第一章:兄と妹、そして転生
兄と妹、二人だけの世界。
壊れかけた日常の中で、確かにあった“約束”。
これは、すべての始まりであり、終わりへと続く物語の第一歩です。
その日、世界は何の前触れもなく終わった。
激しいブレーキ音と金属音――都市の喧騒の中、兄妹の命は唐突に奪われた。
兄・優斗と妹・ミナ。二人はまだ高校生だった。
家族を亡くして以来、互いだけを支えに、細く脆い日々を生きていた。
「ミナ、大丈夫か……っ」
「お兄……ちゃん……」
視界は赤に染まり、世界の輪郭が崩れていく。冷たいアスファルトの上、互いの手を探し合い、かすかに触れ合ったその瞬間――
闇が、すべてを飲み込んだ。
――そして、目を覚ました時、二人は知らぬ大地にいた。
広がる森。澄んだ空気。聞いたことのない鳥の鳴き声。
空には二つの月が浮かび、常識がひしゃげた感覚に眩暈すら覚える。
「……ここは……どこ?」
「ミナ、待って。俺が……確認する」
周囲を調べた優斗は、すぐに異常に気づいた。
――言葉が通じない。服も変わっている。地図も、時計も、スマホもすべて機能しない。
だが、それでも二人は生きていた。
異世界――そんな荒唐無稽な言葉が、現実のものとして押し寄せる。
その夜、寒さと空腹を抱えて、二人は焚き火を囲んだ。
「お兄ちゃん、もしかして……死んじゃったのかな、私たち」
「……ああ。でも、今はまだ、生きてる」
「ここで、また……一緒に生きていけるのかな」
「……絶対に守るよ。今度こそ」 ? 『 ?』
そう言った優斗の手は、小さく震えていた。
この世界にルールなどない。誰が敵で、何が味方なのかもわからない。
けれど――妹だけは、守らなければならなかった。
兄は知らなかった。
この日から数えて、ほんの数ヶ月後に、自分が再び“死ぬ”運命にあることを。
読んでくださってありがとうございます!
まだ始まったばかりの兄妹の物語ですが、
この先、どんどん運命が動いていきます。
次回もぜひ読みに来てくださいね!