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やっと、接待が終わった~

気配りは、立場に関係なく必要ですよね。

 

 部屋に入り、周りに聞く耳を立てた奴が居ないかを確認するとリンとアリシアに話し掛けた。


「全く、面倒臭いな」

「そうですね、ヤクモ様」

「全くだわ! 私が居るのに……」

「アリシア、途中から聞こえないのだが?」

「言わないわよ!」

「わ、分かった」

「それで、ヤクモ様。どうされますか?」

「多分、ルガンテ侯爵や王宮にも連絡が行っているだろうから……」


 部屋の外に人が近付く気配がして、ノックの音が響いた。


「どうぞ」

「失礼します、ヤクモ様」

「何か用か?」

「先程、王宮より使いの者が来まして、是非、王族としても、レイエールお嬢様の命の恩人にお礼がしたいそうです」


 俺はリンとアリシアを見たが、2人共、首を縦に振った。


「分かった」

「畏まりました。それでは明日の午前8時に馬車が迎えに来ますので、よろしくお願いします」


 翌日の午前8時に王宮からの馬車が迎えが来たから、俺とリンとアリシアが乗った。

 レイエール嬢まで乗ろうとしたから、レイエール嬢に不名誉な噂を立てない為に、と言って乗車拒否をした。

 向こうは、必殺涙目の「私の事が嫌いですか?」と言ってきたが、「ハニトラ要員と分かっていて好きになるかボケ!」と思いながら、こう言った。


「ルガンテ嬢の名誉を守る為です」


 そして、アリシアが悪役令嬢みたいに言った。


「貴女が座ろうとした席は、私が既に座っているから無駄よ」


 アリシアの迫真の演技で、レイエール嬢を撃退してくれた。

 アリシアって、女優の才能が有るのかもな。

 因みに、そう思った瞬間、リンは俺を見て長い長い溜め息を吐いた。


 ……何故?


 馬車で移動して王宮の応接室までを、合計2時間掛けて到着したのだが、そこには貴族令嬢達が10人居た。


 ……脱獄するべきかもしれないな。


 しかし、国王と王妃と宰相と王女1人に因って出入り口が封鎖された。


 そして、壁の華状態の貴族令嬢達を無視して着席を勧められ仕方なく俺達は座った。

 リンも同列で座ったのは、今回、俺はSランク冒険者ヤクモとして居るからだ。

 だから、奴隷とはいえ、仲間のリンも俺と同等という事で、俺の右側に座っていて、アリシアは左側に座っている。

 俺から見て右側に居る、壁の華の貴族令嬢達の中に、何人かはリンが同列に座った事で、一瞬だが顔をしかめた。


「トレベーガ国王」

「なんだね」

「彼女達が呼ばれた理由は予想出来るが、その為の最低基準さえ満たしていない令嬢が居る」

「誰だね?」


 俺は、2本指で顔を顰めた令嬢達を指した。


「分かった」


 国王がそう言うと、宰相が名前を呼び、名前を呼ばれた令嬢達に退室を命令した。

 令嬢達は多少の抵抗はしたが、国王の「命令だ」の一言で退室していった。


「理由を聞いても良いかね」

「ああ。奴隷の身分であろうとも、俺が選び、俺が認めた、俺の仲間を否定する者を許容する気は無い」

「それはそうだな」

「さて、ヤクモ様。今回はいきなりの招待でありながらも応じて頂いてありがとうございます。

 王国を支える貴族の1人を助けて頂いて感謝しきれません。その感謝とお礼をする為に来て頂きました」

「王妃である私からも、お礼を言わせて頂きますわ。

 娘である王女『リラナイン』の友人であるレイエールを助けて頂いてありがとう」

「私からも。大切な友人であるレイエールを助けて頂いてありがとうございます」


 ちょっと、此処で「釘」を刺しておくか。


「今回は、そちらの体面を考慮して招待に応じたが、俺達は今、行くべき目的地がある。

 長居するつもりは無い」

「……分かりました、ヤクモ殿」


 やはり、俺の予想通りの「合コン」だった。


 国王と宰相が退室して、王妃が見ている中で、彼女達と雑談会をして、言葉や態度の裏表に関係無く、アリシアを否定する者は退室させていった。


 リンは奴隷の身分だから、幾ら俺が認めようとも正室や側室になれない為に、残った令嬢達から見れば敵ではなく、ペットだと判断されていて、表情と言葉だけは好意的に接していた。


 昼食の時間が来た為、残った令嬢達と昼食を取る事になったが、此処でも、俺が不快にならない様に言葉を選びながら好物を探ってきた。

 だから、どれも好物で、嫌いな物は無いと言ってやった。


 彼女達も、魑魅魍魎や悪鬼羅刹が生胆いきぎもを喰らう社交界で生きている為に、俺の考えが分かるみたいで、昼食が終わった後も続いた雑談会からは、純粋な好奇心から来る質問が出る様になった。


 そして、雑談会は午後2時頃に終わり、俺達は王城から出る事が出来た。

 ある程度、王城から離れると言った。


「やっと、接待が終わった~」

「お疲れ様でした、ヤクモ様」

「お疲れ様、ヤクモ」

「本当に疲れたよ」


 俺達は王宮の馬車でルガンテ侯爵家の屋敷に送って貰った。

 到着すると、レイエール嬢が待っていて、そのまま彼女の私室に連れていかれた。


 多分、専属侍女が扉を閉めようとしたから、俺が扉は全開にと、お願いした。

 レイエール嬢は不満顔だが、ハニトラと分かっていてトラップに掛かるつもりは無い!


 その後は、王宮でどんな事があったのかを聞いてきたから、リンやアリシアに対してした彼女達の表情や言動を愚痴った。

 これで、間接的にレイエール嬢に対しても牽制になるからだ。


 そして、この牽制で、彼女のリンやアリシアを下げて、自分を上げる作戦は使えなくなり、会話が途切れた所で、明日、王都を発つ事を伝えた。


 ……場合に因っては、明日は、あの場に呼ばれてすらいなかった貴族達や令嬢達が押し寄せて来る可能性が有るからだ。


 それに、既に、そういう話が来ているのかもしれないが、俺が、ソレを聞く前に王都を発つ事を話したから、もう向こう側も明日も王都に居て欲しいとは言えなくなった。


 俺が災害級ディザスターザカリアスを単独討伐した事で、俺の不機嫌が最悪、国の滅亡に繋がるからだ。

 だから、俺を知る者は、俺に対して無理が言えない事になる。


「ヤクモ様。王都に寄られた時は、是非、我がルガンテ侯爵家に立ち寄って欲しい。いつでも歓迎する」

「ありがとうございます、ルガンテ侯爵」

「お待ちしています、ヤクモ様」

「何時でも待っていますわ、ヤクモ様」


厳しくも温かいメッセージを待っています!

そして、星の加点をお願いします。

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