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冷たくて気持ちいでありますー!

○護は、最後まで見ていた!

 

 昼食を頂きながら雑談を続けた。


「名残り惜しいが、国王と同等の者をこれ以上拘束する訳にはいかないからな」

「やはり、分かっていたか」

「当然だな。あの時、あの場には居なかったが、きちんと確認したからな」

「それではバルトロセ侯爵、失礼するよ」

「バルトロセ侯爵様、また、お会い出来る日を楽しみにしています」

「うむ。ヤクモ達もな」

「バルトロセ侯爵、今まで世話になった」

「マルティナもウリセスの世話、今までご苦労であった」


 こうして、俺達は昼食を終わらせて領主館を後にしたのだが、宿屋に戻るとマルティナに秘密厳守の命令をしてリンとアリシアに留守番をお願いして、俺とマルティナは転移する。

 行き先はドワーフ国のイポスとテーファで、目的はマルティナの武具の作製依頼で、勿論、素材は災害級ディザスターザカリアスだ。

 マルティナは、斧と盾を使う戦い方をするみたいで、武器は戦斧と短剣を、防具は鎧と盾をイポスに依頼し、テーファには、鎧の下に着る装束とマジックポーチを依頼した。

 完成は2週間後だ。

 そして……


「あの災害級ディザスターザカリアスを単独討したのがヤクモ殿!」


 と、驚いてくれた。


 宿屋に帰った頃には、既に夕食の時間となっており、リン達と一緒に夕食を頂いた。


 部屋に戻ると、お互いの事を話し合い交流を深めていった。

 ただ……


「ヤクモ殿、お願いがあるであります」

「何だ?」

「明日、アタイと戦って欲しいであります」

「分かった」

「理由を聞かないのでありますか?」

「きちんとした理由なんだろ?」

「はいであります。前のご主人様は恩があったし非戦闘者だったから戦って確かめる必要は無かったのでありますが、ヤクモ殿は戦えるから……竜人族の1人として確かめないといけないであります」

「分かったよ。マルティナにとって必要なら構わないよ」

「ありがとうであります、ヤクモ殿。アタイ、嬉しいであります!」


 翌日、俺達は先にマルティナのザカリアスの装備が出来るまでの間に合わせの装備を購入してから、森の奥に行き、拓けた場所を見つけて、マルティナと模擬戦をした。


 ……勝負方法は、竜人族伝統の装備無しの「格闘戦」となった。


「冷たくて気持ちいでありますー!」

「マルティナ、そろそろ泉から上がって」

「分かったであります、アリシア」

「昼食の準備が出来ました」

「分かったわ、リン」

「分かったであります、リン」


 マルティナとの模擬戦は、最初の内は錆落とし的な感じだったが、次第に身体が温まったのか、どんどん攻撃が苛烈になっていったが、俺の圧勝だ。

 まあ、俺からはマルティナの攻撃を躱したり流したり防いだりした。

 俺からの攻撃は、マルティナの隙を指摘する様な感じで、軽く指で突く程度にした。


「ヤクモ殿、はいであります」

「ありがとう、マルティナ」


 俺の背後・・からマルティナが来て、背中側・・・から昼食を出したから受け取った。


「アタイも一緒に食べても良いでありますか?」

「勿論だ」


 そして、マルティナは泉から上がったままの「姿」で俺の正面に胡座あぐらを組んで座った。  


 ……俺は、「オレンジ頭の彼」と同じく最後までじっくり見てしまった!


「……マルティナ?」

「どうしたであります、ヤクモ殿?」

「マルティナ! ぜ、全部! 全部、見えているって!」

「アタイは気にしないであります」

「俺が気にするの!」

「ヤクモ……」

「ヤクモ様……」

「「正座!!」」


 昼食は中断して、俺と服を着たマルティナが、リンとアリシアとの共同説教を正座で1時間受けた。


 帰り道でマルティナに聞いてみた。


「俺は合格か、マルティナ」

「はいであります! 竜人族皇女マルティナの主に相応しいであります!」

「……ちょっと待て!」

「どうしたでありますか、ヤクモ殿?」

「マルティナは、竜人族の皇女なのか?」

「はいであります。まあ第9皇女でありますが」

「……」

「竜人族の女は、基本的にはどんな形であれ、従わせる者は自分より強くないとダメなのであります」

「そういう事か」

「そういう事であります」


 ……そして、マルティナから爆弾発言されたが、まあ大事に扱えば大丈夫だろう。


 蛇足だが、マルティナの中に着る肌着等のサイズ確認は、転移した時に都市ランカールにも飛んで済ました。

 因みにサイズだが、奴隷の元公爵夫人がギリ勝っていた。

 何処かが……な。


 さて、翌日には城塞都市バルトロセを出発して、今回の目的地である美味しい果物が食べられる街「バレシア」を目指した。


「ヤクモ殿、やっぱり凄い馬車であります」

「まあな。色々と改造したからな」


 今は街道をのんびりと移動中で、御者席は俺とマルティナが座っている。

 勿論、馬車の操作を覚えて貰う為だ。

 まあ、理由の1つに、今、リンとアリシアはチェスみたいなボードゲームをしている。


 ……真剣に!


 勝負の邪魔をすれば、俺でさえ命の危険を感じるし、マルティナも、2人からの洗礼を受けて大人しく御者席に座っている。

 2人は、賭け勝負をしているが、何を賭けて勝負をしているかは教えてくれない。

 命令すれば教えてくれるだろうが、信頼関係にひびが入るからしない。


「……マルティナ」

「はいであります、ヤクモ殿」

「お客様だ。俺が応対するから、この場で待機していてくれ」

「分かったであります!」


 ゆっくりと馬車を止め、外側から入る音を完全に遮断する結界を張り、俺は結界の外側に居る盗賊共の応対をして、マルティナに一言伝えてアジトに向かった。


「親切に教えてくれたアジトの場所は……」


 ちょっと探したが、無事にアジトを発見して、何時もの処理をしたら囚われた少女が居た。


「助けに来た。1人か?」

「ありがとうございます。私1人です!」

「分かった。牢屋の入口から離れろ」

「……は、はい」


 俺は、何処かの盗賊殺ロバーズキラーしの自称保護者みたいに、牢屋の鍵を一閃して切った。


 ……出来たよ。



厳しくも温かいメッセージを待っています!

そして、星の加点をお願いします。

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