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私の記憶  作者: かりんとう
第3章 みんなと一緒
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第25話 覚醒

鬼男と決着をつける為に姿が変貌したクロス。強化されたクロスに鬼男は勝てるのか。



天鬼族の里を突如、襲撃したクロス達。里はクロス達によって焼け野原と化してしまった。この状況にインパクトは今何を思うのか。


クロス「んっ。身体が強化されたのか。力がみなぎる…」


マック「次俺行くか?」


クロス「いや、俺にちょっとやらせてくれ。」


鬼男〈まずいことになったな…あんな筋肉りゅうりゅうに勝てる自信がないな…しかも、クロスの殺気がさっきより数倍上がっている。どうするか…〉


クロス「どうした。何を考えている。」


鬼男「貴様を倒すプランを考えてた。」


クロス「悪いが、お前の勝ちはない。なぜなら、俺にやられるからだ。」



そこにリリーとインパクトが到着する。


インパクト「クロス!これ以上の争いはやめろ。」


クロス「インパクト…まずは貴様から消してやる。」


クロスはまばたきする暇もないぐらいの勢いでインパクトの目の前に移動してきた。


「シュッ!」


インパクト「うっ!クロス…お前…本当にクロスなのか…」


クロス「何をびっくりしている。長ともなれば、姿が変貌したぐらいでは驚かないだろ?」


インパクト〈違う…こいつの殺気は…尋常じゃない…油断をすれば私も…〉


そこに鬼男がすかさずやってくる。


「シュッ!」


鬼男「インパクト様に近づくな。」


クロス「邪魔だ。どけ。」


クロスは重たい拳で鬼男の頬をおもいっきり殴り、そのまま鬼男は飛ばされ失神してしまう。


「ボゴッ!」


鬼男「あがっ!」


間髪入れず、クロスはインパクトの首を掴み、そのまま上に持ち上げた。


「グッ!」


インパクト「かっ!かはっ!」


クロス「インパクト…お前は長く生きすぎた。貴様の時代は今日で終わりだ。永遠に眠れ。」


天子とファムも遅れて合流する。


天子「はぁ…はぁ…あっ!インパクト様!」


インパクト「駄目…だ…来る…な…!」


その瞬間、クロスが打つパンチがインパクトの腹目掛けて打ち、パンチの波紋がインパクトの心臓を貫き背中に抜ける。


「バゴッ!ブシュー!」


「ドサッ…」


インパクトはそのまま膝から崩れ落ち倒れる。


天子「あっ…」


リリー「はっ…そんな…」


ファム「……」


クロス「見事な散り方だったな。」


天子「はっ…はっ…はっ…はっ…!よくも…よくもー!インパクト様をー!」


リリー「天子さん!」


クロス「耳障りだ…」


「グサッ!」


クロスは天子の腹に刀を刺し、天子はそのまま倒れ込む。


天子「あっ…」


クロス「すまんな。天子…お前は天鬼族の中で一番美しい。なら、美しい死に方をしろ。」


クロスは天子に刺した刀を抜き、さらに斬りつけ、天子の身体はバラバラになってしまう。


「シュキン!ブシュブシュブシュブシュ!」


クロス「見事に散ったな…俺に歯向かうからだ。」


クロスによって、インパクト·天子がやられてしまった。


リリー「インパクトさん…天子さん…鬼男さん…うぅ…ぐすっ…どうして…」


クロス「最後は貴様だ。人間。その身を持って俺にやられろ。」


リリー「はっ!」


そこにファムのシールドでなんとか助かる。


「ビシッ!」


ファム「リリー!インパクト様と鬼男を連れて一旦退避じゃ!」


クロス「この老いぼれ。しぶとく生きやがって。」


ファム「貴様との勝負は一旦お預けじゃよ。」


クロス「老いぼれじゃあ相手にならんだろ。」


ファムは煙幕を撒き、一旦クロスから逃れる。


「ボワッ!」


クロス「くっ…こしゃくな真似を…まあ、出てくるのを待つとしよう。」


その頃ファム達は。


「シュッ!」


ファム「追ってきてはいないようじゃな。大丈夫か?リリー。」


リリー「大丈夫じゃないです…目の前で天子さんが…あんなの見せられて!大丈夫なわけないじゃないですか!ファムさんは平気なんですか…」


ファム「リリー。長生きしてれば、ああいう場面には何度も直面する。わしも止めていれば、天子は死なずに済んだかもしれん。」


天子の死を受け入れられないリリー。早すぎる死に戸惑いも隠せなかった。


鬼男「これは…誰のせいでもない…クロスが悪いんだ。」


リリー「鬼男さん!」


ファム「鬼男!もう大丈夫なのか?」


失神していた鬼男が目を覚まし、安堵の表情を見せた。


鬼男「ええ。なんとか。それより、クロス達を倒す方法を見つけましょう。」


ファム「それなら一旦わしの家で作戦会議じゃ。お茶を呑みながらな。」


リリー達は一旦、ファムの家で作戦会議を練ることにしたが、ここでリリーが物申す。


リリー「みなさんは、どうしてそんなに冷静で居られるんですか?天子さんが…死んじゃったんですよ?もっと、悲しみに暮れても…」


鬼男「リリー。これは生きるか死ぬかの戦いなんだ。ゲームじゃない。誰も待ってはくれないんだ。残念ながら…」


リリー「そんなのわかってます!!私が言いたいのは、天子さんが死んでもなんとも思わないのか聞いてるんです!」


鬼男「なんとも思わないわけないだろ!」


リリー「あっ…」


鬼男「なんとも思わないわけ…ないだろ…天子は、負けるとわかっていて立ち向かったんだ。勝てる相手ではないとわかって立ち向かっていったんだ。ならば、あいつの死を俺達は無駄にしちゃいけなんだ。」


何かを得る為に何かを失う。失わずして得ることはできない。人生は本当に理不尽だ。だが、俺達がやることはクロス達を倒し、里を救い、人間界も救う。鬼男はそう心に誓ったのだった。一方、ビス達は…


クーダ「2人まとめて殺して差し上げます。」


ビス「へっ…できるもんならやってみろ。マリア、俺から離れるなよ。」


マリア「えっ、はい…」


クーダ「もしかして…ビスあなたは…マリアのことが、好きなんですか?」


ビス「なっ!」


マリア「えっ!そう…なんです…か?」


ビス「ちょ、まっ、クーダてめぇ!いきなり恥ずかしいこと言ってんじゃねぇーよ!」


クーダ「図星でしたか…これは失礼。では、殺させていただきます。」


クーダは一瞬にしてビスの目の前に移動する。


「シュッ!」


クーダ「前から思っていたのですが、あなたは確かに強いですが、ただ強いだけで冷静さがないのです。」


ビス「何が言いたい。」


クーダ「結論から言いますと、あなたは私に負けます。」


そう言うとクーダは目にも止まらぬ速さでビスの腹にパンチする。


「バゴッ!」


ビス「うっ!かはっ!」


クーダ「これで終わりです。死ね!」


クーダが渾身の一撃をビスに食そうとした瞬間。


マリア「ビスさん…負けないでー!ビスさん!」


マリアの声援がビスのモチベーションを上げた。クーダの攻撃を避けて、ビスは戦闘態勢に入る。


ビス「サンキュー、マリア!さて、やられてもらうぞ…クーダ。」


ビスは自身の足元に錬成陣を出し、ナギナタを錬成する。


「ビューン!」


錬成する音「バチバチッ…ジューン!」


クーダ「んっ?魔法陣ではなく、錬成陣だと!?」


ビス「たぶん、錬成術を使えるのは俺様だけかもな?」


クーダ「ふんっ…錬成術が使えたところで、あなたに勝ち目はない。ここで…やられるだけだぁー!」


ビスは錬成したナギナタでクーダに一撃を食らわす。


「シュキーン…」


ビス「紅蓮(ぐれん)の…怒り…」


ビスの持つナギナタでクーダを切り裂く。


「シューン…ブンッ!ブンッ!ブンッ!」


切り裂かれたクーダはその場に倒れ込む。


クーダ「あっ…私が…この私が…やられ…」


ビス「てめぇは、自分の力を過信しすぎたせいで俺に負けたんだ。冷静じゃないのはお前だったな…」


クーダ「ふっ…大したもの…だ…」


クーダの体は灰となり、そのままちりとなって消えていった。


「シュー…」


ビス「はぁー、痛ってー。腕やばっ。」


マリア「ビスさん…」


ビス「おう。マリア、さっきはサンキューな。マリアのおかげで死なずに済んだ。ありがとう。」


マリア「そんな…私は…ビスさんには…死んで欲しくなかったから…」


そう言うとビスは少し顔を赤くしながらマリアに感謝の言葉を言った。


ビス「そ、そうかー!そんじゃ、死んでられねーな!マ、マリアの!為に!い、生きなきゃだなー!」


マリア「ビスさん…!」


ビス「んっ…マジでマリアがいなかったらたぶん俺はやられてたと思う。本当ありがとう。ついでってわけじゃねぇーけど、マリアがいやじゃなかったら…」


マリア「はい!一緒にいます!っていうより、一緒にいさせて…?いいでしょ…?」


ビス「お、おう…!」


マリア「ふふっ…」


ビスとマリアの距離がグッと縮まり、お互いを意識し始めた瞬間だった。

ビス達はクーダを倒し、鬼男達と合流するのであった。

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