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私の記憶  作者: かりんとう
第2章 きっとそう
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第18話 執行人

リリー一行は、涼子の出現により、ピンチを迎えていたが、鬼男の浄化魔法·永遠の眠りによって、涼子の暴走かつ、解放に成功した。これで涼子と最後の別れになるとわかっていた鬼男は、涙をぐっとこらえた。



クロス「里を襲撃する。」


マック「それは前から決まってただろ?」


クロス「タイミングを早める。指示はこちらから出す。いいな?」


マック「わかった。で、その指示はどのタイミングで出すんだ?」


クロス「仲間との亀裂が入る瞬間に指示を出す。」



クロスは次なる手を打つため、鬼男の精神面を削る計画を立てる。


一方、鬼男達は。


リリー「あのー!まだ話終わってないんですけど!」


鬼男「なんのだ。」


天子「新しい基地を探す話でしょ?」


カール「そうだよ!鬼男が空は却下だぁ〜なんて言うからだぞ。」


鬼男「そんな風に言ってない。」


カール「言い方の問題じゃない。」


天子「んっも〜!らちがあかない!一層のこと地下に作るのはどう?」


みんな「あ〜!」


カール「専用の入り口を作れば奴らにみっかんないかもな!」


リリー「でも、もし仮に見つかったら逃げ場がないかと…地下ですし…」


一瞬にして沈黙が広がる。


鬼男「んっんっ!とりあえず基地探しは進めるとしよう。それよりクロスがいつ仕掛けてくるかもわからん。俺とカールで攻撃に備える。天子とリリーで新しい基地探しに動いてくれないか。」


天子「任せて!リリー、行こう。」


リリー「あっ、はい!行ってきます〜」


カール「なぁ〜。なんで俺らだけなんだよ。」


鬼男「仕方ないだろ。女性陣にこの任は重すぎる。」


カール「俺も結構か弱いんですけど〜」


鬼男「よし、今後の動きを説明するぞ。」


カール「人の話、聞け〜!」


一方、リリー達は。


リリー「基地を探すと言ってもどうしたらいいんでしょ…」


天子「そうね…つてがあるわけでもないし…」


すると、リリーと天子の背後に一人のおじいちゃんが声をかけてきた。



???「お困りのようじゃね?」


杖をついた白髪のおじいちゃん。指にはちょっと高そうな指輪をはめていた。


リリー「あのー、どちら様でしょうか?」


すると、天子は白髪のおじいちゃんに見覚えがあった。


天子「もしかして、あなたはファムさんですか?」


リリー「えっ、お知り合いなんですか?」


ファム「ほっほっ。いかにも。元·長の側近、ファムじゃ。まぁ、今はクロスに側近の座を奪われたがな。」


元·長の側近ファム。そして、カールに体術と剣術を教えた師匠でもあるのだ。


天子「ファムさん、今までどこにいたんですか?なぜ、側近を下ろされたのですか?」


ファム「それより、お主ら困ってるんじゃなかったのか?」


リリー「そうなんです!おじいちゃん、私達いい基地の場所を探してるんです。いい所知りませんか?」


ファム「ほぉー。お主ら、土地を探してるのか?」


天子「まぁ、そんなとこです。どこかいい場所知ってたら、教えていただけますか?」


ファムはしばらく考え、何かを思い出したかのようにリリー達に提案をした。


ファム「んー、そうじゃな、わしの住んでる山の一部を使うのはどうかの。」


リリー「えっ!」


天子「山の一部って、山を買ったんですか?」


ファム「そうじゃが?まぁ、好きに使え。」


リリー·天子「ありがとうございます!」


リリーと天子はファムの山の一部に基地を建てることにした。鬼男達に知らせるために早急に合流する。一方、鬼男達は。


鬼男「とりあえず、居場所を知られないようにこちらの存在をなるべく隠す。」


カール「鬼男は元から存在が薄いから心配ないな」


鬼男「どういう意味だ…」


カール「いや、なんでもない…」


カールのボケは鬼男には通じなかったようだ。そこにリリー達が戻る。


リリー「戻りましたー!いい知らせがあります!」


天子「いい場所が見つかったわよ」


リリー「ファムさんという方が山の一部を貸してくれることになりまして…」


その時、カールの表情が一変した。


カール「今…ファムって…言ったか。」


リリー「えっ、はい。ファムさんです。」


カール「マジか…俺の…師匠だ。」


カールが物心ついた頃、魔術が使えなかったカールは大人達からの冷たい態度に嫌気をさしていた。魔術が使えないという理由だけで天鬼族から追放されそうになったところを当時の側近、ファムが助けてくれた。

ファムはカールに体術と剣術を教え、半年でカールは体術と剣術を会得した。


カール「師匠は俺にとって命の恩人でもあるんだ。追放されそうになった俺を助けてくれた。礼を言いたかったけど、その後姿を消しちまった。生きてたんだな…よかったよ…本当…」


カールは複雑な表情をしていた。自分のせいでファムは居なくなったのかもしれないと思っていた。かける言葉が見つからず、ただ沈黙だけが続いた。


リリー「きっとファムさんも、カールさんに会いたがってると思います。今から行ってみませんか?」


カール「いや、でも…」


鬼男「そんなに気を引くこともないだろう。」


天子「そうよ。行きましょう。」


リリー「カールさん!」


カール「……わかった。行こう。」


こうして、リリー達はファムの所に行き、基地の建設も同時に行うことにした。ファムの所に向う道中でクロスの刺客と遭遇してしまう。


「ザッザッ…」


鬼男「んっ?みんな、一回止まれ。」


リリー「どうしたんですか?」


カール「あっ!」


天子「!」


その時、物凄い速さで地面を斬りつけられた。


「ブシューン!」


リリー「うわわぁ!何ですか!」


鬼男「下がっていろ。」


カール「なにもんだ。てめぇ」


???「おや?あなたは、カールさんではありませんか?」


カール「なんで俺を知ってる。」


クーダ「申し遅れました。わたくし、取調執行人クーダと申します。あなた方のことは既に調べ済みでございます。リリー様を除く3名は始末するようにとクロス様の命でここに参上いたしました。」


カール「なんか、喋り方ムカつかねぇ?」


突如現れた、取調執行人クーダ。未知数の相手にリリー達に勝ち星はあるのか。



天鬼族襲撃まで残り…4日





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