第23話 一対一(タイマン)
天鬼族の長·インパクトを狙い、クロス達が里に乗り込んできた。インパクトとクロスの戦闘中に長の側近·マリア達が里に到着する。だが、インパクトがやられそうになった時、鬼男が駆けつけ、一対一へと持ち越されることになった。
クロス「鬼男…やはり来たか。」
鬼男「当たり前だ。インパクト様に傷をつける者は断じて許さん。特に貴様はな。」
クロス「言ってくれるじゃないか。鬼男。だが、デカい態度を取っていられるのも今のうちだ。」
インパクト「鬼男!決して油断はするな!」
鬼男「はい。リリーを連れて里の住民の保護をお願いします。」
インパクト「わかった。リリー殿、参りましょう。」
リリー「は、はい!」
ここから鬼男達の決戦が始まる。
クロス「まずは、クーダが相手だ。」
クーダ「承知しました。」
鬼男「ならばこちらは、マリア、いけるか?」
長の側近·マリア「了解いたしました。秒で片付けます。」
マリアとクーダの対決が始まる。その頃里では、天鬼族の残党が暴れまくり、犠牲者と負傷者が大量に出ていた。
インパクト「はっ!これは…」
リリー「ひどい…」
インパクトとリリーの背後に残党の一人が斧を持って襲いかかろうとしていた。
残党1「おりゃー!」
インパクト「リリー!あぶない!」
リリー「あっ!」
インパクトがリリーをかばい、残党の攻撃をうまくかわすことができた。
「ドゴッーン!」
インパクト「大丈夫ですか!リリー殿!」
リリー「大丈夫です!ありがとうございます!インパクトさんがいなかったら危うかったです!」
リリー〈どうしよ〜インパクトさんさっきリリー!って呼んでたよね?殿がついてなくて、リリー!って!〉
インパクト「リリー殿?どうされました?」
リリー「えっ!い、いや、なんでもないでーす。」
攻撃をかわされた残党がしびれを切らしてインパクトとリリーに文句を言いながら攻撃をする。
残党1「お前ら!攻撃をかわしてんじゃねぇーよ!大人しくやられんのが筋だろうが!」
インパクト「悪いが君にやられてる暇はないんだ。」
残党1「なんだとー!大人しくやられろー!」
斧を振り落とす音「ヒュッン!」
だが、インパクトは簡単にかわしてしまう。
インパクト「おっと。1つ教えてあげよう。感情のままに戦っては本来の力を発揮することはできない。では、どうすればいいか…簡単さ。冷静に対処することで勝利は見えてくる。」
残党1「うるせぇーんだよ!このカッコつけがー!」
インパクト「奪取魔法…魔力低下」
魔法発動の音「ピューン!」
残党1「あ…れ?力が…出ない…?」
インパクト「私の魔力は相手の魔力を低下させることができる、そして、相手の魔力を奪うことで、私の魔力は増幅する。その名も、奪取魔法だよ…」
残党1「奪取…魔法?」
インパクトは両手から炎を出し、残党を威圧する。
「ボウッ!」
インパクト「そして、一度奪った魔力は相手に戻ることはない。要するに、君の負けは確定ということだ…覚悟…できてるね…」
残党1「あっ…あっ…す、すみま…せん…」
インパクトの強烈なパンチが残党の顔面に一発入る。
「シュッー!」
パンチを食らう音「バゴッ!」
飛んでく音「ドゴッーン!」
残党1「かはっ…あ、あ、」
強烈なパンチを食らった残党は壁にめり込んだまま失神してしまった。
インパクト「ふぅー。ちょっと熱くなってしまいましたね。リリー殿、ケガはありませんか?」
リリー「大丈夫…です…インパクトさん、とてもお強いんですね…ちょっと、びっくりしました。」
インパクト「いえ、それより、里の住民の避難をさせましょう。まだ何人か残ってるはずです。」
リリー「あ、はい。」
インパクトの力により、残党を一人撃破することに成功したリリーとインパクト。その頃鬼男達は。
クロス「んっ?一人…やられたか…まぁ、いい…では始めようか。」
クーダ「いつでもどうぞ。」
長の側近·マリア「では、遠慮なく。死んでくれませんかー!」
一瞬の隙も与えず、クーダとの間合いを詰める。
「パシューン!」
マリアはクーダの腹に一発パンチを入れようとするが、間合いを詰められまいとマリアとの距離をとる。
クーダが離れていく音「シューン!」
長の側近·マリア「あっ…くそっ…」
クーダ「簡単にはやられませんよ。それに、いくら速く動いても私にはちゃんと見えています。あなたの動きは。」
長の側近·マリア「そんなっ…」
クロス「フッ…インパクトの娘も大したことないみたいだな…」
鬼男「それはどうかな。」
クロス「何?」
鬼男「マリアの内に秘めた力は、クーダをも超えるかもしれない。まぁ、黙ってそこで見ていろ。」
クロス「…フッ…」
長の側近·マリア「くそっ…なかなか追いつけない…どうすれば…」
間合いを詰められず、苦戦するマリア。クーダとの対決は長期戦へと持ち越される。
クーダ「どうしました?調子が出ませんか?」
長の側近·マリア「うるさい!余裕かまして…怖くて攻撃もできないんですか!」
クーダ「ほぉー。言ってくれますね。では、遠慮なく…」
クーダの高速移動であっという間にマリアの背後に付かれてしまった。
「シュッ!」
長の側近·マリア「はっ…どこに行った?」
クーダ「後ろです。」
長の側近·マリア「くっ!このー!」
マリアはクーダに攻撃をしようとするが、クーダのパンチがマリアの腹に一発入る。
「ボゴッ!」
長の側近·マリア「かはっ!あっ…」
腹に一発入れられたマリアは地面倒れてしまった。
クーダ「おや?そんなに強くはパンチしてませんけど?」
そう言いながらクーダはマリアの前にしゃがみ、マリアの頭を掴んで言い放った。
「グッ!」
長の側近·マリア「くっ…」
クーダ「マリア…あなたは弱いですね…弱すぎる。これでは相手になりませんね…」
クーダは掴んだ頭を地面に叩きつけて、足でマリアの頭を踏みつけた。
「グシャ!」
長の側近·マリア「あっー!あっ!」
クーダ「痛いですか?そうですよね…こうなったのも、あなたが私に勝てる力がないからです。あなたは確か…魔法があまり使えないと聞きました。なぜだかわかりますか?それは…あなたが無能だからです。無能は無能らしく地べたに這いつくばることをおすすめします。」
鬼男「そこまでだ!もう決着はついてるだろ!」
クロス「まだだ。もっと痛めつけろ。」
クーダ「承知しました。」
「グシャッ!」
長の側近·マリア「あっーー!痛いっ!あっ!」
鬼男「くっ!このクズめ!痛めつける意味はないだろ!」
クロス「クズか…そういや、ビスも相当なクズだったな…」
ビス「誰がクズだって?」
なんとそこにはクロスにやられたはずのビスがいた。クロスにやられたあと、なんとか一命を取り留めクロスに復讐する為に、姿を隠していた。
クロス「ビス…しぶとい奴だ…」
ビス「とりあえず、クーダだっけ?その汚ねぇー足どけろよ。」
クーダ「ビス…クズのくせに生意気ですね。」
ビス「聞こえねぇーのか?足どけろつってんだよ!タコッ!」
ビスは一瞬にしてクーダに近づき、パンチを食らわす。
「シュッ!」
クーダ「なっ!」
ビス「死ね。」
「バゴッ!」
ビスのパンチはクーダに当たり、クーダはそのまま飛ばされ壁にめり込んだが、受け身をとったことでクーダに半分ぐらいしかダメージを与えられなかった。このままビスはクーダを倒せるのか…




