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私の記憶  作者: かりんとう
第2章 きっとそう
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第16話 刺客

リリー、一行は、残党に居場所を知られてしまい、やられそうになったところに鬼男とカールが駆けつけ、リリーと天子は九死に一生を得る。それと同時に新たな基地を探す。



リリー「ということで、地上では見つかる率が上がる。では、どうするか?地上ではなく、空に浮かぶのはどうでしょう?」


天子「空?」


鬼男「却下だ。」


リリー「えっ〜!何でですか!」


カール「俺もいいと思うけど。」



瀕死の重傷を負った天子だったが、鬼男の治癒術·ポリンクルを使い、2日で完治した。恐るべし天鬼族。



カール「で、どうすんの?やっぱ空は却下か?」


天子「残党のことを考えると空の方がまだ安全かもね。」


リリー「天子さ〜ん。大好きです!」


天子「フフッ。私もよ。」


鬼男「フンッ!くだらん。緊張感が足りないぞ。」


リリー「女子トークに割って入るのやめてくれませんか?」


天子「そうだそうだ〜」


カール「そうだそうだ〜」


鬼男「おまっ、お前は違うだろ。」


カール「すいませ〜ん。テヘペロ☆」


鬼男「可愛くないからやめろ。」



カールも仲間に加わり、一層賑わいをみせていた。ひと息つく暇のなかった4人は鬼男行きつけのラーメン屋にまた行くことにした。



鬼男「ここが俺のおすすめのラメーン屋だ」


天子「あんたいい加減、ラーメンって言葉覚えたら?」


カール「悪いけど俺でもラーメン知ってるぞ?」


鬼男「黙れ。入るぞ。」



相変わらずの毒舌だけど、これでも優しくなった方らしい。前はもっと毒舌だったんだって。


扉を開ける音「ガラガラ」


亭主「いらっしゃい。おぉ、ハジメじゃねーか。」


鬼男「こんにちは。亭主。この前は店を荒らしてしまい、すみませんでした。その後は大丈夫でしたか?」


亭主「ああ、大丈夫だ。ガラス代は、ちとかかったけどな!それでもお客さんは来てくれるから変わらずだ。」


鬼男「そうですか…」


亭主「気にするな。おめぇのせいじゃねぇ。ところで、今日は何にする?」


鬼男「醤油ラメーンを4つお願いします。」


亭主「醤油4つね。そういや、涼子ちゃん最近一人で食べに来てるけど涼子ちゃんとなんかあったのか?」


鬼男「えっ?それは…」


あり得ない。涼子は10年前に通り魔に刺されて亡くなった。一人で食べに来ている?どういうことだ?


鬼男「亭主…誰かと見間違えでは?」


亭主「いや〜、あんな美人さん見間違えたりはしないぞ。だってよ、お前さんが付けてるピアス、右耳に付けてたぞ。」


やはり、涼子、なのか…


ラーメンを食べた4人は店を出て涼子のことについて語った。


鬼男「ご馳走さまでした。」


亭主「あいよ!また来いよ!」



カール「なぁ、鬼男。お前彼女いたのか!知らなかったぞ。」


鬼男「ああ、お前には言ってないからな。」


カール「言ってくれよ〜。どれぐらい美人なんだ?」


天子「あんた、それしか考えてないじゃない。」


カール「だってよ〜。」


リリー「鬼男さん。涼子さんって通り魔に刺されて亡くなった彼女さんのことですよね?」


鬼男「ああ。これは何者かの仕業と考えている。それか、亭主の見間違えか。」


だがこの時、淡い期待をしたせいで、鬼男はどん底に落とされる。


カール「なぁ〜俺にも紹介しろよ〜」


鬼男「しつこいぞ。」


涼子「ハジメ?」


この時、一人の女性が鬼男の名前を呼ぶ。因みにハジメとは、鬼男が人間だった頃の名前である。



鬼男「涼子…涼子なのか?」


涼子「うん。そうだよ。」


鬼男「どうして…」


鬼男の前に姿を現したのは、亡くなったはずの涼子だった。亭主の見間違えではなかった。


カール「えっ!あれが鬼男の彼女?」


涼子「ハジメ…」


感極まった涼子は鬼男を抱きしめる。


涼子「ハジメ…会いたかったよ… 今まで何処にいたの?連絡もつかないから心配したんだよ?」


鬼男「あっ…涼子…なんだな?」


この感触は間違いなく涼子だ。見間違えじゃない、本当なんだ。


鬼男「俺も……俺も…会いたかった…」


リリー「鬼男さん…」


カール「いいなぁ〜」


頭を叩く音「ペシッ!」


天子「何言ってんのよ!偽物に決まってるでしょ!」


カール「だってよ〜」


鬼男「みんな、すまない。しばらく2人きりにさせてくれないか?」


天子「必ず戻ってきなさいよ。鬼男。」


鬼男「ああ、わかった。」


鬼男と涼子は2人で行ってしまった。それを遠目で見つめる二人組がいた。


クロス「素晴らしい…時間をかけて作った甲斐があった…」


マック「げんみつには、俺が作ったんだがな」


クロス「ところで、涼子の肉体はいつまで保つんだ?」


マック「3日だ」


クロス「3日か…短いな」


マック「仕方ないだろ。魂は本人のものだが、肉体は一から作ったものだ。1日持ってるだけでも凄いんだ。」


クロス「そうか…しばらく様子を見よう。ここからが楽しみだ…」


鬼男は涼子が住むマンションに向かっていた。


涼子「ねぇハジメ?私ね、家引っ越したの。あなたと一緒に住む為の家に。」


鬼男「涼子…」


涼子「子宝にも恵まれて幸せな家庭も築いちゃうの。」


鬼男「それはまだ気が早くないか」


涼子「ここだよ。ここが私の部屋。あがって、今お茶入れるから。」


鬼男「ああ。」


部屋の雰囲気も変わってない。覚えてる。涼子の部屋には必ず観葉植物が置いてある。やっぱり本当に涼子なんだ。



涼子「はい。お茶だよ。」


鬼男「ありがとう。」


涼子「私ね、ハジメとまたこうして会えて本当に嬉しいよ。ずっと一緒にいてくれるよね?」


鬼男「それは…」


涼子「ハジメ……愛してる…ハジメは?私のこと愛してる?」


鬼男「涼子……俺は…俺は…」


愛する人の前で拒む理由なんてない。むしろ、ずっとこうしていたかった。


鬼男「愛してる。涼子。」


涼子「ハジメ…キス…して…?」


鬼男「んっ!りょ、涼子…」


涼子「早く…」


鬼男「くっ…涼子!」


涼子「んっふ……んっふ……はぁ…ハジメ……」


鬼男「はぁ…涼子…」


二人は肌を確かめ合うようにお互いの体を求めた。


涼子「あっ…あっ…ハジメ…あっ!」


鬼男「涼子…はぁ…りょ、涼子…」


涼子「ハジメ…あっ…ごめん…ね?」


鬼男「はぁ…何がだ?」


涼子「はぁ…はぁ…死んで…くれる?」


鬼男「えっ?何を…」


その瞬間、涼子の手にはコンバットナイフが握られていた。刃ばたり10センチのナイフ。


涼子が鬼男にナイフを刺す。


ナイフの刺す音「ヒュッン!」


鬼男「なっ!くそっ!」


鬼男はギリギリでナイフをかわすことができた。ところが、鬼男の身体は鉛のように重く思うように身体が動かない。どうやら涼子に気力を吸われたらしい。


鬼男「くそっ…身体が…動かん…」


瞬間移動した音「シュッ!」


クロス「やぁ。お取り込み中申し訳ない。どうだった?涼子の体は。」


鬼男「貴様…」


クロス「その前に、服を着ろ。男の裸は見苦しい。」


鬼男「貴様…よくも…よくも…涼子を…」


クロス「さて、とどめを刺す。魔術·クライルフォーク」


「シュッ!」


駄目だ。かわせない!終わりか。その瞬間、駆けつけたカールの武器によって鬼男のとどめを阻止した。


武器が当たる音「ガキッン!!」


カール「待たせたな!鬼男!立てるか?」


鬼男「立てない…」


クロス「鬼男の体は鉛みたく重い。」


カール「クロス…てめぇ…相当な悪趣味してるな。」


クロス「ありがとう」


カール「褒めてねぇーよ。くそがっ!」


クロスと涼子はクロスが出す、魔術により、2人とも姿を消した。


カール「逃げられた… 鬼男!手貸すから一度撤退しよう。」



鬼男のパートナーの涼子の出現により、まだ気持ちの整理がつかない鬼男。次の戦いに向け、準備を進める。


カール「いいか…あの涼子は偽物だ。次会ったら躊躇無く倒すんだ。」


鬼男「俺にはできない。」


すっかり自信もなくしてしまった。次の戦いまでには戻るのか。そして次のクロスの狙いは…


天鬼族襲撃まで残り…6日


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