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まさか、これだけで終わると思ったか?

悲鳴が、必ずしも美少女とは限りません。

 

 俺のコレクション自慢が終わった。


「そ、そんな……ボクが負けた……」


 両手両膝を地に突けて絶望している敗者むすこを無視したベラドルム辺境伯が来た。


「凄かったな、ヤクモ殿。それにしても、あの召喚獣を軽々と……いや、スタンピードをヤクモ殿は3体の召喚獣で壊滅させていたな……」


 何か、ベラドルム辺境伯が、話し掛けてきたと思ったら色々と葛藤して自問自答している。

 この後、普通に別れを言って都市ベラドルムを出発した俺達は主街道を使って最終的には王都を目指す事にした。


 ……転移扉ゲートが使えるしな。


「ヤクモ様、そろそろ今日の目的地である『リエスカ』に到着します」


 幾つかの村を通過して、今日の目的地である街のリエスカに到着するみたいだ。

 思えば、辺境都市ベラドルムから今日まで2回野営したけど、全くと言っていい程イベントが起こらなかったな。


「うわぁあああーーー」


 フラグ、起動したよ……


「ヤクモ様、またですか?」

「ヤクモ、またぁ?」

「俺が悪いのか!?」

「ヤクモ殿。悲鳴が聞こえたであります」

「そ、そうだな、マルティナ」

「ヤクモ様、どうされますか?」

「まあ、聞こえた以上は助ける」

「分かったわ」

「はいであります!」


 移動して1分も経たない内に現場に到着すると、ゴブリンとオークに襲われている馬車付きの人達が居た。


「助けは要るか?」

「助けてくれ!」

「分かった」


 1分後に、ゴブリンからは討伐部位と魔石を取って焼却して、オークはそのまま「蔵」に仕舞った。


「危ない所を助けて頂いてありがとうございます」

「こういう時はお互い様だ」

「それでも、命の恩人には違いないです」

「分かった。感謝は受け取るよ」

「ありがとうございます。私達は、この先の街リエスカで店を開いているロルダンと言います」

「冒険者のヤクモだ。仲間の……」

「ヤクモ様の奴隷のリンです」

「ヤクモの仲間のアリシアよ」

「ヤクモ殿の奴隷マルティナであります」


 自己紹介を終えると一緒に行く事になったが、どうやら護衛役の冒険者3人があっさり殺されたみたいだった。


 ……そういえば、少し外れた所で食事中のオークが居たな。


 最初から態度はデカい上に我儘だったが、それしか居ない為に妥協したらしい。

 先程までの帰り道までは、自衛手段が無い為に何とか我慢したが、モンスターが現れてあっさり殺された時に思わず悲鳴を上げたみたいで、その悲鳴を聞いたのが俺達な訳だ。


「それは災難だったな」

「そうですね。まあ、商売をしているので慣れていますから」


 そんな事を話しながら移動してリエスカに到着した俺達は、別れる事にした。

 勿論、店に来れば歓迎すると言われた。


 今日泊まる宿屋を決めて、夕食まで時間があるから街を散策する事にした。 

 とりあえず、街のチンピラからは善意で全所持金を貰い、無料宿泊施設へと送った。


「ヤクモ、その白金の髪飾りはどうするの?」

「どうしようかなぁ?」


 5組のチンピラの中で、3番目のチンピラが持っていた白金の髪飾りも没収した。

 確かに、他の4組よりも服が上等だったが、流石に違うだろうと思っている。


「あーーー!」


 ……今、俺に対して指しているメイド服を着た女性と、その後ろに3人の騎士が居る。


「お嬢様の髪飾りです!」


 メイド服を着た女性の一言で、3人の騎士の右手が剣の方に移動した。


「その髪飾りを何処で手に入れました?」

「5人組のチンピラから」


 メイド服を着た女性がと騎士2人が俺達の前に近付き、残り1人が俺達の後ろに廻り込んだ。


「返して頂けますか?」

「それは無理だな」

「……何故ですか?」

「この髪飾りが、貴女の関係者の所有だと証明されていないからだ」

「な!? それはお嬢様の!」

「落ち着け、リダ」


 思わず声を荒らげようとした所を、2人の内の1人がたしなめた。


「失礼しました。改めて自己紹介をさせて頂きます。私は、この街リエスカを治めるリエスカ伯爵様の次女ナーザリアお嬢様の侍女リダでございます」

「冒険者のヤクモだ」

「仲間のアリシアよ」

「ヤクモ様の奴隷リンです」

「同じく奴隷のマルティナであります」


 とりあえず、メイドのリダの後ろに居る2人は剣から右手が離れた。


「その髪飾りが、お嬢様の物である証明は出来ます。その髪飾りの見えてる側を表にした場合の裏側に紋章が刻まれています。その紋章はリエスカ伯爵家の紋章ですので、お確かめください」


 そう言うと、前面の騎士2人が鎧の左胸部を指すと紋章が刻まれていた。

 そして、髪飾りの裏側を見ると、確かに鎧と同じ紋章が刻まれていた。

 アリシア達も確認したが、3人共頷いた。


「この髪飾りが、貴女方の関係者の物だと確認する事が出来たから返すよ」

「ちょっと待ってください」


 あれ?

 返すと言っているのに、何故、慌てるんだ?


「その髪飾りを無償で返すのですか?」


 あ、ああ。そうか!


「金貨1枚で」

「……それだけで良いのですか?」

「え、不服?」

「いえ、不服と言う訳では……」

「それなら、大銀貨1枚!」

「ちょ、ちょっと待ってください!?」

「まだ言うか! それなら銀貨1枚だ!」

「いえ、そういう意味では……」

「分かった。それなら大銅貨1枚だ!」

「……はあ。最初の金貨1枚でお願いします」

「そうか?」


 リン達が、俺を白い目で見ているから止めた。


「はい、髪飾り」

「……金貨1枚です」


 俺の悪戯で疲れたメイドのリダは、気力を振り絞る様に金貨1枚を取り出して俺に渡し、俺から髪飾りを受け取った。


 さあ、サヨウナラをしようとしたら、後ろに居た騎士が俺の右肩に腕を置き、良い笑顔で陽気に言った。


「まさか、これだけで終わると思ったか?」

「そうだな。お礼のお金を渡して、ハイ終わりじゃあリエスカ伯爵様に、我らは叱責を受けてしまうな」

「そう言う訳だ」

「ヤクモ様に他の方々。それでは、お話が纏まった所でご案内しますね」

「「「はぁ……」」」


 おい、リン、アリシア、マルティナ!

 何故、3人合わせて溜め息を吐く?



 ~ドナドナドーナ~


 俺達は、案内れんこうされて領主館に到着して応接室で紅茶とお菓子を頂きながら待っている状態だ。

 すると……


「待たせたな。私がリエスカ伯爵だ」


 リエスカ伯爵が入ってきて、お互いの自己紹介が終わると早速、話に入った。

 ……結果だけ言えば、お礼と謝礼で金貨20枚を貰ったのだが、次女と三女が乱入した。

 更に……


「アリシアお姉様!?」

「リーリエ!?」


 アリシアの王立学園に通ってた時の1学年下の後輩で、実姉が居るのに実の姉の様に慕っていた令嬢だ。

 そして、一緒に居る俺を蛇蝎だかつの如く嫌っていた。



厳しくも温かいメッセージを待っています!

そして、星の加点をお願いします。

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