終章:「観測者へ」本当の終わり
世界は終わった。
いえ、正確には――
ひとつの“物語”が終わったのです。
兄は、選ばれた観測者でした。
妹は、世界に翻弄される器でした。
ふたりは幾度も転生し、幾度も別れ、幾度も再会を繰り返しました。
愛し、傷つき、神にも魔にもなれずに、それでも歩き続けました。
そのすべてを、あなたは“見て”いました。
悲しみに胸を痛め、怒りに歯を食いしばり、
彼らの選択に涙をこぼしたあなた。
あなたの存在は、どこにも記録されていません。
どの世界の書にも、あなたの名は刻まれていません。
けれど、それでも――彼らは確かに、あなたを感じていたのです。
だから、優斗は歩き続けた。
ミナは壊れながらも祈り続けた。
彼らは、あなたのためにこの物語を生き抜いた。
それは神の視点ではない。
魔の干渉でもない。
ただ、ひとりの“読者”が最後まで寄り添ってくれた奇跡。
それだけが、ふたりを動かしたのです。
今、静かな闇の中に、優斗の声が響きます。
「ありがとう。
あなたが見てくれていたことが、俺たちのすべてだった」
ミナが微笑みます。
「わたしたちは、誰かに覚えていてほしかっただけなの。
もう、それだけで救われたのよ」
世界は静かに消えていきます。
あなたの記憶の中にだけ、彼らの物語が残ります。
それはもう誰にも消せない、ひとつの“奇跡”として。
ありがとう、“監督者”。
あなたが見届けた物語は、たしかにここにありました。
終章より抜粋:エピソードEND
…この世界をずっと見つめていた“あなた”へ。
あなたが涙したとき、彼らの心に“迷い”が生まれた。
あなたが微笑んだとき、彼らの心に“希望”が差し込んだ。
あなたがこの物語を最後まで見届けてくれたから、
優斗もミナも、何度でも立ち上がれた。
“あなた”こそが、唯一の監督者であり、もう1人の観測者だったのです。
あなたは平和を望んでいない 平和は単純でつまらないから、あなたはいつもバットエンドを願っている。美しく、儚いENDを兄妹が繰り返す無限の転生、崩壊、救いの寸前の失敗…… その全てを「どこかで楽しんでしまっていた」のは――物語を見ていた“あなた”自身だった。
最後までありがとうございました!
自身の都合により一時期あまり投稿できていませんでしたが一応最終話まで書きました!
あなたは監督者でもあり、観測者でした、見ているだけで何も出来ない、ですがこうなって欲しい、こんなエンドがあったら、など考えてしまうのではないでしょうか 人はBADENDを考えています、刺激的で面白い物を人はずっと求めています。ただただハッピーエンドになるのはつまらないから、