そ、そうね、ヤクモ
今度からは、アリシアが気付かない。
俺達は、マリー達が住む街バレシアから更に南東に進むと、国境を超えた先に竜人族の国がある。
国境に城塞都市が無いのは、竜人族は他国への侵略を一切しないからだ。
竜人族が建国してから千年を超えるが一度も隣国への侵略をしていない。
その結果、竜人族への信頼の証として城塞都市よりも更に先に、街バレシアが出来た。
そして国境を越えると、直ぐに竜人族の国「ドラグニューラ」の王都に到着した。
竜人族は、その数が少ないから王都1つで済んてしまうが、その国が持つ武力は大国に比肩する。
だから、周りの隣国も竜人族の国を侵略しようとは思っていない。
「此処が竜人族が住まうドラグニューラか」
「全体的に身長が高い者が多いですね」
「それに見える範囲だけでも、全ての竜人族は戦闘が出来るみたい」
「先ずリンへの答えでありますが、そうなのであります。竜人族は皆が背が高いのであります!
だから、アタイなんて低い方なのであります。
次にアリシアへの答えでありますが、それは当然であります。
竜人族の国では全員に戦闘訓練を義務化しているからであります」
「なる程な。それでか」
……国民=兵士が成り立つから隣国は侵略しないのだろうな。
こうして俺達は、マルティナから説明を受けながら竜人族の皇城を目指した。
因みに、竜人族の服装はローマとかギリシャ系が1番近いかな。
皇城正門に到着すると、マルティナが言った。
「第9皇女のマルティナ=ドラグニューラであります。開門するであります!」
開門された後は流れる様に話が進み、あっさりと王宮の応接室に通された。
そして、華国系の武将の様な竜人族と文官系の竜人族が入ってきた。
多分、国王と宰相だろうな。
「初めまして。竜人族国王のディアスだ」
「初めまして。竜人国の宰相フェルナです」
「初めまして。冒険者のヤクモだ」
「初めまして。ヤクモ様の奴隷リンです」
「初めまして。冒険者仲間のアリシアよ」
お互いの自己紹介が終わった所で本題に入ろうかと思ったら、向こうから切り出した。
「マルティナは皇女としては不出来だが、それ以外は出来る。よろしく頼む」
「あ、いや、充分に俺達の仲間として頑張っているから大丈夫だ」
「……そうですか?」
「ああ」
俺は、宰相からの確認で、マルティナが頑張っている事を肯定したのだが、マルティナを見ると若干だが、眼が泳いでいた。
……マルティナの幼少時は、脱走とかの常習犯だったのだろうな。
「マルティナを見れば、ヤクモ殿が強者だというは分かる。それなら、安心してマルティナを任せる事が出来る」
「私も同じ意見です。マルティナ殿下をよろしくお願いします」
「そこまで真っ直ぐに信頼を受けた以上は安心してくれ。マルティナは俺達が守る!」
「私もです」
「私もよ!」
この後は、俺達は宿泊を勧められ泊まる事にしたのだが、国王達や周りの竜人族の女性達がしきりに、マルティナに対して「リュウイン、おめでとう」と言っているが、「リュウイン」とはどういう意味だ?
マルティナはマルティナで、顔を赤らめてパニックになっている。
……結局、誰も教えてくれなかった。
翌日、俺は竜人国の騎士達と模擬戦をしたが、全戦全勝で、最後は竜人国最強の騎士とも模擬戦をして圧勝したら、俺達が吃驚する程に盛り上がった。
余りの盛り上がりに国王達に釘を刺した。
「俺達の事を他国も含めて宣伝したりしない様にお願いします」
「う、うむ。承知した」
勿論、威圧込みで、な。
翌日には、竜人国を後にした。
そして、この際だから俺達は、このまま南の辺境都市「ベラドルム」に向かう事にした。
幾つか存在する副街道を使って移動する事2日後に、俺達は王都と辺境都市「ベラドルム」を繋ぐ主街道に出た。
因みに、普通の馬車なら10日の距離だ。
「辺境都市ベラドルムに到着だ!」
「そ、そうね、ヤクモ」
自分の気持ちに気付いた俺は、アリシアの誕生日に告白すると決めたのだが、まだ半年ぐらい先だから愛情を込めた頭撫で撫で等のスキンシップを始めた。
そのお陰か、アリシアが少し挙動不審みたいになっている。
宿屋を決めて、早速俺達は散策を始めた。
「アリシア、あれ美味そうだな」
「どれ?」
「買ってくる」
俺は屋台の香ばしい匂いを出す肉串を、4本買ってアリシア達の所に戻ると、アリシア達はナンパされていた。
「だから、仲間が居るから遠慮するわ」
「そんな事言って~」
「あまりにしつこいと私達にも考えがありますが、覚悟は出来ていますか?」
「怖いね~」
「リン、殺って良いでありますか?」
「ダメですよ、マルティナ」
全く……
「悪いが、彼女達は俺の仲間だ。遠慮願おう」
「はぁ!? お前みたいなガキが?」
「こんなガキなんざ無視して行こうぜ」
「痛っ!」
「くばぁ……」
ナンパ野郎の1人が無理矢理にアリシアの腕を掴んだから俺は、そのナンパ野郎に腹パンを入れた。
「何しやがる!」
「それはこっちの台詞だ」
「……やっちまえ!」
ナンパ野郎4人をボロ雑巾に変えた頃に、貴族らしき青年が現れた。
「これはどういう事だ!」
「アビキョーカ様!」
野次馬から、1人のチンピラが現れて貴族らしき青年に耳打ちした。
「……なる程。ラピン達は、意気投合した女性達と移動しようとしたら、そこのガキに不意打ちでやられたという訳だな」
「全くの冤罪だな。そもそも、彼女達は俺の仲間なんだからな」
「嘘を言うな! お前みたいなガキが仲間の筈があるか!」
「いいえ。彼は私達の仲間よ」
「そうです」
「その通りであります!」
「……そうか。君達は脅されているんだね?
大丈夫だよ。ボクが助けてあげるから」
また、自己陶酔型か……
厳しくも温かいメッセージを待っています!
そして、星の加点をお願いします。




