お前達が、仕えているのは誰だ?
呼び名は、区別をする為なので、スルーして頂ければ幸いです。
何度も言うが、俺は正義のヒーローでも無ければ、聖人君子でも無いが、卑劣なクズという訳では無いから、とりあえず平和的解決を目指す事にする。
因みに、頭の中に「理性」という単語が無い取り巻き全員が、既に剣を抜いていたりする。
「そうか。実は俺も知り合いに、それなりの身分を持つ方が居る」
「ふん! 貴様の様なガキが、何を嘘と分かる戯言を言っている」
「嘘じゃないさ。その証拠として、手紙を送るか、直接言えば、第2王子妃は離縁されるだろうな」
「「なっ!?」」
あ!
女将を忘れてたわ。
「女将」
「は、はい!」
「話し声が聞こえない奥に言った方が良いな」
「失礼しました。ですが、ご安心ください。
お客様の個人的な話を、他所に話す様な矜持の無い恥知らずではありませんから」
「分かった。信用するが、話が漏れていたら……分かるよな?」
「勿論です」
女将に、釘を刺した所で、話を続けるか。
「信じないのは分かるが、それなら、追加で、お前の家も潰す様に手紙には書き加えておこう」
「出来るものならやってみろ!」
それじゃあ、平和的解決に向けて最後の作業として、法律を順守するか。
「アリシアとリン」
「何、ヤクモ」
「何でしょうか、ヤクモ様」
「衛兵を連れて来てくれ」
「分かったわ」
「分かりました」
「マルティナとエレナ」
「何でありますか、ヤクモ殿」
「何かしら、我が君」
エレナは仲間になるまでは、普通だったのに仲間になると「ケジメよ!」と言って、俺の呼び名がコレだった。
……実は、エレナは恋愛小説の愛読者らしく「憧れていたの」とか言っていたから、変更は無理だろうな。
「冒険者ギルドに行って、ギルドマスターかサブギルドマスター。もしくは、受付嬢のリーダーを呼んで来てくれ」
「分かったであります!」
「分かったわ、我が君」
アリシア達を待っている間に、俺は敵対者であるクヨーゴと取り巻きを軽くボコして拘束して手紙を準備した。
「だ、大丈夫なの、我が主君」
「大丈夫」
そう言えば、ソフィアには、俺の公的な立場や身分を話していなかったな。
「後で話すよ」
「分かったわ、我が主君」
足元では、馬鹿が「フゴー! フゴー!」と喚いている。
散策の時に衛兵のお世話になったからか、思っていた以上に早く衛兵が到着した。
「盗賊が現れたと聞きましたが、何処に居るのですか?」
「足元に転がっているのが、そうだ」
「クヨーゴ様! おい、クヨーゴ様の拘束を解いて差し上げろ」
何故か、衛兵達がクヨーゴ達の拘束を解こうとしている。
「俺が、拘束したのは盗賊だ」
「何を言っている! この方は、第3王子殿下の第2王子妃様の父君だぞ!」
「関係無いな」
「分かっているのか! この方の娘は、このマリベージャル国の王族に嫁いだのだぞ!」
「それがどうした? こいつは王族じゃないだろ?」
「……もう良い。おい」
「「は!」」
「このガキを捕らえろ」
その判断、まあ理解出来るが、応じるかは別だからな。
俺は、例の短剣「王紋」を出す。
「この短剣を知らないか?」
「何だ、その派手な短剣は」
「知らないか?」
「だから、その短剣が何だ!」
「知らないのなら仕方ないが……」
「無駄な時間稼ぎだ! 拘束しろ」
「お前達が、仕えているのは誰だ?」
「そんなのは分かり切っている事だ」
「だから、誰だ?」
「……その質問の意味は何だ?」
俺の質問に対して、何らかの「裏」を感じた衛兵のリーダーは動きを止めた。
「王族という存在に対して侮辱する気は一切無いが、環境や状況に因っては、第2王子でさえ、予備扱いされる場合がある。
それに、この盗賊は生来の貴族か?」
「いや、そうではない。元々は、この街の最大の商会の会長だ」
「その会長の娘が嫁いだのは、第3王子な上に、第2側妃だ。
今、言った事を認識した所で、もう一度聞く。お前達が仕えているのは誰だ?」
「……」
「誰だ!」
「マリベージャル国王陛下だ!」
「分かっているのなら、拘束し捕らえるのはどちらだ?」
「盗賊の容疑が掛かっているクヨーグ様だ」
「それなら?」
「クヨーグ様と周りの者達を領主館の牢屋に移送しろ」
ちょっと胃の痛い判断を強いる事になったが、きちんとした対応が出来て良かった。
「だが、お前も分かっているな」
「ああ。事の判断が着くまで、この街に滞在し、所在をはっきりとしとおく」
「それだけでは足りない。お前達も領主館に軟禁する」
「分かった」
そして、このタイミングで、冒険者ギルド側が来た。
「ヤクモ殿、ギルドマスターをお連れしたであります!」
「我が君、受付嬢主任も連れて来たわ」
「本物だったら無視出来ないから来たが、あの短剣を見せてくれないか?」
「ああ」
序でに、証明書も見せた。
「……本物だったか」
「……そうですね」
まあ、気持ちは分かるぞ。
俺は、証明書を仕舞うと言った。
「この手紙をマリベージャル国王に届けてくれ」
俺は「王紋」を見せながら言った。
「畏まりました」
さて、衛兵側は、ギルドマスターが敬語を使った意味が分かるかな?
厳しくも温かいメッセージを待っています!
そして、星の加点をお願いします。




