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発言しても良いのですか!

主人公、やっちゃったよ。

 時間的には午後2時ぐらいだから、そろそろ撤収しようと思うんだけど、何故、トモエ達は無言なんだ?

 いや、指示を出すと返事はするよ。

 でもな、コミュニケーション的な会話は無いんだよな。


「なあ、何故、無言なんだ?」

「発言しても良いのですか!」

「……当たり前だろ」


 顔が妹の涼子似のトモエが敬語を使うと違和感があるなぁ。

 因みに、妹涼子似のトモエと親友の妹「深雪みゆきちゃん」似のユキは、各々が人化した時のアバターを監修したが、本人と比較するとスリーサイズに若干の違いが有る事は関係者内では公然の秘密となっている。

 それなら、この際だから……


「冒険中での敬語は禁止な。これ命令な」

「そんな⁉」

「ん?」

「分かりま……分かったわ」

「それで良い」

「それで、ヤクモ様は……」

「トモエ、『様』も要らないよ」

「いえ、これだけはヤクモ様の命令でも譲れません!」


 すると、ガルやユキやリオンも「うんうん」と頷いていた。


 ……あの頑固なナー○ラルさんでさえ「さん」付けが出来たのに~。


「どうしても無理? 命令でも?」

「「「「はい!」」」」

「……分かった。じゃあ、建前上の設定をする。俺の実家は、地元では中堅以上の商家の長男で、トモエ達は部下の子供で幼馴染だ。

 特にトモエとガルは家族当然だった。しかし、成長するにあたって、立場を自覚する様になり、距離を置き敬語を使う様になった。

 そして、知り合いの正体不明の魔道具に因って長距離転移して、そういったしがわみが無くなったが、その時の癖が全く抜けない様になっている。 ……で、良いな?」

「「「「はい」」」」

「だから、先程の敬語禁止は無効とするが、会話が必要な場合は遠慮する必要は無い。良いな?」

「「「「はい!」」」」


 都市ランカールに戻り、冒険者ギルドに入り、採取した薬草と狩ったモンスターの買い取りをして貰う為に受付嬢の列に並ぶ。

 待つ事20分で俺達の順番が来た。


「早かったですね。意外と難しくって諦めましたか?」

「いや、それなりに採取や討伐が出来たから早く帰ったんだ」

「それは期待出来ますね」


 俺は、マジックバッグから採取した薬草を出すのだが、俺は歴代の異世界転生者達のミスまで模倣するつもりは無い!


「ヤクモ様!」


 え⁉

 何があったんだ?


「この薬草は、何処で採取しましたか?」

「都市を出て適当な森に入って進んだ先かな」

「この薬草は、上級ポーションの調合で必要になる為に高額で取引される薬草です。緊急の場合は個別依頼が来る程の物なのに、これ程に大量に持って来るなんて……」


 アレ? 違う事で「やっちゃった」かも?


「……! もしかして、狩ったモンスターは?」

「ウルフ系」

「色は?」

「灰色」

「やっぱり。……はぁ」


 え、モンスターも!


「この薬草も、恐らく狩ったモンスターも、Dランク以上の冒険者が担当する内容です!」

「そ、そうなんだ~」

「地下の解体場に行きましょう。どうせ、狩ったモンスターは、このカウンターに置き切れないのでしょう?」

「正解」

「……はぁ」


 受付嬢は2度目の溜め息を吐き出しながら地下の解体場に行く。


 そして、指示通りに大量の灰色のウルフ系を出すと、受付嬢が3度目の溜め息を吐く。


「……はぁ。 ヤクモ様、どうやら森の奥に行きましたね?」

「え、ああ。やっぱり奥の方が良い薬草が有ると思ったからな。」


 まあ、奥と言っても徒歩で軽く1時間程度だ。


「ヤクモ様、この灰色のウルフ系は『グレイウルフ』と言って、単独でもDランクモンスターなのですよ! もし、群れとなり、紫色の毛が入ったグレイウルフのリーダー格が居れば難易度がCランクに跳ね上がるんですよ!」

「セラリアちゃん」

「なんですか?」

「その紫色の毛が入ったグレイウルフが混じって有ったぞ」

「ヤクモ様」

「はい!」

「Cランク冒険者すら、2時間掛かる距離をこんな短時間で往復するなんて……」


 結局、薬草採取もギルド規定に達していたし、ウルフ系を討伐出来ている為に、Fランクを通り越してEランクになれる。

 だが、Cランク以上の冒険者が担当する薬草を採取して、グレイウルフを討伐した事で、ギルドマスター案件となり、3階のギルドマスター案件用等に使う応接室に通された。

 そして、待つ事15分程で、ギルドマスターが入って来た。


「待たせたな。ギルドマスターのザイールだ」

「初めまして。ヤクモだ」


 この後、トモエ達の自己紹介が終わると本題に入った。


「報告は聞いた。冒険者登録してまだ数日でCランク冒険者並みの結果を出したみたいだな。しかも、モンスターの方は、Cランク相当の」

「結果だけを見たら、そうみたいだ」

「まあ、現物が有る以上は否定出来ないな。

 だが、これでホイホイと、Cランクにすると冒険者ギルドの沽券に関わる。

 そこで、3週間以内に、今回の薬草と同格の薬草を1種類以上を30本以上採取する事と、モンスターもまたグレイウルフと同格のモンスターを一匹以上を狩って来る事。

 最後に盗賊を生死問わずに討伐する事。

 以上の3つを成功したらギルドマスター権限でCランクにしてやる」

「Dランクじゃなくて?」

「ああ。今、言った事を期限内に達成出来るのなら、充分にCランク相当だ。まあ出来なくても、どれか1つでも達成していたら、Dランクは約束する」

「分かった」

「話は以上だ。受付嬢には話を通しておくから、薬草採取とモンスター討伐の報酬を貰った後に、必要な情報を聞いてくれ」

「ああ、分かった」



厳しくも温かいメッセージを待っています!

そして、星の加点をお願いします。

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