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私の記憶  作者: かりんとう
第1章 リリー
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第1話 私

夏が終わりを迎えようとしている、8月下旬。外は相変わらず蒸し暑い。


蒸し暑いというか、溶けそうです。


今日こそは定時で帰る勢いで仕事を進めるが、次から次へと仕事が入ってくる。とてもじゃないけど、定時で帰れる気がしない。


「はぁー、やっぱ無理。」


机に頭をつけ沈んでいく。橘リリー、20歳独身。父はイギリス人で母は日本人。私はイギリスと日本のハーフなんだけど、全くもってイギリス語は喋れない。英語も無理。日本語だって危うい。

それは言い過ぎだけど、日本語しか喋れない。それで十分だけどさ。


18で高校を卒業後新卒で地元の写真店に就職した。カメラの技術を盗んで将来はフリーカメラマンになるのが私の夢なんだけど、カメラどころか、撮影すらさせてもらえず、カメラマンの助手兼事務作業が今の私の仕事。


一日3件の予約が入り、問い合わせの電話がたまに鳴る。次の予約までのスケジュールの組み立ても私がやらなければならない。事務作業は私以外にももう2人いるが、別の仕事で手が回らない。結局私一人でやることになる。で、今に至る。机に沈んだ頭を上げ時計を見ると、18時5分。定時で帰れなかった。


明日の予約の準備をしてみんなにお疲れ様でーすと言って帰る。帰りにコンビニのスイーツを買って帰るのが私のマイブーム。学生の頃はイギリスってどんなところなの?と聞かれることが多かった。聞かれてもなんのこっちゃわかんないけどね。イギリスに住んだことがないから。親に聞いたら、生まれはキルマーノックという所で生まれたらしい。どこ?ってなる。地下鉄でウトウトしながら最寄りの駅で降りる。ちょっと小洒落たアパートの二階に住んでいる。部屋の鍵を開け、玄関の電気をつける。誰もいないけど、一応言う。


「ただいまー」


居間のドアを開け、電気をつけると理解しがたい状況になっていた。



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