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正座!

もしかして、なドキドキを邪魔されたらねぇ。

 

「これにて、一件落着」

「ヤクモ様?」

「気にするな、リン。独り言だ」

「はぁ」


 あの後、領主館から出て、マリーが待っている店に行く途中で、つい独り言を漏らしてしまった。


 店に到着して、問題が解決した事を話した後、店主の右腕の骨折は治療して、その後に料理を振る舞ってくれた。

 美味しかった!


 帰り道で、マリーの助言を聞きながら、果物を出来るだけ色々な種類を爆買いしてから宿屋に向かった。


 今日も午後9時に予約したのだが、今回は時間差を使わずに一緒に脱衣所に入って来た!


 正直、リン達の見せても構わないと思ってくれている信頼は嬉しいが眼に毒だ。

 ラノベの主人公みたいに、自分が同じ立場になって初めて知ったよ。


 ……本当に、心臓に悪いな。


 今回は、浴場でのマナーを全面に出す事で平穏に過ごし回避した。

 ……のだが、アリシアが何故か不機嫌だった。

 リンに、途中でこっそり聞いたら「2人だけの時間を作りますから交流を深めてください」と言われた。

 確かに、最近は2人きりになっていないな。


 部屋に入るとリンが言った。


「マルティナ」

「何でありますか、リン」

「ヤクモ様、マルティナに少々ですが、聞きたい事がありますので、時間を頂いてもよろしいでしょうか?」

「あ、ああ。構わない」

「ありがとうございます。それでは、マルティナ行きましょうか」

「わ、分かったであります」


 こうして、リンとマルティナが部屋から出て、見事に俺とアリシアの2人だけの状態になった。


「……」


 沈黙が10分を過ぎた頃、俺は意を決してアリシアに話し掛けた。


「アリシア」

「な、何、ヤクモ」

「浴場から出た時、アリシアが不機嫌だったのは何故だ?」

「……教えない!」

「アリシア」

「な、何よ!」

「俺はアリシアを大切に思っている。だから、何か不安とかが有るのなら相談して欲しい」

「ヤクモ……」


 アリシアが、俺に身体を預けて、目を輝かせ少し顔が紅潮して俺に顔を近付けて目を瞑った。


 そして……


 ドアが急に開き、リンとマルティナとマリーが部屋に倒れ込んだ。


「「「「「……」」」」」

「……正座」

「アリシア……」

「リン! マルティナ! マリー!」

「「「はい!」であります!」」


 今のアリシアは、素敵な笑顔だが、何故か恐怖を感じている。

 それは、リン達も感じているみたいで、最速で正座した。


「ヤクモ」

「はい、アリシア!」

「悪いけど、2時間程、時間を潰して来て」

「わ、分かった」


 つまり、正座説教が2時間だという事だな。


 俺は、時間を潰す為に、宿屋の屋上に行く事にしたのだが、やはり良いな。

 異世界には電気が無いから、星を隠す地上の光が無い分、夜空の星が良く見える。


 ……そうか。俺、アリシアの事が好きなのか。


 満天の星を見ていたら、自分の気持ちに気付いてしまった。

 だから、アリシアは不機嫌だったのか。


 ……思い出した!


 社交界で、パートナーの瞳や髪の色の宝飾品を飾る意味を!

 そりゃあ、あれだけアピールすれば、訳有り釣書が激減する筈だ。

 しかも、この異世界でも「黒色の宝石」は珍しいのに、あれだけ飾れば誰でも身を引くよな。

 俺が「持っている」って。

 アリシアの想いを軽んじる訳ではないが、もうしばらくは、アリシアの気持ちに気付かない振りをしよう。

 俺、純愛系ラブコメは嫌いじゃないからな。

 そう言えば、まだ半年以上先だが、アリシアの誕生日があるな。


 ……ちょっと頑張るか。


 アリシアの誕生日プレゼントを色々と考えていると2時間を既に過ぎていたが、部屋に入ると3人は正座したままだった。


 リンは、綺麗な姿勢を崩す事なく正座をして、マルティナは、既に限界を超えているのか眼にハイライトが無かった。

 マリーは、器用にも正座したまま眠っている。


 俺は、従業員を呼んで事情説明をして、マリーが起きない様に回収して貰った。

 マルティナは、アリシアから最後の止めと言わんばかりに、痺れ切った足をつつこうとしていた。

 リンは、正座説教から解放されると、一言「ヤクモ様、お休みなさい」と言うと、自分のベッドに行き掛け布団を被り寝た。

 まあ、翌朝までには俺のベッドに潜り込むだろうがな。


 俺はアリシアの頭を撫で撫でしながら言った。


「もう夜も遅いから寝よう」


 アリシアは、少し緩んだ笑顔で言った。


「分かったわ、ヤクモ」

「お休み、アリシア」

「お休みなさい、ヤクモ」


 翌朝、目が覚めると左右にリンとアリシアが幸せそうに眠っている。


「ヤクモ様、その焼肉はアリシアの分です」

「ヤクモ、そのお菓子はリンの分よ」


 ……2人共、ソレ、寝言だよな?


 因みに、マルティナは日課の日光浴中だ。


 俺達は、マリーの可愛い我儘わがままなだめてチェックアウトした。


「また、来てよ」

「ああ、また来る」

「絶対よ!」

「絶対だ」

「なら、許してあげる」

「娘の事もありますが、いつでも来てください。私達は歓迎します」

「そうさせて貰うよ」


 俺達は、マリー達に手を振りながら出発した。


 次の目的地は、竜人族の国だ。

 皇女であるマルティナの事で、一応は話ぐらいは通した方が良いだろうしな。

 マルティナの話だと、国を理由を問わず出ると、本人の自己責任になるらしい。

 それで、皇女と言えども、国を出た以上は自己責任だから、奴隷になっても買った主人にはアレコレと文句を言う者は居ないみたいだ。

 ……と、いう事を宿屋で、リンがマルティナから聞き出した内容だ。


「う、うむ。承知した」


厳しくも温かいメッセージを待っています!

そして、星の加点をお願いします。

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