……しょ、勝者ゼン!
カード名は頑張って考えています。
冒険者達は、言うだけ言って退店した。
「どう思う?」
「新しい仲間が増えるわね」
「そうですね、アリシア」
「何故、その回答なんだ?」
「だって、女の子には甘いヤクモだもん」
「そうですね。ヤクモ様が助け出すのは、予定調和ですから」
結局、この後は、リンとアリシアに俺はイジラれ続けたまま軽い食事が終わり会計を済まして退店し、散策を続けた。
翌日、朝食を食べ終わると、俺達は冒険者達が言っていた「西の広場」に行ってみると、既に野次馬で溢れていた。
「噂以上の美貌だな」
「そうだな」
「しかし、アレだな」
「ああ」
「確かに2度見する程の美貌と身体だが」
「身長がな……」
「背が高いな」
そんな事を野次馬が言っていたから、俺も見ると、確かに「2度見する程の美貌と身体」と言われるだけの外見だ。
そして……背が高いな。
と、言っても180cmぐらいだな。
予め、用意されている高台に誰かが上がった。
「これからウリセス様からお言葉がある。
皆の者、静聴するように」
高台に上がった男性が降りて違う男性、多分ウリセスとか言う領主の次男が高台に上がった。
……始まったか。
「さあ、始めようか。集まってくれた皆さんに約束しよう。
もし、符術召喚で私と勝負して勝てたなら、この竜人族の奴隷『マルティナ』を主人変更費用等を含めて、全て私が支払い無料で譲渡する事を」
……なるほどな。
かなり舞い上がっているな。
アレは、やっと手に入れた玩具を使いたくてウズウズしている子供だ。
「さあ、居ないか? 奴隷とはいえ、この美貌と身体だ。私との符術召喚の勝負で勝つだけで、手に入るのだぞ?」
左右に居るリンとアリシアを見ると俺を見ながら頷いていた。
それじゃ、行くか。
「俺が出る」
……第一声を考えたが、コレになった。
挑戦?
俺が勝つのは予定調和で「挑む」の意味になる「挑戦」を使うのは違うしなぁ。
申し込む?
書類選考とかでも無いしなぁ。
「居ただと……」
「ウリセス様」
高台の後ろに居た男性がウリセスに注意しているが、俺には聞こえているぞ。
「……よ、良くぞ、名乗り出た。名は?」
あー、考えていなかった。
馬鹿正直に言ったら、面倒臭い事になるのは目に見えているしなぁ。
「……ゼンだ」
「ゼンか。では、私と符術召喚で勝負する事になるが良いのだな?」
「ああ」
「では事前に、この勝負の規則を用意した」
領主の次男が、そう言うと1枚の紙を最初に高台に上がった男性が持って来た。
内容を確認すると、日本のカードゲームのプレイヤーなら納得する事が書かれていた。
しっかり読んだが、きちんと「抜け道」が無い様になっている。
「この規則は、建国された初代国王と英雄達が作製した規則だ。符術召喚士は、この規則を守る事を誓っている」
「俺も誓う」
更に、お互いに魔法誓約書に名前を記入した。
「これで誓いは成された!」
勝負方法は、3本勝負で、お互いにモンスター1体ずつ召喚して戦わせる形になる。
イメージは「ポ○モンバトル」だな。
俺は、召喚する3枚を選ぶ。
「これより、符術召喚による勝負を始める」
高台の男性が審判をするみたいだな。
「……では、両者は最初の符術召喚を」
「召喚! ブラックウルフ!」
「召喚! 銀嶺の狩人エリザ!」
「なっ!?」
……あ、やっちゃったかも。
因みに、銀嶺の狩人エリザは、銀眼銀髪の白系衣装のエルフだ。
「人型でしかも名前持ちだと!?」
「信じられない!?」
周りの野次馬も、向こうの過剰な反応を見て、ザワザワしている。
「き、貴様、何者だ!」
「聞いた所で意味はあるのか?」
「……く。」
「まだ始めないのか?」
……開き直るしかないな。
「……そうか。分かったぞ! 貴様は最初に手持ちの最強の召喚獣を出したな?」
「御託はいいから始めろ」
「……まあ良いだろう。おい」
「は、はい。では召喚決闘第1陣開始!」
「行け! ブラックウルフ!」
「狩れ、銀嶺の狩人エリザ!」
野生のブラックウルフと同等の速さでエリザに向かって来たが、そのエリザは構えた弓から矢を放ち、ブラックウルフの眉間を射抜いた瞬間に、ブラックウルフは黒い霧となり霧散して向こうの召喚の腕輪からカード化して現れた。
「勝者ゼン!」
「「「「「「「「「「おお!!!」」」」」」」」」」
そして、俺の方も召喚の腕輪からカード化した銀嶺の狩人エリザが現れた。
「ま、まあ、この一戦は分かりきっていた。
だが、最初に最強のカードを出した貴様に勝利は無い!」
「いいから次だ」
「ふ、ふん! 負け惜しみを」
「……では、両者は次の符術召喚を」
「召喚! ブラッドウルフ!」
「召喚! 凍結の魔女ランセン!」
ブラックウルフの上位種か。
高い金を出せば狩れるモンスターだな。
次の凍結の魔女ランセンは、黒ストを履いた黒髪ショートのめぐ○ん的な衣装を着た魔術師だ。
「また人型だとっ!?」
「時間の無駄だ、始めろ」
「……く」
「で、では召喚決闘第2陣開始!」
「行けぇ! ブラッドウルフ!」
「穿け、凍結矢!」
先程のブラックウルフを超える速さでブラッドウルフは向かって来たが、凍結の魔女ランセンが放つ凍結矢に身体を貫かれ全身が凍結した後、光を乱反射させながら砕け散り黒い霧となり霧散した。
そして、お互いにカードが腕輪から現れる。
「しょ、勝者ゼン!」
「ば、バカな!?」
「「「「「「「「「「おお!!!」」」」」」」」」」
向こうが0からカードを集めたとしたら、既に金貨3枚は超えているな。
ブラックウルフの討伐報酬は銀貨15枚だが、上位種のブラッドウルフは桁違いの高額になる。
討伐報酬が金貨3枚だ。
「余興は此処までだ! 私の最強の召喚獣を、見せてやる!」
「……で、では、両者は最後の符術召喚を」
「召喚! 火蜥蜴!」
「召喚! 封炎の聖騎士ラファー!」
「……ふ、ふ、巫山戯るな! 貴様、流れの符術召喚士ではないな? 何処かの大貴族に仕えているな?」
「さっきも言ったが答える意味があるか?」
「……チッ。 始めろ」
「……は、はい! 召喚決闘第3陣開始!」
因みに、最初の銀嶺の狩人エリザと、凍結の魔女ランセンがRカードだ。
後、火蜥蜴の討伐報酬は金貨30枚だ。
最後に「封炎の聖騎士ラファー」は、炎をモチーフにした鎧を装備した女騎士のSRカードだ。
「燃やし尽くせ! 火蜥蜴!」
「制圧しろ、封炎の聖騎士ラファー!」
火蜥蜴が、鋼鉄すら溶かす火を吐くが、封炎の聖騎士ラファーが放つ上段からの一閃で、火蜥蜴が吐く火は消えて、そのまま一刀両断した。
「……しょ、勝者ゼン!」
「そ、そんなっ!?」
「「「「「「「「「「おお!!!」」」」」」」」」」
はい、予定調和の3連勝。
リンとアリシアが飛び出そうとしたが、目線で2人を止めた。
厳しくも温かいメッセージを待っています!
そして、星の加点をお願いします。
作者は、あの作品は好きです。




