締め付けられた。
「うっ……っく、あ、あぁ、へ、陛下……な、何を……して……」
「君が欲しいと言ったのだろう?」
戸惑う私に構わず、彼はウェディングドレスを脱がしもせずにストッキングに包まれた私の足を抱え込んで腰を大きくグラインドさせた。
太い肉槍に腹を搔き回され、たまらず引き攣れた声をあげてしまう。
「ひっ!?
そ、そ……んな……こと……言ってな……あ……ン……っく」
まだ寝ぼけていて頭が回らず記憶が定かではないけれど、こんなに淫らな起こし方をしてほしいなんて頼むはずがない。
これじゃまるで寝込みを襲われ犯されているみたい。
そう気づくや否や、下腹部が不意に痙攣して彼の半身を絞り上げてしまう。
「私の『おしおき』はどうやらお気に召したようで何よりだ」
「っ!?
ち、違……いま……す」
そこでようやく彼の言わんとすることが理解できた。
初夜だというのにうっかり寝入ってしまって彼に申し訳なく思う私に、彼は「朝になったらおしおきをするから寝なさい」ということを言ってくれた。
これがまさにその「おしおき」に違いないと。
「恥ずかしがることはない。
君の本心は全部伝わってきている」
そう言うと、彼の半身が私の腔内で力強くしなって存在を主張してきた。
「ああぁっ」
たまらず熱い吐息混じりに浅めにであるけれど達してしまう。
気のせいだろうか?
いつも以上に太く硬く感じる。
「愛する花嫁を凌辱するのは男の夢でもあるのだよ」
歌うような抑揚をつけて私にそう告げると、彼は私の腰を少し浮かせて、その下へと枕を挟み込んだ。
そして、真上から自重をかけて本格的な抽送を始める。
「ひっ!?
ああっ!
あぁあああっ!
やぁああっ!」
あまりにも太く淫らな震動が子宮口へと間断なく埋め込まれていき、全身に震えがはしりぬけていく。
「おしおき」だからだろう。
いつも以上に彼のピストンは激しく荒々しく私を乱していく。
「んっ!
あぁっ……陛下っ……あぁああ、赦してっ……ああ、お願い、です……」
「すぐに赦してしまったのではおしおきにならないだろう?」
彼は凄みを帯びた表情で私をたしなめながらも、よりいっそう深く角度をつけて最奥を力任せに抉ってくる。
「んぁっ!
やぁあっ!
あああっ、イって……しま……んんんんっ!」
怖いほどの愉悦の塊が数えきれないほど爆ぜては、私の脳へと突き刺さっていく。
まさか寝起きにこれほどまで激しく抱かれるなんて思いもよらず、私は彼にされるがまま淫らにくるわされていく他ない。
彼がいつも以上に興奮して嗜虐性を露わにしているのは明らかで、それがよりいっそう私の心身を妖しく掻き乱す。
いつものように紳士的に抱かれるのも好きだけれど、たまにはこんなおしおきも刺激的でいいかもしれない。
愛する人にこれほどまでに渇望されているのだという実感は女冥利に尽きる。
けして嫌だとは思わない。
むしろもっと激しくもっと淫らに奪ってほしい。
そんな恐ろしいほどの衝動まで身体の奥からこみあげてきて驚きを隠せない。
「あああっ……陛下……もっと……くだ……さい。
おしおきっ」
気が付けば、無意識のうちにそう叫んでいた。
咄嗟に純白のグローブをはめたままの手で口を塞ぐも時すでに遅し。
彼は剣吞な微笑みを浮かべて「おしおきを欲しがるなんて、悪い子だ」と私の耳元に低い声で囁くと、片足を肩に担ぐようにして肉槍を穿ち始める。




