表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

87/115

勝者ヤクモ殿!

やっぱり、王城に来たら……

 

 近衛騎士団長と騎士クレイマーザカエルは騎士的な礼を取ると直立不動で壁に沿って立つ。

 そして、宰相はスルーして通り過ぎようとしたが、近衛騎士団長が呼び止めた。


「少しお待ちください、アルカルナ宰相殿」

「珍しいですね、貴方から声を掛けるなんて。何か重要な事でも?」

「はい。そちらに居られるヤクモ殿に、是非とも御指南頂きたく思っております」


 騎士クレイマーザカエルが、ニヤニヤして俺を見ているわ。

 これは、俺の資料を確認したが、頭から信じられずに化けの皮を剥がそうと、近衛騎士団長に吹き込んだな。


 そして、宰相は、端から見ても分かる程に困惑している。

 そりゃあ、そうだよな。

 俺が普通のSランク冒険者なら、国益に繋がるから「どうでしょうか?」と、お願いの皮を被った命令が出来るが、相手が俺な為に、裏側の命令どころか、表側のお願いすら出来ない。


「構わない」

「……ありがとうございます」


 俺の意図を理解した宰相は、政治家の仮面を外して、心からのお礼を言った。

 まあ、俺が結果的に嫌悪感以上の気持ちになって最終的に「この国を潰すか」と、判断する可能性が「0」じゃないからな。


 ……俺達は、移動して王宮エリア内の野外訓練場に到着した。


 流石に、野球出来る程の広さは無いが、それでもバスケやテニスが出来る程の広さはあった。

 そして、ここで騎士クレイマーザカエルが前に出て口八丁手八丁で、日本で言う所の「百人組手」をする事になった。

 近衛騎士団長は、まだ真面目だから良いが、騎士クレイマーザカエル、貴様は別だ!

 矮小な傲慢を抱き、短い我が春を楽しむがいい!


 百人組手を始めて、約40分後には近衛騎士団は残り3人となった。

 近衛騎士団長と副団長と騎士クレイマーザカエルの、な。

 因みに、アリシア達はメイド達が用意した紅茶とお菓子を楽しんでいる。

 たまに、アリシア達が「ヤクモ、頑張れー」とか「ヤクモ様、そこ右ー」とか「ヤクモ殿、アタイと変わりたいであります」とか、外野から言ってきている。

 更に言えば、王宮エリア内の筈なのだが、第3王女エレサリアと同じ年くらいの貴族令嬢が7人が居て、キャーキャー言っている。


「次!」

「騎士ザカエル」

「あ、あのぅ、体調が……」

「前に出ろ!」


 既に騎士ビビりザカエルは、俺の実力が少なくとも伝えられた以上だと理解していた。

 俺も、途中に何回か模擬剣を使って指名をして、騎士ビビりザカエルが残る様にして、最後から4人目の時にある事を実行した。

 お陰で、先程まで曇天だった空は、野外訓練場の上空だけ晴天になっている。

 何をやったかというと、首から上の毛が全滅した「孤独なヒーロー」みたいに「雲切り」をしたからだ。

 これが決め手となり、騎士クレイマーザカエルから、騎士ビビりザカエルにクラスチェンジした。


「やっと、俺の実力を証明出来るな」

「い、いえ、充分に証明しています。

 ですから……」


 俺は、審判役の宰相に視線を向けると、宰相の「始め!」の声が響き渡る。


「ぎっ……がぁ……ぐっ……げふっ……」


 コイツ以外は、1人1分みたいにして攻守で出ていた「隙」を指導していたりしたが、コイツだけはリンチにした。


 ……右上腕骨折、左肋骨3本骨折、顎の骨折、右脛骨骨折で我慢してやった。

 ついでに、宰相にはポーション等を使って治療をするなと言ってある。

 別に、スポーツマンシップに殉ずる必要も無いし、正義のヒーローでも無いし、聖人君子でも無いから、気に入らん奴に親切心は存在しないな。


 他の近衛騎士達が騎士ビビりザカエルを引きずり出すと、副団長が俺の前に出た。


「よろしくお願いします!」

「始め!」


 どうやら、副団長は個人技よりも指揮能力が高いみたいで、他の騎士よりかは強いが、特出する程には強くなかった。


「ありがとうございました!」

「近衛騎士団長!」


 最後の近衛騎士団長が、俺の前に立つ。


「よろしくお願いする!」

「構え……始め!」

「……ぬぅ」


 最初は様子を見ながら互角になる様に調整してしばらく打ち合いを繰り返し、少しずつギアを上げていき、そのまま押し切った。


「勝者ヤクモ殿!」

「ありがとうございました、ヤクモ殿」

「こちらもです、ダーレル近衛騎士団長」


 模擬戦が終わり、タイミングを合わせて、キャーキャー言っていた貴族令嬢5人が俺達の前に来た。


「ダーレル近衛騎士団長様、対戦相手の貴方も素晴らしい試合でした」


 先頭の貴族令嬢がそう言うと、残り4人の内2人が、俺と団長にタオルを差し出した。

 裏の意図は多少は読めるがありがたく使わせて貰った。

 ある程度、汗を拭き終わると、残った2人が紅茶を差し出した。

 これも、ありがたく頂いた。


 普通、こういう場面は、アリシアの役目の筈だが、どうやら、先頭の貴族令嬢に先手を打たれたみたいで、残った貴族令嬢2人に足止めを食らっていた。


「ありがとうございます、ラビリアン侯爵令嬢」

「どういたしまして」


 なる程な。侯爵令嬢か……

 メイド経由で嗅ぎ付けて、好感度を上げに来たんだろうな。

 そして、王宮内に居るから、それなりの権利を持っていると。


「初めまして。私、第2王子エドウィン殿下の婚約者で、クィンズ侯爵家が長女ラビリアンと申します。

 貴方のお名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」



厳しくも温かいメッセージを待っています!

そして、星の加点をお願いします。


……異世界恋愛系を入れるのは楽しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ